私は今、二つの大きな職能団体らしきものに加入している。
(ほかにも日本アルコール関連ソーシャルワーカー協会などにも入ってはいるが、職能集団としてはまだまだちっぽけだ。)
ひとつは日本社会福祉士会、もう一つは日本手話通訳士協会である。
手話通訳士協会は、設立当初からなのでもう18年になる。一方社会福祉士会は50歳記念に受験した社会福祉士試験に受かってからなので、約10年。日本手話通訳士協会の年会費は7000円。日本社会福祉士会は支部会費を入れると14000円。どちらも毎月ニュースが送られてくるし、研修会も開催している。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ただし、その活動に基本的に違っているところがある。それは会員がその会を職能集団・専門職集団として認識しているかどうかということにもつながっていそうである。
社会福祉士会は機会があるたびに社会福祉士の社会的活用を訴え、職域の確保に取り組んでいる。厚生労働省・文部省など国の機関や、地方公共団体へも要望やPRに努めてきた。
一方、手話通訳士協会は、長くその役員を務めていたので反省なのだが、このあたりの感覚は私自身あまりなかった。《ほかの役員さんはどうか知らない》
専門職としての待遇や利益を保持・改善するための活動がとても弱かったと反省している。自分たちの権利が守れないのに人の命は守れない…。
公正証書遺言での手話通訳配置、医療機関での手話通訳者配置の点数化など、国サイドからの働き掛けはあったのだが、手話通訳当事者である協会からの働きかけはほとんどしてこなかった。ある人が言ったように「武士はくわねど爪楊枝」であったのかもしれない。
この取り組みの違いが今、二つの専門職をめぐる大きな環境の違いとなってきているように思う。
手話通訳者の頚肩腕障害はいまだに続発している。
手話通訳士協会が創立20周年をきっかけに、専門職集団として、手話通訳士の社会的地位の向上に大きな働きをされるよう期待したい。