tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカは良かった、日本は?

2020年12月27日 23時19分27秒 | 文化社会
アメリカは良かった、日本は?
 世界の今年の10大ニュースを挙げれば、その中には恐らく、「アメリカの政権交代」が入るでしょう。

 トランプさんも、自分の意識としては、アメリカのために頑張ったという気持ちなのでしょう。しかし、世界の多くの国や人々は、トランプさんのままでは困ったものだと感じていたのでしょう。
そして、最も大事なことは、アメリカの人達が、「これでは困る」と考えていていたのでしょう。

 アメリカの多くに人がそう感じていたという事は、すでに下院選で共和党が多数を取れず、民主党が多数を制したことに表れていたように感じられたところです。

 しかし本番の大統領選では、やはり現職の強みとうのがあるのでしょうか、大接戦というか、アメリカを二分しての大激戦になって、決着するまでには本当に大変だったようです。

 その経緯はともあれ、民主党が勝った、そしてバイデンさんが次期大統領に決まったという事は、世界にとっても良かったと思う人が多いのではないでしょうか。
 
 こうして政権交代が起きるのは、矢張りアメリカでは成熟した二大政党があり、4年に一度は政権交代のチャンスがあリ、国民にしてみれば、成熟した二大政党のどちらにでも、その時に応じ、政権を任せて安心できるという長い経験があるからでしょう。

 そんなことを考えながら、日本の政治情勢を見てみますと、これ迄もずっと政党の勢力の図柄は「一強多弱」でした。自由党と民主党が自由民主党になって以来、野党は離合集散を繰り返し、国民の意識の流れの中で時に政権を取ることはあっても政権党としての成熟や安定にはほど遠く、短命に終わり、再び離合集散をくりかえすといったことの繰り返しになってしまっているというのが現実です。

 客観的にみれば、いまの日本の政治情勢の中で、成熟した野党があり、これだけ大きな声になっている安倍・菅政権への批判を、巧みに掬い上げるような総合的な政策ビジョンを掲げ、国民に、コロナ征圧、低成長経済からの脱出、格差社会化の是正、老後不安・将来不安への対応の可能性などを、具体的で、極めて解りやすく、共感を得られるような形で訴えかければ、政権交代はかなりの可能性を持ったものになるでしょう。

 そうした目で見れば、今の野党のリーダーたちは、自分の党の存続には強い関心を持っていても、本来の目的、これからの日本をどう創るか、そのために何ができるかを国民に明示するところまでには、なかなか手が届いていないように思われます。

 今、日本国民の多くは、日本の先行きに多くの不安を持っています。そして安倍政権にその不安の解消を期待したのでしょう。しかし残念ながらドナルド・シンゾー関係も、アベノミクスもその解消にはつながりそうもないと悲観しているのです。
そこにコロナで、その対応もマッチ・ポンプだったり赤字国債大増発だったりで、将来不安は更に深刻化の様相です。

こんな時に野党が、成熟した二大政党の一方として存在してくれていたら、と思う人は多いでしょう。
 
今の日本の経済・社会の低迷は、自民党の責任という事になるのでしょうが、見方を変えれば、野党があまりに成長しないので、与党の緊張感が失われ、その結果がこんな状態という、野党責任論も可能という見方もできるのではないでしょうか。 
 
今の状態は、野党が一皮むけ、成長していくには、またとないシチュエーションだと思うのですが、何か少しは変化が起きるのでしょうか。