tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バイデン大統領、民主主義国サミット開催へ

2021年08月12日 20時43分36秒 | 国際政治
ホワイトハウスからのホットニュースでしょうか、バイデン大統領が今年12月にオンラインで「民主主義国サミット」を開催すると呼びかけたとのことです。

バイデン大統領は、ここまで半年の大統領在任期間を通じて、国民生活の改善や、広く世界の重要な課題について「民主主義こそが」大きな役割を果たすことが出来るとの確信を強めこの構想を打ち出したようです。

米国国務省の発表には、バイデン大統領の言葉として、次のような言葉を掲げえいます。

「民主主義は、偶々うまく出来上がったといったものではない。我々は、それを擁護し、そのために戦い、それをより力強くし、常にそれを進化させていかなければならない」

この言葉は大変良く出来ているように思います。民主主義は時に極めて脆い面を持ち、権威主義や独裁政治に乗っ取られる可能性を持つことは、このブログでも種々の形で論じてきています。

このバイデン構想は、従来のいわゆるG7やG20のサミットとは違って、かなり広範かつ包括的なものを考えているようです。

今年12月に予定する各国首脳中心の会議に引き続いて、約1年間、それぞれの参加国が検討を重ね、1年後に状況が許せば、オンラインでない集会を開くという事のようです。

オンライン会議での主要な論点は3つあり、
1 権威主義に対する民主主義の防衛
2 汚職、腐敗の撲滅の呼びかけ
3 人権尊重の更なる促進
これらの論点への討議を重ね、それを1年後の会合に持ち寄ろうという企画でしょう。

更に特徴的なのは、このサミットへの参加者は、政治のリーダーだけではなく、民間団体、人権組織など民間人の参加を求めていることです。
これは国家間、官民間その他、国際間の民民・官民といった多様なコンタクトから相互理解の醸成という成果を狙ったという事でしょう。(感想を言えば、政治版WEF(World Economic Forum/ダボス会議ですね)

まさに、本来のアメリカ的構想ですが、アメリカが世界のためになることをやろうとする国に帰って来た事を、まずは喜びたいと思います。

その上で、共産主義圏などの独裁・専制国家の反応がどんなものになるか、確りと注目しなければならないと思うところです。

アメリカの経済政策は成功するか

2021年08月11日 21時13分56秒 | 国際経済
トランプ大統領が4年の在任中に、どこに行くのか解らないようなアメリカにしてしまった後を受けて、バイデン大統領の、アメリカ正常化に着手が始まりました。

先ずは、民主と共和の分断ですが、インフラ投資の規模に見られますように、8年で2兆ドルの計画を5年間1兆ドルに修正し共和党からの賛成も得るなど柔軟性を見せながら着実に動いているのではないでしょうか。

今、アメリカ経済は、国際的にも順調な回復とみられていますが、これからの最大の問題は中国との経済発展上の競争関係でしょう。

バイデンさんは、米中関係は「競争」との表現を選んでいますが、これは誠に適切な表現だと思います。「経済戦争」という言葉はよく使われますが、戦争というのは相手を潰すことを意味するものでしょう。

それに対して競争は、互いに競い合い、発展を促進する関係を意味します。
今、世界の経済は多角的に多様な相互関係を前提にして成り立ていることは明らかです。アメリカが中国に制裁を課せば、アメリカ企業(アメリカ経済)自体が返り血を浴びるのです。多くのアメリカ企業は中国で、製造・販売をしているからです。

バイデン大統領のアメリカは、アメリカ自体の経済力を強くすることで、中国との競争に勝とうと努力することになるのでしょう。
そのためには、老朽化したインフラの近代化投資が必須という視点から長期にわたるインフラ投資の促進を計画し、産業・生活基盤の整備に注力するのでしょう。

さらに、バイデン政策は、税制改革によるアメリカ経済の活力再生を図っているようです。多様な税制改革については、法人税率の引き上げ、所得税の最高税率の引き上げ、高額のキャピタルゲインについての課税の強化などの政策で2兆ドル超の税収増を打ち出しています。

