tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

天女の舞 アプサラ・ダンス

2011-11-05 23:34:32 | プチ放浪 都会編

    
 

カンボジアが内戦をしていた頃、伝統的な宮廷舞踊の踊り手のほとんどは、クメール・ルージュによって殺  された。だから、今あるアプサラ・ダンスは、人々の古い記憶からよみがえらせたものだ。
このアプサラ・ダンスが誕生したのは9世紀。王室専属の踊り子が育てられ、特別な日に披露されていたそうだ。
1430年頃、アンコール朝はアユタヤ朝(タイ)に攻め入られ、陥落。この時、宮廷舞踊団も戦利品としてタイへ連れて行かれた。このため、タイにも、また、インドネシアのバリにも同じような踊りがある。だが、もともとは、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」がそのモチーフだ。

金銀の刺繍を施した豪華な衣装を着用し、頭には冠をかぶる。ゆったりとした動きのなかで手と足の指がしなやかに空を舞う。カンボジアの木や竹などで作られた楽器の演奏をバックに踊る舞いは優雅で雅やかな古典の世界へといざなう。
手の指が大きく反り返るのがカンボジアのダンスの特徴。アプサラダンスに見られる円陣のフォーメーション、無駄のない振り付け、しなやかで独特な手の動きは、宇宙と地表の間に浮かぶアプサラを象徴している。また指先は八段階に変化させ、植物における生命の循環を表現している。

ラーマーヤナはラーマ王行状記の意味。アンコール遺跡のレリーフの題材としても有名だ。あらすじは、コーサラ国の王子として生まれたラーマが継母のたくらみにより国を追われる。ラーマ王子は美しい妻・シータと弟と共に、国から遠く離れた森で暮らすのだが、妻の美貌に目をつけた魔王・ラーヴァナにより、妻が誘拐されてしまう。ラーマ王子たちは、猿王ハヌマーンと共に、妻を奪回するため、魔王に戦いを挑み、魔王を倒すというものだ。
なお、西遊記の孫悟空は、このラーマーヤナに出てくる勇敢なサルがモデルらしい。

カンボジアの絹絣に使われる伝統的な色は、黄、赤、黒、緑、藍の5色。なかでも、赤の鮮やかさが目立つ。この赤の染色には、主にラックカイガラムシの分泌物であるラックが使われてきた。1970年代、ラックはカンボジアの輸出産品だった。ところが、現在はまったく採れなくなっている。内戦の間の自然破壊が原因だ。内戦の間、大きな木が伐採され、森の気温が高くなったため、ラックカイガラムシが住めなくなってしまったのだ。現地の人たちが使うクローマという織物は、今は輸入した木綿を化学染料で染めたものになってしまっている。


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