すっかり乗っていた馬の機嫌を損ねてしまったぼくは、BBQの昼食をはさんで彼との関係修繕にでた。
現地ガイドのトムを誘って、Flushに日本から持ってった氷砂糖をプレゼント。ところがこれに見向きもしない。トムがあげてもダメ。
・・・トムが氷砂糖を指でつまんで珍しそうにしてたから、ひょっとしたら、かの地には氷砂糖なるものがないのかもしれない。結局、日本から持ってった氷砂糖はトムがおいしそうになめていた。
せめて水でもと、手の平にミネラル・ウォーターを汲んで差し出すも、これも無視。ぼくのワイロ作戦は失敗に終わった。
そんなんで、Flushに騎乗して帰り道のことだ。牧草地を通るダート。ホーストレッキング用に造られた道だ。多少デコボコしているが、広くてトレッキングには上等。帰り道なので、それぞれの馬が牧場を目指してトロット(速足)。
Flushにはトロットに加えてキャンター(駆け足)が時々入る。よっぽどぼくを乗せるのがイヤなのだろうか。
そのとき、地面のくぼみを避けたのだろう。Flushは横跳び。その反動で自分の首にかけていたアクションカメラ(GoPro)が膝に落っこちた。拾おうと下を見たとき、Flushがまたはねた。今度はその反動で、左のあぶみから足が外れた。
・・・やばい、落馬する。
そして、ぼくは無様に、この日三度目の落馬をした。