もちろん、2021年度の4兆ドル台の予算から、2022年には6兆ドル台の予算の編成ということになりますと、増税は不可避ですが、増税の方向は従来のアメリカ型資本主義を修正し、格差社会化を防ぐ税制改革や社会保障費の大幅増額など、社会主義的資本主義の方向に舵取りを変えていくといった様子が見られます。

こうして見ていきますと、バイデン政権は、かつてのルーズベルトの「ニューディール政策」現代版をやろうとしているのかといった感じもしてきます。
ニューディールの大きな柱としては、テネシ-バレー開発などのインフラ開発による雇用創出、労働者の権利拡大(ワグナ-法)、労働条件改善などが知られています。

ニューディールが当時の世界不況からの脱出を目指したとすれば、今回のバイデン政策はマネーゲームの盛行と格差社会化急進展のアメリカ経済を、インフラ整備による実体経済活動の重視、税制改革、社会保障改善による格差社会化の行き過ぎの是正など、基本的には、社会正義を目指しているという共通性を感じるところです。

日本ほどひどくはありませんが、アメリカも財政赤字は(減少しつつも)続くようですが、長期的な経済成長による健全化を意図しているのでしょう。

アメリカ経済社会の安定発展を狙うバイデン政策の成功を願うとともに、日本も日本なりに、本気でニューディール政策を考えなければならないのにと、混乱し日本の現状を嘆くばかりです。

酷暑ですが、暦は立秋を過ぎました

2021年08月10日 19時54分58秒 | 環境
酷暑ですが、暦は立秋を過ぎました
我家の狭い庭の西側のアケボノツツジの隣にタカノハススキ/鷹の羽芒(別名ヤハズススキ/矢筈芒)の株があります。
毎年広がるので、刈り込んで広がらないようにするのですが、今年も広がって来ていました。


    倒れたのを起こしたススキ

そこに、一昨日台風10号です。夜に大分西風が吹いたようで、広がったまま東側に倒れこんでしまったので、これは起こすのが大変だなと思って庭にでようとすると
 家内「ススキを起こすんですか?」
 私「起こそうかと思うんだけど…」
 家内「台風9号が来ますから、その後にしたら」

確かにそれもそうだと思って一昨日はやめました。昨日も結構風がありました。今朝になって、風も弱くなり真っ青な空が広がったので、何とかつっかい棒をして起こしました。
と、驚いたことにもう穂が出ているのです。

えぇ、この暑さ、天気予報が熊谷は40℃と警告して「熱中症予防のためにコマメに水分補給を!」と言っている中で、台風一過とはいえ、もう出穂です。

家内に「もう穂が出てますよ、この暑いのに。ススキも何か急いでるのかな」と下らない冗談を言ったら、家内は「もう立秋を過ぎてますよ。ススキは暦を知ってるんですよ」と返されました。

そういえば、8月も、もう10日です。
立秋は? とネットで見たら、8月7日でした。人間より、植物の方がよほど正確だという事でしょうか。

人間は、オリンピックだ、コロナだという事になれば、季節の移り変わりなどの感覚はどこかに置き忘れて、熱狂したっり、心配したり、更には、政治がどうの、経済がどうのという事になるのですが、人間も自然の一部ですから、人間のすることも、本当は自然をもっと尊重して、自然に上手く合わせないといけないのではないでしょうか。

まだ自然が暦(従来の自然の動きに従って作られた)に合わせて呉れている内はいいのですが、余り地球環境が汚染されると自然も自分の役割を果たせなくなりそうです。そうなったら人間にはもう手の打ちようがないのでしょう。

差し当たってススキに感謝しながら、写真を載せました。

五輪とコロナ:時間は総てに結果を出して行きます

2021年08月09日 17時24分50秒 | 政治
昨日は、オリンピックの閉会式でした。
オリンピックと、コロナ対策の二兎を追った菅政権の取り組みに、差し当たっての結果が出ました。

