政府は毎年12月には「来年度政府経済見通し」を発表します。
発表の形式は3年分になっていて「前年度実績」「今年度実績見込み」「来年度見通し」という形で、GDPの成長率、名目と実質、GDPを構成する主要国目の一覧表がついています。
因みに今年度についての発表数字の実質成長率について見ますと
令和4年度実績 1.5%
令和5年度実績見込み 1.6%
令和6年度見通し 1.3%
ということになっています。
このブログでも、令和6年度は、労使ともに賃金引き上げに力を入れているし、その効果が出れば、前年より低い実質経済成長率というのは情けないというようなことを書いた記憶がありますが、1年たってみますと、全く違った、極めて情けない事になって来ているようです。
政府はこの見通しを掲げた後、7月に「年央試算」を発表し、消費も回復、設備投資も順調で内需中心の成長になるという解説をつけて平成6年度は0.9%の実質成長率になると見直しをしました。
数字で見れば、5年度の成長率が1.0%に落ちることと、6年度は輸出の寄与が減り内需中心になることから来る変化のようです。
しかしこれでは当初の成長見通しは何だったのかという感じで、当初の見通しは「望ましい」数字、政府期待の数字を書くという事で、裏付けはない「見通し」を載せる癖が残っているのかなどと思っていました。
所がさらにその後、10月に、政府は、令和6年の実質経済成長率は0.7%になるという発表をしました、原因は、自動車の認証不正問題で、自動車の輸出の減少が原因だという説明でした。
そんなに大きな影響がある問題を、起きてしまったのだからしょうがないで済ますのかと思っていました、そして今回は、更なる成長率低下という見直しで、0.7%はおろか0.4%に低落という発表です。
今回の発表は閣議了承の「政府経済見通し」の「令和7年版」の令和6年の「実績見込み」の中に出てくる数字です。
ですから令和6年度についての説明は簡単で「令和6年度は、賃上げと投資が牽引する内需中心型の成長経済」に移行出来るかどうかの分岐点で、政府は補正予算の迅速な執行でその効果の波及に努力というにとどまっています。
令和7年度については、総合経済対策の効果も出て、賃金上昇が物価上昇を上回り、企業の設備投資も堅調で、実質経済成長率は1.2%に達すると見込まれるという事になっています。
昨年も同じようなことが書いてあったような記憶もありますが、来年度になれば、急に総てが上手くいくと言われても、とても信用できないと感じる人の方が多いでしょう。
毎年「政府経済見通し」が発表されれば、取り上げますが、こうした状況では、真面目に取り上げずに、今回はこのブログで済ませたいと思います。(因みに今回の「見通し」の実質成長率は、5年度0.7%、6年度0.4%、7年度1.2%です)
米価や春闘の問題を確り見ていくことの方が重要だと思っています。