tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

離島に生きる

2010-02-03 23:51:14 | プチ放浪 海沿い編

 笑顔がキュートな看護師のKちゃんは、海なし県の出身。若くて元気ハツラツのダイバーだ。
Kちゃんに限らず、スキューバダイビングを趣味としている人の中に、医者や看護師さんが多い。
それは、医療現場はストレスがとてもたまりやすいからなのだろう。
ダイビングはストレス発散に最適だ。広い空と青い海、海に抱かれるだけでもストレスは発散できるし、適度な運動は心を癒してくれる。

日本各地の離島では、高齢化が年進行し、独居老人世帯、高齢者世帯、要介護世帯が増加の傾向にある。
だが、雇用条件など離島での待遇は悪く、医師は条件の良い都会に移るため、毎年というほど医師不足の問題が発生する。そのたびに離島住民は不安になる。
緊急医療に対応できない状況になれば住民の生活に大きな支障をきたすからだ。もちろん、ドクターヘリによる緊急搬送など、経済的にも地方自治体に多大な負担が発生することになる。

この高齢社会の島の医療を支えるのは、Kちゃんをはじめとする島で唯一の病院に勤務する27名の看護師さんたちだ。
Kちゃんは派遣看護師として赴任してもうすぐ1年。島の人たちを見守ってきた。
医師の少ない離島では、看護師にはACLSなど緊急医療技術は必修だ。第一発見者がやらなければ、助けられない事態になりかねない。
「日進月歩の医学に比べ、この島は30年くらい遅れている」。不十分な医療態勢に自問自答しながらも、「自分がいないと」と続けてきた。半ば意地だった。

国民は人件費を削ってでも医療費を下げろと要求する。器具や機械の値段は削れないから、人件費を削るしかない。
すでに薬剤はジェネリックを採用し、コストを削減ずみだ。人件費を削れば、いずれ、深刻な医療ミスも増える。
離島では、看護師1人夜勤の病院がある。看護師1人とヘルパー1人で50人もの患者を夜間看ている。
削ることが出来ないくらい削っているのが医療現場だ。それでも、なんとか機能しているのは、サービス残業と病院の努力によるものだ。

そんな訳で看護師の定着率は低い。看護師を続ける事が出来る仕事量をはるかに超えた仕事が割り当てられているからだ。
しかも、島の病院での給料は、本島の半分に満たない。
その上、県の方は賃金のベースアップを削るため、派遣看護師の契約を1年限りにしようとしている。
せっかく島に骨をうずめようとしている医療従事者を追い出す施策をとろうとしている。

今の日本で、看護師免許の取得者はたくさんいるが、医療現場には来ない。人材不足を補う手段として期待された、経済連携協定に基づいたフィリピンおよびインドネシアからの看護師受け入れは、国外の看護師のプロフェッショナルとしての資格を十分に認めないなど、日本の待遇があまりにも悪いために進んでいない。

医師不足の解消を願う島民の願いは切実。そんな中、Kちゃんは島の人としてみんなに受け入れられている。宅急便のお兄さんは、彼女の勤務スケジュールを熟知しているし、島の人とエイサーを踊ったり、沖縄三味線を弾けば、あちこちから応援の声がかかる。彼女の人気は高い。
島の60歳になるお兄ちゃん(あっぴい)は彼女のファンで、夏の夜には彼女を素もぐり漁に誘い、ヤスでついたメバルや蛸を彼女にプレゼントしてくれる。
「10mも素もぐりで潜って捕ってくるのよ。かっこいいよね~」
ここはあったかい人ばっかり。家族みたいな存在のお年寄りたちの明るい声と笑顔が、Kちゃんを島に引き止めている。

島の人は、島で最後を送りたいと希望するようだ。末期のがん患者など、転院の時期の見極めが難しいという。本島からの飛行機の座席に着座ができるうちに移動。 救急ではない患者の搬送にはドクターヘリが使えないため、タイミングを間違えて寝たきりになった病人を搬送すると莫大な費用がかかってしまう。もちろん、患者の家族が払える金額ではない。

Kちゃん。いろいろと大変だと思いますが、これからも頑張って下さい。応援しています。

 

「チーズケーキ食べる?」
「おれ、チーズケーキになりてえ!」(コラ)

 

お勉強中。。
「えーと、高圧空気が美容にいい理由は・・・なんだっけ?」

 

クジラの鳴き声が彼女を海にいざなう

 

「おりゃ~。激写、激写」
「わたしは孤独が好きだ。あこがれているといってもよい。今度生まれてくるときは、
人知れず海底で一生を過ごすウニを腹一杯食べてみたい、と思う」