オリンピックは無観客でも、アスリートの記録を目指す競いへの努力にマイナスの影響を与えることはないというのは、予想はされていたものの、大きな結果でしょう。
テレビを中心とするメディアの役割の大きさは、無観客開催という事態も有り得るという可能性の証明になったでしょうか。

もちろん一部には、コロナ感染なので、アスリートの出場不能といったこともあり、万全とか100%といったことは有り得ないでしょうが、関係した個々人の事情は別として、五輪としての許容範囲に収まったと言えるのではないでしょうか。

一般市民の我々にとって、なかなか見えないのは、現場の人々に関する情報です。これも時間とともにいろいろな情報が発信され、成功と言われつつある東京オリンピックの結果を生み出した現場力の貢献ぶりも報道されるでしょう。
この検証については組織委員が重要な役割を持たなければならないでしょう。

ところでもう一匹の兎であるコロナ対策については、政権への評価は散々なもののようです。
オリンピックの成功の報道の脇で、菅内閣への支持率が28%と最低に落ち込んだことが報告されています(朝日新聞調査)。

コロナの感者数はまさにウナギのぼりの状態で、都府県別では、過去最高、曜日にしては最高といったところが大幅に増えつつあります。
多少でも改善したのは、65歳以上の高齢者の感染者の減少傾向で、これはワクチン接
種さえ進めば感染者数は大幅に抑えられるという現実の示しています。

問題は政府のワクチン政策でしょう。今は、アメリカ製のファイザーとモデルナに限定されていますが、日本で委託生産されているアストラゼネカ製については、台湾やベトナムへの援助には使われていますが、国内では認可されたものの、いまだに接種されていないようです。理由について政府の説明はありません。

贈与先の国からは、丁重な感謝の意思が伝えられていると報道されていますが、何か、国内で使わないものを贈与とは一体…、といった見方もされそうです。

すでに指摘されていますが、ファイザー、モデルナの入荷状況の詳報というのは国民には知らされません、アストラゼネカ製のワクチンの活用方法も知らされていません。
すべて「知らしむべからず、寄らしむべし」ではないかといった意見もあります。

 この3連休、休日で検査数が減って感染者数が減るか、連休の人流増加で感染者数が増えるか、これも時間がすべて教えてくれることになるのでしょうか、菅内閣の、説明不足、説明すると言いながら、或いはそれも言わずに、国民の知りたい情報を周知しない悪い癖が大変気になります。

国民は、知らされない政府の方針に疑心暗鬼の気持ちを持ちながら、解らないなりに自己防衛の努力をしながら、結果が解るのを待つというのが今の姿でしょう。
なにか、行く先が思いやられるような気がします。

2021年6月も平均消費性向上昇ですが・・・

2021年08月08日 22時21分21秒 | 文化社会
一昨日、8月6日、総務省から6月分の家計調査が発表になりました。

まず、消費需要と関係が深い(感染が増えると消費が減る)コロナ新規感染者数を振り返ってみましょう。

東京の数字で見ますと、4月には3度目の山が始まり、連休頃がピークでその後は3回目の緊急事態宣言で減少傾向でした。6月下旬緊急事態宣言解除でそれ以来急増4回目の緊急事態宣言に入って、今、最も深刻な状況というところです。

という事で6月は上中旬は緊急事態宣言の最中でした。
これでは、3、4、5月と上がってきた平均消費性向も、人流抑制、外出制限、消費支出も緊縮でまた低下かなと思って6月の勤労者所帯の収支を見ますと、案に相違して6月も上昇になっています。昨年6月が35.4%、今年6月は38.8%です。(6月はボーナス月ですから数字は低いです)

あれっと思いましたが、気が付いて調べてみました。2人以上の勤労者主体の実収入は、前年同月比11.3%の減少です。可処分所得(手取り収入)の方は14.1%減です(名目値、以下の同じ)。

