バス協会「高速千円」拡大に反対 渋滞激しく利用急減
2009年6月3日19時20分
全国のバス事業者でつくる日本バス協会(会長・堀内光一郎富士急行社長)が3日、国土交通省が検討している高速道路料金「上限1千円」の割引拡大に反対する方針を決めた。ゴールデンウイークに高速バスが渋滞に巻き込まれて大幅な遅延が相次ぎ、利用客が激減したためだ。
協会は2280事業者が加盟。3日開いた高速バス委員会で決めた。近く、高速道路割引の拡充中止と渋滞緩和策の検討を求める要望書を同省に提出する。協会によると、今年4月24日~5月6日の主要路線の高速バス利用者数は前年比で平均6~7%減少。渋滞では所要時間が2倍以上になる例や到着が10時間遅れた例もある。
協会は「公共交通の機能がマヒし、経営努力の及ばないところで利用者の利便性を損ねている。環境保護にも反する」と訴えている。
土日祝日にETC車の高速料金を上限千円にする割引は、政府の景気対策の目玉の一つ。金子国交相は「経済効果が出ている」として、お盆や年末年始の平日への拡大を検討している。(渡辺淳基)