国債が値下がりする条件
国債が値下がりするというリスクは、いわゆるソブリンリスク、国そのものの経済価値が減価することを警戒しなければならないといった状態に陥ることでしょう。
最もはっきりしているのは、例えば、日本がどこかの国の戦争に協力して、日本の主要基地や主要都市にもミサイルが飛んでくるような状態になれば日本の生産力も経済価値も大きく下がる可能性が増大、主要投機資本は国大に脱出、スイスの銀行辺りに行くことになり国債は売られて価格は下がるでしょう。
まあ、そんなことは考えられないので、では自然災害の場合はという事になるかと考えてみますと、東日本大災害でも国債の価値はびくともしませんでした。しかし対岸のアメリカでは、ガイトナー財務長官が「日本は(大災害でも)金持ちだから保有するアメリカ国債は売らない」などと、日本が米国債を売らないように予防線を張っていました。アメリカは米国債の価格低下を恐れていたのです。
日本は中国と1、2を争そう米国債の保有国ですから、アメリカの気持ちも解りますが、日本でも、もし外国が日本の国債を沢山持っていたら、外国の日本評価や、外国の資金繰りの都合を気にしなければならないところでしょう。
そこで出てくるのは国際収支の問題です。国際収支が赤字の国は、海外から借金して資金繰りをつけなければなりません。だいたい赤字の企業と同じで赤字の国は借金もしにくいですし、金利も高くなります。金利が高いと借金は雪だるま式に膨らんで返済不能になり「国債は紙屑」などという事になります。
日本はドイツなどと並んで、世界有数の万年黒字国ですから、そうして心配はありません。貸し借りは国民と国との間のことで外国から金は借りていません。外国から見れば、夫婦どちらの財産であろうと、金持ちの家(国)ですから信用はあります。
この点、赤字国と黒字国をいっしょくたにしてMMTを論じるのは、どうも誤りのような気がします。
しかしアメリカは万年赤字国なのに、MMTを言い出している国です。その理由を考えてみますと、アメリカは基軸通貨国で、ドルの価値は世界経済を数字として計る価値の基準のようなものになっているので、例えドルの価値が変わっても、世界中がそれを基準にしているので、一見価値は変わらないように見えるからではないでしょうか。
ドルがインフレ(物に対して減価:金に対しては大幅に減価していますね)になったら、世界の国々も同じ程度のインフレになっていけば世界経済のバランスは維持されるのです。
日銀がアメリカと同じ「2%インフレ」を目標にしているのはそのためでしょう。
ここでインフレの問題が出てきます。上に並べたそれぞれの問題も必ず何らかの形でインフレに反映しますから、インフレだけで国債の価格を論じても結果は同じようなことになるという事も出来ましょう。
長くなるので、国債の価格とインフレの問題は、為替レートの問題なども含めて次回以降に考えてみたいと思います。
国債が値下がりするというリスクは、いわゆるソブリンリスク、国そのものの経済価値が減価することを警戒しなければならないといった状態に陥ることでしょう。
最もはっきりしているのは、例えば、日本がどこかの国の戦争に協力して、日本の主要基地や主要都市にもミサイルが飛んでくるような状態になれば日本の生産力も経済価値も大きく下がる可能性が増大、主要投機資本は国大に脱出、スイスの銀行辺りに行くことになり国債は売られて価格は下がるでしょう。
まあ、そんなことは考えられないので、では自然災害の場合はという事になるかと考えてみますと、東日本大災害でも国債の価値はびくともしませんでした。しかし対岸のアメリカでは、ガイトナー財務長官が「日本は(大災害でも)金持ちだから保有するアメリカ国債は売らない」などと、日本が米国債を売らないように予防線を張っていました。アメリカは米国債の価格低下を恐れていたのです。
日本は中国と1、2を争そう米国債の保有国ですから、アメリカの気持ちも解りますが、日本でも、もし外国が日本の国債を沢山持っていたら、外国の日本評価や、外国の資金繰りの都合を気にしなければならないところでしょう。
そこで出てくるのは国際収支の問題です。国際収支が赤字の国は、海外から借金して資金繰りをつけなければなりません。だいたい赤字の企業と同じで赤字の国は借金もしにくいですし、金利も高くなります。金利が高いと借金は雪だるま式に膨らんで返済不能になり「国債は紙屑」などという事になります。
日本はドイツなどと並んで、世界有数の万年黒字国ですから、そうして心配はありません。貸し借りは国民と国との間のことで外国から金は借りていません。外国から見れば、夫婦どちらの財産であろうと、金持ちの家(国)ですから信用はあります。
この点、赤字国と黒字国をいっしょくたにしてMMTを論じるのは、どうも誤りのような気がします。
しかしアメリカは万年赤字国なのに、MMTを言い出している国です。その理由を考えてみますと、アメリカは基軸通貨国で、ドルの価値は世界経済を数字として計る価値の基準のようなものになっているので、例えドルの価値が変わっても、世界中がそれを基準にしているので、一見価値は変わらないように見えるからではないでしょうか。
ドルがインフレ(物に対して減価:金に対しては大幅に減価していますね)になったら、世界の国々も同じ程度のインフレになっていけば世界経済のバランスは維持されるのです。
日銀がアメリカと同じ「2%インフレ」を目標にしているのはそのためでしょう。
ここでインフレの問題が出てきます。上に並べたそれぞれの問題も必ず何らかの形でインフレに反映しますから、インフレだけで国債の価格を論じても結果は同じようなことになるという事も出来ましょう。
長くなるので、国債の価格とインフレの問題は、為替レートの問題なども含めて次回以降に考えてみたいと思います。