当然ですが,消費支出も節約されて5.8%の減少です。支出を節約しても収入の減少の方が大きいですから消費性向(消費支出/可処分所得)は上昇です。

問題は、何故家計の収入がそんなに大幅に減ったのかですが、既にお気づきの方も多いでしょう。去年の6月は、1人当たり10万円の給付金の支給がピークになった月でした。
去年の勤労者所帯家計収入を見ますと、可処分所得で、一昨年に比べて、5月13.4%、6月19.0%、7月12.0%の増加です。

こういう特別なことがありますと、統計調査は、それをそのまま反映しますので、時系列比較などをするときには十分注意が必要になります。

その分を修正してと考えても、正確な修正などはとてもできません。困った事ですが統計は現実をしっかり反映してくれることが生命ですから、出てきた数字から「それなり」の判断をするしかありません。
来月も給付金の影響はまだ残りますが、8月には消えるでしょう。

このブログでは、2人以上勤労者所帯の平均消費性向が、この3月以来顕著に上昇傾向にあることに注目しているのですが、注目の理由は、アベノミクス以来の日本経済の低迷状態の回復は、平均消費性向の回復いかんにかかっていると見ているからです。

この問題は繰り返し論じているので、深入りはしませんが、これから秋にかけて、コロナの動向と、それに、いろいろな意味で振り回される平均消費性向の動向を、毎月、確り見ていきたいと思っています。

科学技術開発、ワクチンだけではないですね!

2021年08月07日 22時35分48秒 | 政治
 今回のコロナ問題で、はしなくも、日本がワクチン開発後進国であることがわかってしまいました。そして菅総理は「日本をワクチン開発の世界の拠点に」などと言いました。
諸外国(諸科学技術開発先進国)は、国の将来の在り方を先取りしていこうと科学技術開発に巨大な資金をつぎ込んでいることも関連統計の国際比較で明らかです。

もちろん日本にも、国際的にみて優れた部門はたくさんあります。今、世界中で不足して問題になっている半導体にしても、半導体製造装置では大いに頑張っていますが、これからのAI時代に主流になっていく半導体のトータルの開発領域ではすでに後進国の立場と日本の企業自身も残念ながら自認しているようです。

プラザ合意で円高を押し付けられ、30年もゼロ成長経済で、国力をすり減らした事が最大原因でしょうが、その円高も解消した今、コロナ後を目指して再び科学技術立国日本を取り戻す必要があるでしょう。

最も重要なのはエネルギーでしょう。再生エネの開発、それに蓄電技術で世界に先駆けようとしている日本ですが、原発利用問題が足枷になって右往左往です。

前述の半導体開発は、今や自動車に並ぶ(以上の)裾野の広い、膨大な開発投資を必要とする巨大産業になっています。政府も後追いの組織立ち上げに動くようですが、政府主導のプロジェクトは大抵成功しません。民間の知恵の最大限の活用が必要でしょう。

水問題も世界の課題です。水の星地球でも、真水は限られた貴重な資源です。幸い水処理については日本はかなりの先進的地位を確保しているようですが、これから世界で益々重要になるのではないでしょうか。

ワクチンや医薬品の様な政府の許認可が必要な分野は前述の意味では、政府がよほど科学技術の発展に理解を持っていなければならない分野でしょう。
菅総理もワクチン先進国になどと言ていますが、学術会議の任命問題、今回のコロナ問題での専門家会議の活用状況など、科学技術の在り方や、専門家会議の活用の仕方などについては、著しく無理解、無神経のようです。

具体例を挙げていけばきりがありませんが、科学技術開発で世界は大きく変わっていく時代に入っているのです。
後追いでは問題は解決しません、先取りが必要なのです。今は偶々コロナ問題で、政府の巨大は予算は、多くが後追いに使われていうように見えます。

コロな問題も含めて、さらにコロナ後の展望も含めて、政府の見識、先見性、将来への洞察力が問われているような気がします。

景気回復は多少遅れるか

2021年08月06日 00時10分41秒 | 経済
トヨタの4-6月決算が発表になり4-6月としては史上最高益とのことでした。確かに円レートも109-110円がらみでしたし、生産の好調だったようです。しかし株価は下がりました。
 
