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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

荒漠とした思ひ

2010-06-12 23:27:06 | 日記

 
 
 
 
(Entry 162~165/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”青い景色のなかを、雨がしのつくやうに降り始めた。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

芙美子は島では始めて走る一台しかないバスを雇って島を巡った。
道は狭くぬかるみ、歩けば1時間ほどの道のりに2時間も費やしている。時々通り過ぎるは、ランプ生活。どのも、屋根には石が乗り、硝子戸のない、雨戸だけの軒のひくい家が、ジャワの土民の小舍のように、道の両側に並んでいる。沁々と靜かな夜。バスが停るたびに、地虫が鳴きたてる。

”どうすればいゝのか判らないやうな、荒漠とした思ひ”

・・・我われがどれだけ文明に依存しているかの証明だ。
林芙美子が屋久島を訪れた昭和25年には、永田や一湊あたりの人は、汽車や自転車も知らない人がいた。村から一歩も出る必要がなかったのだろう。
今も屋久島の小学生たちは4キロ未満までは徒歩で通学している。。


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しのつく雨。屋久島。

2010-06-11 22:12:49 | 日記

 
 
 
 
(Entry 158~161/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”急に四圍が暗くなり、雨がぱらつき出した。一ヶ月三十日は雨だと聞いたが、陰氣な雨であつた。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

林芙美子の小説『浮雲』は、主人公の愛人ゆき子と富岡が屋久島に流れ、そこでゆき子が死んで終わる。
内容は男と女の情念がもうもうと立ち上る展開だ。・・・山あり谷ありの人生の旅。

戦時中、仏印のダラット(ベトナムの高原の町)で蜜月の時をすごした富岡とゆき子は焼土の東京で再会。
妻と別れて君を待っているとの言葉を信じたゆき子だが、富岡の仕事はうまくいかず、妻や家庭、さらには2人の関係も疎ましくなっていく。
ゆき子はいつまでたっても態度をはっきりさせようとしない富岡とずるずると逢瀬(おうせ)を重ねる。そして、情死を考えた温泉旅行。妊娠、堕胎。

芙美子は、戦時中、従軍記者としてペンを振るった。戦意高揚のために記事を書いたのだ。
・・・戦争に勝てる
気持ちはどうあれ、そう書かざるを得なかったのだろう。
林芙美子が屋久島を訪れたのは4月。”陰氣な雨”に包まれた自然の中に暮らす人々を見て、彼女はなにかをふっきったに違いない。
そう、屋久島で唐突に思えるゆき子の死は、彼女自身の従軍記者としての過去との決別だったのかもしれない。
しのつく雨。屋久島。


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コメント (2)
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人生の旅

2010-06-10 23:31:25 | 日記

 
 
 
 
(Entry 154~157/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”凄い山の姿である。うつたうしいほどの曇天に變り、山々の頂には霧がまいてゐた。全く、無數の山岳が重疊と盛り上つてゐる。鬱蒼とした樹林に蔽はれた山々を見てゐると、人間が住んでゐる島なのかと思へるほどだつた。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

人は誰もが人生という名の旅を続けてるのかもしれない。旅とは意識することなしに、山あり谷ありの日々を営んでいる。
そんな人生の旅の途中に、tetujin's blogに立ち寄って何かを共感してくれたなら・・・。
つたない文章のブログですが、どうぞ、これからもおつきあいください。

”花の命は短くて苦しきことのみ多かりき”
人生の旅。

お互いに、いい旅をいたしましょう。


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ゆく島

2010-06-09 22:57:47 | 日記

 
 
 
 
(Entry 150~153/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L


林芙美子は、屋久島に行くのに鹿児島で4日も船便を待った。果てしなく遠い島。
当時の屋久島は、日本の一番南のはづれの島であり、国境でもあったのだ。

屋久島は
”昔はゆく島とも言つたさうだ。ゆくは鹿の意味ださうである。鹿の多い島で、昔は鹿の皮が貢物の全部であつた時代もあるのださうだ。”

果てしなく遠い島。屋久島。世界遺産のこの島へ、なかなか行かれない人のために写真をアップします。
へたくそな写真ですが、旅をした気分になってもらえるとうれしいです。


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まさにワンダーランド

2010-06-08 22:30:14 | 日記

 
 
 
 
(Entry 146~149/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L


今回の山行きで撮った写真の整理が終わらない。
まさにアリスが踏み込んだようなワンダーランド。

・・・今回はE-PL1に助けられた。
さすがに、カメラ・ボディに手ブレ防止機能を搭載しているだけある。
暗い森の中でも、手ブレでの失敗率が明らかに減っていた。


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