tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

悪いのは、プーチンか ロシアか

2022年03月29日 15時11分49秒 | 政治
バイデン大統領の発言が物議をかもしています。 
事の起こりは、バイデン大統領のポーランドでの「プーチンに権力を握らせてはいけない」という発言です。

ロシアのペスコフ大統領報道官はバイデン氏の発言に対し、バイデンが決めることではないと反発。「選ぶのはロシア国民だ」と強調したとマスコミは書いています。
米ロ間でも日本の国会のように、スレ違いの「ごはん論争」があるようです。

バイデンさんは、世界人類(ロシアの国民も含めて)のためにも、という意味の発言をしていると思われます。
これは、国連総会でのプーチンの独裁的行動反対の票数を見れば明らかで、世界の輿論は明確です。

これに対してロシアの報道官の発言は、大統領を選ぶ手続きについての話で、そんなことは誰にでも解っている事です。そしてこれは、今回の暴挙は、プーチンを選んだロシア国民が悪いという事に繋がります。

バイデンさんの発言は、問題の核心を世界の人にわかって欲しかったという気持ちから発したものでしょう。でも、是非とも解ってほしいと思っていた相手は、ロシアの国民だったのではないでしょうか。

ロシア国民でも、デモをしている人、デモには参加しないが思いをデモに託している人は、自分たちの行動や信条に一層の確信を持つことになるでしょうし、虚構の国営放送に騙されている人たちに気づきのきっかけになること、プーチンを盲信している人達にも何か少しでも影響を与えられればという意識はバイデンさんの心のどこかに確りあったはずです。

別の角度から見れば、決してロシア国民が悪いのではない、悪いのは、国民を騙してでも自分の勝手な欲望を遂げたいと、こんな戦争を起こすプーチンという個人が悪いのだという事をはっきりさせようという強い意図からの発言という意識がはっきり出ているのです。

ロシアの報道官が言うとおり、プーチンを選んだのはロシア国民ですから、ロシア国民の力で(自分の野望のために核の力にまで言及すような)プーチンを権力の座から降ろしてもらうのが世界人類のために望ましいというのは、まさにその通りなのです。

バイデンさんは、問題になっている発言について、自分の怒りを表したものと釈明したとのことですが、それだけ個人として、世界人類の一人として怒りを持ってプーチンという人間を見ているという当たり前の人間らしさを思わず表してしまったという率直さを、同じ人類の仲間としてしっかり見、感じるべきだというのが自然ではないでしょうか。

その辺は、どんな意識で、どんな形で、この発言を取り上げるかによるのでしょうが、マスコミの意識や認識力も、この発言の取り上げ方から垣間見えてくるように思います。