決算は過去の業績ですが、株価は将来を予測して決まるのでしょう。トヨタは、通期の決算予想は変えていません。景気の回復は予断を許さないという事でしょうか。
 
コロナはデルタ株を中心に猛威を振るっています。今日発表の、昨日の東京の新規。感染者は5000人を超えました。早晩1万人という専門家の推計も出ています。
 
政府は、緊急事態宣言と蔓延防止措置の対象地域を増やしましたが、総理は全国に緊急事態宣言を出すことは考えていないと、相変わらず楽観的です。
 
そして究極のコロナ対策であるワクチン接種は1日150万回のペースで進んでいるといっています。
ワクチン接種は一元的に管理されているようですから、多少の時間のずれはあっても大方は正しいといえそうです。
 
職域の接種は6月から受付を停止いていますから、ワクチン不足が心配されていますが、アストラゼネカ製も認められましたから、当面随分余裕が出てきたはずです。
 
これについては以前取り上げましたが、兵庫のJCRファーマが生産を委託され、9000万回分を生産することになっていて、更に4000万回分を日本に提供することになっています。(政府も気が大きくなって極く少しですが台湾などに提供しました)
 
日本の中だけのことを考えてみますと、ファイザー、モデルナとの契約の詳細は知らされていませんが、アストラゼネカを加えれば、職域接種などはJCRファーマの生産計画に合わせてどんどん進められるはずです。
 
ところで、首相官邸の発表(今日、8月5日)によれば、これまでに完了したワクチン接種の総回数は9830万回(+140万回?)だそうで約1億回。子供や接種できない、しない人もいますから、延べでは接種すべき人当たり1回に相当します。
 
実際には2回受けた人、1回の人、未だ受けていない人がいるのですが、あと1億回接種すればほぼ1人に2回になります。
これでコロナ対策は一段落でしょう。感染の確率は減り、感染しても重症になる確率も小さくなるでしょう。その後は掃討作戦という事でしょうか。
 
では、そこまで行くのに何日かかるかですが、菅総理の言う1日150万回のペースですと67日ということになります。
今日から67日後というのは、10月12日でしょうか。つまり10月12日になれば、必要な人には皆2回接種となり、コロナ制圧へのめどはつくといってもいいのではないでしょうか。
 
日本国内に限ってみれば、こんなところですから、11月ぐらいからはGoToも出来るかな
ということになるのでしょうか。
 
総理か閣僚の誰かが、ワクチン接種は10月ごろ終わると言ったのを聞いてような気もしますが、なにしろ今の政府の言う事は信用しない癖がついているので聞き流していました。
 
以上は私のメノコ算ですが、こうしたことが可能であるならば、政府はさらにきちんとした計画を建て、国民に周知すべきではないでしょうか。
 
そこまで頑張れば、トンネルの先が見えるということになれば、それなら何とか今は我慢して人流を減らし感染を減らして、そこまで順調に辿り着くように頑張ろうという合意も得られやすくなるでしょう。
 
政府は本音では「そうは思っていない」のでしょうか。政府が国民に正確な情報をしらせないというのは、景気回復を阻害する重大な要素です。
 
景気回復を阻害するもう一つは、アメリカ、中国を始め台湾、オーストラリア、アセアン諸国といった日本の貿易のランキング上位国の経済の行方がまだ確り読めないという事でしょう。
 
全てはコロナウィルスのデルタ株のせいですが、やはり景気回復は少し遅れるのでしょうか。
国内だけでも確りしてもらいたいものです。
 

日本が独裁国になる可能性は?

