煮こんだ牛肉とスープ、小麦の麺からなる牛肉麺。
タイで知り合った台湾の若い女性が、数年前にぼくを夜市や食堂に案内してくれた。彼女が最初に連れて行ってくれたのが牛肉麺の店だった。
豚肉の消費がダントツに多い台湾。牛肉は国内の生産量も少なく、輸入に頼っている特別な存在だ。
牛肉麺は欧米の旅行者や中国本土から訪れる旅行者にも人気がある。
中国人が牛肉麺を好むのは、中国の四川が起源だから。第二次世界大戦後、台湾各地に「眷村」と呼ばれる大勢の中国退役軍人(外省人)のコミュニティーができた。外省人家族はここのなかで暮らし、育った。そんな中で牛肉麺も生まれた。
外省人が中国本土から持ち込んだ調味料を使って、故郷の四川を思わせる「牛肉麺」を作り上げた。
高雄岡山の眷村に源を発し、台湾各地に広く伝わった後に、台北で広まった。
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