tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

企業経営の動き、そろそろ転機か

2024年12月02日 15時41分46秒 | 経営

昨年から今年にかけて、日本の企業経営は、結構元気でした。

コロナが終息し、地域戦争が収まらないという問題はあります。アメリカとヨーロッパが共に急激なインフレになり、アメリカ、EU共にその沈静化に、もう少し苦慮するようです。そんな中で、日本には、また違った政策が必要でしょう。

大事なことは、マネーマーケットは、金利差の変化や為替レートの動きで、いろいろな動きをするでしょう。しかし、基本は実体経済を、しっかり見続けることでしょう。

日本の場合は、賃上げの低さもあって,経済活性化がなかなか実現しないのですが、異常な円安に繰り返し振れるという事情もあって、輸出産業中心にかなりの収益への効果もあったようで、この所、好決算が続く産業も見られました。

ところで、企業経営の統計で速報的なものは、企業の景況について、企業自身の判断を集計する日本銀行の「全国企業短期経済観測」と、財務省の「法人企業統計季報」で、こちらは四半期ごとの企業の財務諸表の集計ですから、日銀の「短観」には遅れますが、早期に企業経営の実態を伝えてくれるものです。

今日発表になったのは、財務省「法人企業統計季報」の今年の7-9月期で、この所、企業経営面でも何か転機の気配がするような感じがしていますので、取り上げてみました。

上のグラフを見て頂きますと、先ず売上高については変化幅はあまり大きくありません。年に数%で一応伸びてはいますが、伸び率は徐々に減っているようです。

営業収支は1年前ごろは極めて順調で、その後も伸び率は2桁維持で、為替レートは乱高下でも一応順調で、原油価格や円レートがどの期にどう響いたかは解りませんが、7-9月期に至り、食料品や金属・機械などにもマイナスの業種が増え、「石油・石炭」の不振がさらに響き営業利益急落となってしまっています。

経常収支は通常は営業収支に沿った動きでしょうが、為替変動が大きいこの所の状況から経常利益レベルの損益に影響が厳しくなっているようです。

-8月の政策金利引き上げに絡んで、思惑の円高もありましたが、円高の影響が大きかったのでしょうか1-9月期には、製造業は全体として15%もの対前年減少という状態で、非製造業の増益で埋めて、ようやく全産業ではマイナス3.3%の減少で留まったというところです。

非製造業の場合は価格転嫁がやり易く、製造業では難しいという事があるといった気配は窺われるのですが、国内景気は製造業の影響が大きいと言われます。問題は今後の日米金利の動き、特に日銀の金融正常化への意思を考えれば、今後の円高への動きは当分止まらないのではないでしょうか。

2年ほど前までは110円程度の円レートでやって来ていた日本の製造業ですから、本気になれば、まだまだ円高抵抗力はあると考えられますが、それでもそれなりの努力を日本経済、日本製造業に強いるでしょう。

トランプのアメリカがいかなる政策をとるのかは解りませんが、多分日本が得するような政策は取らないでしょうから、やっぱり日本自身が頑張るよしないかなと思うところです。


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