2021年08月04日 22時10分44秒 | 政治
前回、独裁国は、国民の意思と必ずしも関係のない独裁者の思いを実現するために、国民の犠牲において随分無駄なことをしている場合が多いことを指摘しました。
 
そうなってしまう理由ですが、独裁政権では、国民の望むところと独裁者のやりたいことが食い違うことが多いので、(独裁者は国民の気持ちなどは意識せず、自分の考え方を国民が持するのが当然と考えるので)国民から見れば、国費の無駄遣いといったことが多くなる傾向があるでしょう。
 
この考え方を応用すると、どこの国においても、政権の「独裁度」というのを国家予算の中の無駄な支出の割合という形で算出できるのではないでしょうか。
つまり、国民が、そんなことに税金を使ってほしくないな、と思っていることに、どれだけ多くの予算を割いているかということが、政権の独裁的な行動を表しているという訳です。
 
考えてみますと、安倍政権の時から、いろいろな面で、そんなことが多くなっているような気がしますが、その中には国民には分からないような形のものも、イージスアショアのような、たぶん、使わないか使えないようなものもありました。
今度のコロナに関して言えば、アベノマスクなどもそうかもしれません。
 
こうしたことを政権の態度から見てみますと「国民に丁寧に説明して理解してもらう」という「言葉遣い」多くなったことが挙げられます。
 
このブログでも、安倍政権の「丁寧に説明する」ということの意味は、「同じことを何度でも繰り返して言う」との意味だと書いた覚えがありますが、政権が、国民が諦めるまで言い続けて押し通すのは「ソフトな独裁制」でしょう。
 
今日は、菅総理が、コロナ対策の、入院か自宅療養かの問題で、「方針は撤回しないが、丁寧に説明する」とはっきり言っていました。
これは国民が納得しなくても権力で押し通すという事を言葉だけソフトに言い換えたものでしょう。
 
自由と民主主義を掲げる政権でも、部分的には独裁政権であることは「有り得る」という事になります。その部分が増えてくると、いつの間にか実質的には独裁政権になる危険性もあり得ます。
 
これを阻止するのは選挙ですが、独裁政権では、名目は多数決でも、実質的には独裁政権が維持できるような工夫(工作)をしているようです。この辺も真似すると、次第に独裁政権に本格的に近づくのでしょうか。
 
日本が独裁国家になるとは思いませんが、今年の秋は総選挙です。国民にとって要注意の秋になりそうです。

政治と領土と経済の関係

2021年08月03日 20時28分07秒 | 国際関係
地政学という学問があります。
地球上のどういう位置に国があって、その位置関係が、その国の政治、軍事、経済などにどのような影響をもたらすかを研究する学問のようです。
 
しかし、地政学的にという言葉が使われるのは、常識的には軍事的な背景を持っている場合が多いようです。
そして軍事的にというのは、いざとなった時、戦争で相手国を倒すのに有利という意味を含んでいるように感じられます。
 
具体的に戦争をしなくても戦争になった時に有利という地政学的な条件を持っていれば、国際間の政治的な交渉をするとき有利だということも当然有り得るのでしょう。
 
そういう事になりますと、当然これは領土問題に繋がりを持っていきます。あそこが自分の領土や衛星国であれば、軍事力を背景に、相手を脅すことで、交渉を有利に展開出来るということになるからでしょう。
 
例えば、中国は南シナ海を中国の領海だと主張すると同時に、浅瀬を埋め立てて軍事基地を作ります。
 
ロシアは2014年に併合したクリミヤ半島の軍事基地化を進め。日本との関係でいえば、事実上の支配地域になっている北方4島に軍事基地の建設を進めています。
 
こうしたそれぞれの国の領土拡張の願望は、経済的に見ますと必ずしもペイしないものでしょう。特に今後の世界では、多分、ペイすることはないでしょう。
 
中国は、今経済が伸び盛りですから、こうした何時どう使われるか全くわからないものを大きな経済的負担をして作っていく経済力があるのかもしれません。
 
ロシアの北方4島での政策は、いわばショウウィンドとしてシベリアやサハリンとは比較にならないようなカネをかけ立派な設備の地域にしているようですが、カネがかかって大変なのでしょう、一生懸命日本に投資を呼びかけています。
 