・・・すみませんm(_ _)m。
土屋賢二『われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う』からのパクリです。(コラ)

 
 


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球美島 久米仙

2010-02-02 22:51:07 | プチ放浪 海沿い編

 久米島の北部、名水が沸く堂井(ドーガー)には、夕暮れになると絶世の美女が現われ、若者たちに神酒をふるまい酔い心地に誘ったという言い伝えがある。
人々はこれを宇江城山に住む仙人のしわざと噂した。
「久米仙」はそんな言い伝えから来ている沖縄独特の蒸留酒、泡盛だ。

日本の焼酎の起源は正確には分かっていないが、おそらくはシャム(現在のタイ王国)から琉球経由でもたらされたようだ。
シャムの蒸留酒は更に中東に起源を持ち、アラビア語で「アラク」(???)と呼ばれる。

泡盛はタイ米(南方硬質米)を原料とし、こうじ菌で2段階に発酵させ、できたもろみを単式蒸留器で蒸留して作られる。
蒸留したての泡盛は、つんと鼻を突くトップノートがきついのだが、これを甕(かめ)に入れて数年間寝かせることにより、若干のアルコールとともに低温揮発分の匂いがなくなり、味がまろやかになる。

製造工場を見学させていただいた「久米島の久米仙」では、一升瓶にして100本分という古酒(クース)を貯蔵中の甕が、ところ狭しと並んでいた。
陶器製の甕からは、なんとも心地よい馥郁たる香りが滲みだして、あたりを芳醇な香りで満たしている。
一升の古酒(43度)で約1万円。つまり、この甕1本分でへたな車が買える勘定となる。その甕が100本近く並んでいるから、ものすごい金額だ。
よっしゃ、暗闇にまぎれて、今夜、酒を酌みに来よう・・・と言ったら、案内のお姉さんが笑っていた。まあ、お約束。
ついでに新発売の泡盛で漬けた梅酒をご馳走になるが、これがまたうまい!

 

「おしゃあ。今晩、一瓶盗みに来るかあ」
「・・・・」

 

すごくいい香り。こうやって、お酒はひと時の眠りにつくんですね

 

何気ない景色が愛おしい

 

沖縄そば 超大盛りっすね~。
器まで食べちゃだめだお~。

 

しばし鑑賞。その後、モーレツな勢いで完食。。
慶子さま。ゴチになりますた!

 

なんか泣きたくなっちゃうような景色っすね。。


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島唄に泣きながら

2010-02-01 21:09:21 | プチ放浪 海沿い編

  (沖縄戦の終盤。沖縄と同様に、球美の人々は侵攻してくるアメリカ軍だけでなく日本軍によっても生命を奪われた。)

島唄よ 風にのり  (島唄よ 海の向こうの本土まで届けておくれ)
鳥と共に 海を渡れ (亡くなった人々の魂を、沖縄の悲しみを)
島唄よ 風にのり届けておくれ (島唄よ 海の向こうのニライカナイまで届けておくれ)
わたしの涙  (亡くなった人々の魂を、私の思いを)

沖縄地方の冬は10月ごろから吹きはじめるミーニシではじまり、3月ごろに吹き荒れる沖縄のウミンチュ(海人)に昔から恐れらてきたニンガチカジマーイ(2月風廻り)で終わる。シベリア生まれの寒気に上空を覆われるこの時期は、北風が吹きつけ晴れたと思ったら小雨がばらつく、沖縄地方独特の冬の天気が続く。また、晴れていても薄い雲が張ったようなパッとしないような空が多い。
ツアー最終日は、時々、雨が強く降る天気だった。それでも道路の脇には、カタバミやシロツメクサ、オニタビラコ、リュウキュウコスミレ、ルリハコベ、ヒルザキツキミソウが、けなげにも寒さに震えて咲いていて、雨に憂えるぼくらをなぐさめてくれていた。

シーズンオフのこの時期、“わ”ナンバーのレンタカーもめったに通らず、ひっそりとした雰囲気がある。
再び巡ってくるであろう暑い夏にむけて、充分なエネルギーを蓄える期間なのだろう。
忙しく過ぎ去っていくような夏の喧噪とは違う本来の球美島を体験することができるようで、寒い冬のこの時期こそ、球美に魅力を感じてしまう。

 

この木、何の木っすか?気になるんすけど・・・

 

「きゃー、下り坂なのにバックする」
「ギヤがリバースになってね?」

 

「これがあれ!」
「あれっすか?」

 

「ガオ~」


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