「忘れられない1枚の絵がある。20数年前に旅先のパリの街角で見かけた絵だ」
・・・2007年5月29日にブログあげした記事の出だしだ。
「道化師のメイクした顔が力強いタッチで描かれていて、微笑ともつかない表情の奥に深い悲しみをたたえた目がこちらを見ていた。その絵が気になって次の日もその街角にたたずみ、飽きることなくその絵を見続けた」
http://pub.ne.jp/tetujin/?entry_id=721288
ぼくの写真好きの原点は、ベルナール・フォコンのマネキン写真であったり、古いオートマタや西洋のアンティークドールにあるのかもしれない。
1800年代後期から1900年初期の間にフランスやドイツで作られた、ビスクドール。当時は、上流社会の婦人たちのために作られ、彼女らが着ていた当時の最先端のファッションを着せて、おしゃれな人形として親しまれていた。
ビスクドールのビスクとは、フランス語で磁器製の人形の全身を二度焼きすることを意味し、色がまったくあせずにいつまでもそのままに、柔らかい質感を持つ。
最初の頃は、人形の型に陶土を押し付けて制作されていたが(プレスドビスク)、その後は、液状のホーセリンを型に流し込んで成型する(ポアードビスク)。
・・・紙で出来たお城のおもちゃの入り口には、1人のおどり子が片足を思い切り上げて踊っている。
夜中におもちゃたちが起きだして遊びまわる・・・記憶の底に沈んだ幼児期のファンタジックな憧れ。。
このビスクドールへの憧れは、道化恐怖症の裏返しなのだろう。・・・母が集めていた日本人形は至って怖い。古びてきた人形たちが並ぶ母の部屋には、今もなお、一人では入れないぐらい怖い。。
それでも、得体のしれない怖さを感じさせる和人形と違って、ビスクドールは古びていても華やかさが残っていて、多少は怖さが和らぐ。・・・基本的には、トラウマにならない程度の怖いもの見たさなのかもしれない。
さて、写真のオートマタは、西洋の「からくり人形」。オルゴールの持つゼンマイを動力源として、音楽を奏でながら自動で動くからくり人形だ。東京都文京区にある「オルゴールの小さな博物館」で展示されている。
このオルゴールの小さな博物館は、1983年に日本で初めて開館したオルゴール博物館。西洋の「からくり人形」以外に、シリンダー式オルゴール、ディスク式オルゴール、ストリートオルガン、自動演奏ピアノなど、18世紀から20世紀にかけて発達したオルゴール類が展示されている。いずれの展示品も100年以上も前の貴重な逸品だ。
材料屋の悲しい性だが、からくり人形のメカニズムもさることながら、どうしても、シリンダーやディスクの材質に目が行ってしまう。
なお、1750年の「紅毛訳問答」に「ヲルゴルナ」の記述があり、これは本来、ポルトガルから伝来した「オルガン(orgào)」のことだった。だが、「音の出る箱型機械」と解され、これが「オルゴール」の語源となったようだ。
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