もし、戦争も何もなければ、後世、「何であんな無駄なことをやったのか」と言われることは必定です。これからの世界では、現実に「ならば戦争してもっと領土を広げよう」などということになる可能性は多分ないでしょう。(国際世論が許しません)
 
こういう多分使う事のない投資に終わると予想されることに膨大な国費を使い、国の経済力を無駄遣いすることは、まともな民主主義国であれば国民が許さないでしょう。
ですから、それが出来るのは独裁政権の国ということになっているのでしょう。
 
日本の独裁政権の時代に、台湾や朝鮮半島を併合し、中国東北部に満州国という属国をつくり、さらに中国大陸まで傘下に置こうと日中戦争をやっています。
 
その当時の日本でも、見る人は見ていました、石橋湛山は、既に大正時代にこうした拡張政策の無駄を見抜いています
現実を見ますと、日本は、戦後、本州、四国、九州、北海道の4つの島の国になって、世界が目を見張る経済成長をしたのです。
 
いま世界人類の大部分は、平和と経済的豊かさ、生活の快適さを求めています。
しかし、独裁者というのは、そんなことにはお構いなく、方向違いの自己満足の追求にうつつを抜かしているのです。独裁国だからこそ、それが可能になるのでしょう。
 
独裁国というのは本当に困ったものですが、世界人類の知恵で、何とかならないでしょうか。

このままではデルタ株コロナウィルスの蔓延は不可避

2021年08月02日 15時10分13秒 | 文化社会
前回、五輪開催強行の中で、新型コロナの猖獗を防ぐことは何としてでも成し遂げなくてはならないこと、そのために政府と国民は何をしなければならないかについて最低限の必要事項を整理してみました。

しかし、それが現状ではかなり難しいことも事実のように思われます。その最大の原因は、どうも政府がそうした持つべき危機感を持っていない事ように思われるのです。

 一昨日の菅総理の記者会見を見ましても、プロンプターを読んでいましたが、かつてドイツのメルケル首相が国民に訴えたスピーチのような、心から危機感を国民に訴える表情 はあまり感じられませんでしたし、質問の中で、最も重要な「緊急事態宣言を8月30日まで」とした理由はという質問には、正面から答えてはくれませんでした」

現実を見れば、新規感染者のグラフは、GoToを奨励した時の感染者増加の山が随分小さく見えるほどの高さになっています。そして人流の規模はこの所もあまり減っていません。

最も心配しているのは、感染増加の著しい自治体の長の方々のようで、漸く政府から緊急事態宣言が出ることが決まり、積極的な対策が取られると思いますが、デルタ株の性質から見ますとかなりの困難が予想されます。

というのも、従来の飛沫感染のレベルで考えられていた事では対応が不十分の可能性が高くなっているという見方が強くなっている状況があるからです。

コロナウィルスが、飛沫感染だけでなく、エアロゾル感染、いわゆる空気感染の可能性があること(飛沫の水分が蒸発しコロナウィルスそのものが空中を浮遊して、吸い込んだ人に感染する)、が解って来たという事のようです。

最近特に、感染経路不明という感染者が増えていることも確かなようで、これでは、航空機や列車バスなどさらには、感染対策をとったた建物や部屋の中でも油断はできないのではないでしょうか。

更に、デルタ株の増殖力は、当初のウィルスと較べて千数百倍から2000倍という研究も結果も出されています。感染から発症までの期間も2日ほど早い(他者に感染させる可能性も早い)という研究もあるようです。

加えて、ワクチン接種済みの人の感染もあるようですから(ただし軽症とか)、本格的な対応は大変だと思われます。

望まれるのは、各人がそれぞれどこまで感染対策を自主的に実行するかにかかっているということになるのですが、国民全体をそうした気持ちに急速に変化させることができるかどうかでしょう。

まさに、政府と国民が心を合わせなければできないことではないかと思われますが、どういう展開になるのでしょうか、これからも毎日発表される感染者数、重症者数などが減少することを願うばかりです。