tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ドライブ・マイ・カー

2022-02-16 22:13:14 | cinema

映画は第94回米アカデミー賞で作品賞など4部門にノミネート。米国でもなかなかの評判のようだ。なので、村上春樹氏の原作を英語の翻訳で読んだ。
映画の方は、いろんなテーマが盛りだくさんで、主となるテーマが色あせてしまってる気がしないでもないが、原作は「寝取られた旦那」の独白。シンプルで非常に重たい内容だが、軽妙な語り口から、むしろさわやかな印象すら覚える。

なんでドライブ・マイ・カーか言うと、あの車内の狭い空間に居合わせる人々は必然的に話をせざるを得ない。あまり美人とは言えない若い女性と、40過ぎのおっさんが重たい話をするとなると、必然的に若い女性のドライバーでおっさんがナビゲーターシートとなる。考えられたシチュエーションだ。
似たような設定で、魅力的な若い女性の家事代行とか家政婦といった話になれば、それはまた別の展開にならざるを得ない。。

何度か浮気を繰り返す妻について、原作では直接的な証拠を握っているわけではない。自分の直感を信じることにより一人で地獄に陥ることになるのだが、映画ではそこはわかりやすく描いている。
女性たちが経済力を持てば、どんどん自由になる。既婚の女性の浮気も、さほどありえない話ではなくなるのだろう。その時、男たちはどうするんだろう。

世界的に女性たちの活躍が進んでいる。きっと、アメリカの男たちも、どうすればいいのか不安を感じているのかもしれない。ハリウッド映画が作ってきたバリバリのヒーローものとは、全く違う世界の話だ。といいながらも、この映画も、そしてこれまで作られてきた映画も、すべて男目線のストーリーだ。女性たちはどう考えているのだろう。それは、永遠に謎。