tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コロナ第3波の深刻化の原因は何処にあるのでしょう

2020年12月24日 22時46分59秒 | 文化社会
コロナ第3波の深刻化の原因は何処にあるのでしょう
 世の中、奇妙なことは沢山ありますが、今回のコロナ対策についての政府の発言や行動を見聞きしていると、ここにも随分奇妙なことがあります。
 
コロナ第3波は、予想外の深刻度です。毎日夕方のニュースを聞くたびに、最多数更新とか(今日の東京は888)、何曜日としては最多だとか、聞かされ、もうそろそろ減少傾向に入ってくれないかと思うのですが、この状況がいつまで続くのでしょうか。

 考えてみれば、この秋になってから、国民も些か我慢疲れでしょうか。少しは出歩いて解放感を味わいたいと思い始めたのでしょうか。それに呼応するかのように、政府のGoTo トラベルのキャンペーンが盛んになり、政府のお墨付きという誤解(?)もあって、盛り場や観光地は人出が一時かなり回復したようでした。

 「もしかしたら危ない」と言う人もいましたが、総理はじめ閣僚や自民党の要人は、GoToトラベルでの感染者は60人だとか100人以下などとテレビカメラに向かって言っていました。

 この発言には、私も引っかかって、そんな数字が取れるはずはないので、責任あるお方が数字を言うときには、数字の出所(根拠)を言うべきだとこのブログでも書きました。
 結局報道された範囲では、出所の説明はありませんでしたので、根拠のない数字を政府の要人などが言われるのは、困ったことだとだと思っていました。

 ところが現実の方は、11月辺りから感染者集が著増という形で、政府の分科会もとうとう我慢の限界にたっしたのか、GoToは中止すべきだと言うようになりました。そして結局は中止になったのですが、その際も菅総理は、GoToでコロナ感染者が増えたという「エビデンス」はない、と発言していました。

 「エビデンス」というのは証拠という意味でしょうから。おそらく、数字を言えば「出所は何処だ」と言われるので、言い換えられたのでしょう。「証拠はない」と言えば、GoToで増えたといった方で証拠を挙げて説明しなければならないので、説明責任の所在を置き換えるようにしたのかなと感じました。

 分科会は直接それには答えずに、感染は「人と人の接触」で起こるのだから、人が出歩かない事がこの際は大事です」という説明で、これはまさにその通りでしょう。

 総理は「証拠はない」といわれたあと出席した会議で、GoToトラベル中止を決めました。これは何とも奇妙なことでした。

 GoToトラベルが感染拡大につながらないのであれば、それを中止してみても感染拡大の抑制効果は期待できない可能性の方が高いという事になるはずです。

 いずれにしても、GoToトラベルは中止、再開のめどは立っていません。

 もしかしたら、これで感染拡大が収まらなければ、「やっぱりGoToトラベルのせいで感染が広がったのではなかった」ということで、GoToトラベルは間違いではなかったという説明が準備しているのかもしれませんが(これは憶測のし過ぎかな)、こうして、原因究明を「藪の中」のようなものにしてしまいまうと、国民にはの理解も納得もできない奇妙な議論の展開で、本当のことは何も解らないという事で終わってしまうことになリます。

 それにしても、慎重に考えて賢い行動を選べば、多分ずっと小さく抑えられたであろう第3波がこんなに酷い事になった原因は何だったのでしょうか。
政府のGoToキャンペーンのせいでしょうか、それとも、やはり国民の行動のせいで、国民の責任なのでしょうか。