tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人類はこの経験から何を学ぶか

2022年03月05日 10時57分17秒 | 国際関係

ロシアのウクライナ侵攻問題は世界人類社会を強い沈痛感を齎しているのではないでしょうか。

情報が世界に瞬時に行き渡り、世界人類が同時に同じ光景を目の当たりにできるこの時代に、このような事が起きることが異常だとほとんどの人が感じているのでしょう。

国連総会緊急特別会合のロシア非難決議の採決結果、賛成141、反対5、棄権35がその実態を示しています。
反対の5か国は、ロシアと、ロシアと関係の深い独裁政権の国々です。

ハッキリしていることは、ロシア事態でもそうですが、戦争をしようというのは国のトップに座る独裁者とその取り巻きに限られていて、一般市民の大部分は、ロシアの各都市で見られる「戦争反対」のデモが示しているように、戦争は嫌だと考えているという現実です。

こうして今、明らかになって来ているのは、今、世界で起きている混乱の多くは、その典型としての、今回のロシアのウクライナ侵攻に象徴される「独裁国」の存在であるという事でしょう。

そしてもう一歩進めれば、独裁国と言っても、国全体がそうした特殊な国なのではなく独裁者と、一握りの取り巻きグループが問題なのであって、国民の多くは、平和な日常を望む正常な人間であるという事ではないでしょうか。

今日の朝日新聞朝刊の「朝日川柳」欄に、☆印がついて「ただ一人 たった一人を 止められず」というのがありました。
プーチンでなく、ゴルバチョフのような人が大統領であれば、こんな事は起こり得ないと誰もが感じているのでしょう。

こう考えてきますと、ならば、世界の国々が、独裁者を生まない様にするという事が、大変大事になってきます。

今回の問題も、もし、ロシアがプーチンを大統領から降ろすことが出来れば、系決するでしょう。
しかし、独裁制国家というのは、国民が、そういう行動を取れないように仕組まれ作られているのですから、それは容易なことではないでしょう。

しからば「国連が」という事が考えられるのですが、今の国連に出来ることは、上述の「ロシア非難決議」が限界なのでしょう。
国連憲章があり、国際法があっても、加盟国の大多数の決議があっても、「強制力はない」のです。

これは、国連が「性善説」に立った、(警察力のない)ソフトな組織であるからでしょう。つまり、地球人類が性善説に立っているという事なのではないでしょうか。
そして性善説は、「悪」に対してはあまり強くないのです。

地球市民の持つ、知識、思想、文化が次第の高度化し、暴力を持って事を制するといったことが現実には起こりえないという人類社会を前提に出来ている「国連組織」は、独裁性という時代錯誤には、いかにも弱いという現実が、いま明らかになっているのです。

今率直に現状を見れば、ロシアのウクライナ侵攻という時代錯誤の暴挙を直接に解決する手段は、ウクライナの勇気とロシアの政権交代しかないという事のようです。

これは国連の試練であり、地球人類の試練でもあるのでしょう。性善説に立つ地球市民の知恵が試されているという事でしょうか。