tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

樹之香(きのこ) 

2010-06-17 22:46:52 | 日記


 
 
 
 
(Entry 182~185/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

樹之香(きのこ)とは、縄文杉まで案内してくれたガイドの清田(セイダ)さんの屋号。
清田さんは北海道の出身。静岡で植物学の研究を積んだ方だった。
彼のガイディングでは、植物の名前が次から次へ出てきて、狭い脳内キャパシティでは到底収納しきれずに、
というよりも、聞くそばから忘れていくのでまったく覚えられなかったのだが、いろんな面白い話をしてくれた。

彼は、昨年、テレビドラマの屋久島ロケの仕事に参加したらしい。
荷物運びのポーター。ちょうど台風でガイドの予定にキャンセルが出たので、2つ返事でOKしたようだ。

翌朝、車で荒川登山口へ。さて、靴紐でも縛りなおして出発、と思ったらなんとクロックス。
・・・彼は登山靴を自宅に忘れて来てしまったのだった。
これって、ダイバーも良くやる(ぼくだけかもしれないが・・・)。会社から直行した海。
ギョサンを忘れて、短パンに革靴を履いた異様な姿で立ち尽くす・・・。

さすがはプロ。彼は仕事をキャンセルせず、全行程をクロックスを履いて荷物を担いで登ったらしい。
それも、彼が選んだ小さめの荷物はなんと予備の撮影用バッテリー。重さ30kg。。

登れるんですねクロックスで。・・・足が蒸れなくて気持ちよさげ。。
彼が言うには、主演の永作博美さんが、とにかく、かわいかったらしい。
永作博美さんが出演している最近の映画と言えば、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を思い出す。
少し抜けたところがある嫁。何事も深刻に考えず、底抜けに明るくまっすぐ生きている女性を演じていた。
彼女の無邪気な表情の演技が妙に心に残っている。
あんな笑顔の人々をいつか写真に撮ってみたい。。


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ヤマグルマという木

2010-06-16 22:12:43 | 日記

 
 
 
 
(Entry 178~181/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

ヤマグルマはヤマグルマ科ヤマグルマ属に分類される常緑の高木。枝先に葉が車輪状に開出するからこの名がある。
根で吸収した水を運ぶ導管を持たない、原始的な広葉樹だ。岩角地やなど、空気の動きのある場所を好む。
ヤマグルマは本州では地面から育つ普通の樹木なのだが、屋久島ではヤクスギに着生して幹を締め付ける「締め殺し屋」と呼ばれている。
屋久島の多雨がもたらす特有の現象らしい。

というようなことがガイドブックなどに書かれているのだが、現地のガイドさんに聞くと、
気根を垂らして絡み合うアコウとガジュマル(クワ科)以外に、他の樹木がヤクスギを「締め殺した現場」を見たことがないという。
ヤマグルマの寿命は500年。それに持ちこたえればヤクスギは生きながらえる。

ヤマグルマが締め殺すのか絞め殺さないのか、これは現在、幹にヤマグルマを食い込ませているヤクスギを、あと数百年見守らないと答えがでない。
あるいは、がんばってヤクスギが絞め殺された現場を探すか。
・・・また、宿題ができてしまった。


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澄みとほつた水

2010-06-15 12:01:05 | 日記

 
 
   
 
(Entry 174~177/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”入江のなかは、グリーン色の澄みとほつた水で、海底の岩や藻や、空缶の光まで判然はつきりと見えた”
(林芙美子、屋久島紀行より)

林芙美子は安房川の右岸に沿って、トロッコに乗り上流の太忠岳から小杉谷へと向かった。
降り続く雨。海上の密林。さいはての国境の島。

芙美子は流浪の末に行き着く主人公の最後の地として屋久島を選んだ。
主人公のゆき子は安房の営林署の官舎で重篤な病人になり、降り続く雨の音の中でみとる人もなく息絶える。
そして、小説を完成させた芙美子は、数ヵ月後の昭和26年6月 28日、心臓麻痺のため急逝する。47歳だった。

屋久島で光のシャワーを見た彼女は何を思ったのだろう。
古来、モンゴロイド系の人々は、あらゆるすべての生命、雨や風などの自然現象にさえスピリット(精霊)が宿り、森羅万象にはすべて意思があると信じてきた。

”天井をみればくもの巣
下を見れば蛆虫のうろこ
この厠の小坪に自由だけがある。

窓に空が光る 雲の流れが
小歌もどきにああと溜息をつく
無我の境にさまよう自由の天地
ただよう臭気も万花の香り
ああこの小坪の厠にのみ自由が・・・。

むせび泣く 笑う 怒る さても
無限の救いよここに万有の神を見る
蛆虫の大群がタキシードを着ている
くもは眼鏡をかけてもの思い。

とやかく云う事もないではございませんか。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

・・・なんでもいいじゃん。ランディさんよ。


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命の根を張れ

2010-06-14 22:33:26 | 日記
 
 
 
 
(Entry 170~173/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”すぎ、もみ、つが、ひのきがや、いぬがや、あかまつ、くろまつ、やくたねごよう、こなら、かしは、かしはなら、くぬぎきり、つるまんりよう。
 ようらくつゝじ、いはがらみ、みやましぐれ、なゝかまど、羊齒類。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

真夏には、35℃にもなり真冬には氷点下にもなる。山中では10,000mmの降水。
悠久な営みが繰り返されて、屋久島の森が育つ。

光を求めて四肢を延ばし、伸びゆけ。大きく、強く。

”何處まで行つても、右手は峨々とした南畫風の山が連なり、高い山は千九百五六十米もあるのださうだ。標高も七百米の小杉谷斫伐所附近では、年平均氣温が十六度に下り、十二月降雪を見、翌年の三月まで、積雪してゐるといふことである。高山が連つてゐるせゐか、一日中に、晴曇雨が交來るところである。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

しみいる鳥の声、緑に苔むす山肌、沢のせせらぎ、そして時の流れを見つめ続ける巨樹たち。


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八重嶽の總稱

2010-06-13 22:45:10 | 日記

 
 
 
 
(Entry 163~169/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

”家のすぐ後には、峨々とした南畫風な高い山々が連なり、この山岳を八重嶽の總稱で呼ぶのもうべなるかなと思へた。山が多いせゐか、大小の河川が百二十もあるのださうだ。全島山地で、傾斜が甚だしく、降雨の時は、水嵩が増加して、激流急奔すると聞いた。道のところどころに、長いひげをたらしたがじまるの大樹が繁つてゐる。”
(林芙美子、屋久島紀行より)

人は何故、屋久島に行きたがるのだろう。僕自身、屋久島はこれで3回目。屋久島のリピーターでは、それこそ、毎年のように訪れる人もいるらしい。
ご多分に漏れず、屋久島在住の人たちから、
「何で屋久島に?」
と聞かれるのだが、ぼくはその答えを持ち合わせていない。強いて言うのなら
「写真を撮りに」
・・・屋久島は、というよりも、屋久島の森は岩や木が苔むして、水滴でキラキラしてフォトジェニックだ。

今回の屋久島ツアーに参加したゲストたちもおなじだった。
「なんとなく気になっていたんです」

南の島・世界遺産・原生林・最古のヤクスギ
こんなキーワードが旅人を屋久島に誘っているのだろう。


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