tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

開けてびっくり「トランプ関税」

2025年01月22日 17時29分43秒 | 経済

トランプさんの大統領の就任演説の全文が出ていたので、さらっと目を通しました。

なんとまあ独りよがりで、いい事ばかり並べて、出来るか出来ないかは別、勿論他国の都合などは無視です。トランプファンが喜びそうな言葉を並べて、その都度拍手と歓声が上がり、トランプさんの満足そうな顔が目に浮かびます。

ところが。関税のところに来て「ええ、これ何、こんな事「あり」ですか」とびっくりしました。さっそく原文にも当たってみましたが、まさに驚くべき発想、恐るべき発言です。日本語にすれば以下の通りです

「私は直ちにアメリカの貿易システムのオーバーホールに取り掛かる。アメリカの労働者と家族を守るためである。アメリカ国民に課税して外国を豊かにする代わりに、外国に課税してアメリカ国民を豊かにする。その目的のために対外歳入庁をつくる。そこですべての関税、税金、その他の収入を集める。おそらく膨大な額の金が海外から財務省に流れ込むことになろう。」(訳tnlabo)

この意味するところでは、関税を払うのはアメリカの消費者ではなく輸出国という事になります。

日本政府は輸入の穀物や肉類に関税をかけています。我々の買うアメリカ産の穀物や肉類は関税の分だけ高くなっていて、関税分は日本国民が負担しているのです。

これが関税の常識で、輸出国の方が関税を払うというのは通常あり得ないのです。大抵の解説は関税は輸入サイドが払うものと書いてあります。

しかし輸出関税というのもないわけではありません。ただ目的が全然違います。自国の貴重な天然資源などを安く輸出して、国に損害を与えないように、輸出業者に関税を払わせるというのが輸出関税です。

上のトランプさんの言う関税は、例えば、日本がアメリカに200ドルの車を売ろうとしたら、これに10%の関税をかけます。10%=20ドルの関税は、アメリカの消費者がその車を220ドルで買うのではなく、日本国か日本の輸出企業がアメリカ政府に「関税」という形で20ドルを納めなければならないという事になります。

トランプさんに言わせれば、アメリか市場に入らせて頂いてありがとうございますというお礼か、アメリカ市場に乱入してきた罰金という事なのでしょう。

冒頭に「なんとまあ独りよがり」と書きましたが、これは全くの自己都合で、国際ルールでは認められるものではないでしょう。

日本がアメリカからの輸入品にこれをやったらアメリカは何と言うでしょうか。

以上、この点についてのマスコミなどの指摘が見られないので、皆様のご意見をお伺いしたくて書いた次第です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。