私は福島原発裁判を支える・所沢の会に加入しています。福島の原発被災地の支援も何もできないでいますが、支える会を通していくらかでも原発被害者の東電を訴えている裁判のお役に立てばと思っています。
会の通信が送られてきました。それを読んで、今福島で起きていることの一端を知ることができました。私の全く知らないことであり、新聞などで読んだこともないことです。そこで、通信をコピーしましたので、よろしかったら読んでみてください。
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2017.5.1 福島原発裁判を支える会・所沢 通信 No.5
福島原発刑事訴訟支援団会員の皆様
通信4号で触れていました福島原発告訴団団長武藤さんのレポートを通信5号としてお届けします。
併せて4月28日の東京地裁前行動の報告を次ページに載せますのでご一読ください。
「福島原発裁判を支える会・所沢」 事務局長 村上 三郎
「福島に広がる、放射能安全プロパガンダ」 福島原発告訴団団長武藤類子
2016 年 7 月に、私の住む福島県田村郡三春町に「環境創造センター」なるものが完成した。ここに は除染や廃棄物処理の研究を行う研究棟と、人々への放射能教育を行う交流棟とがある。交流棟は「コミ ュタン福島」の愛称が、子どもへの公募によって命名され、2017 年 3 月までには 4 万人が訪れた。毎 年福島県の小学 5 年生は全員が見学に訪れることを福島県の教育委員会が決めている。原発事故が起き 深刻な放射能被曝があった福島県では、子どもたちへの放射能教育は欠かせないものだと思う。しかし、 どんな教育がされるかが重要である。コミュタン福島には世界に二つしかない球形スクリーンと言うもの があり、短い映画を上映している。「放射線の話」では、「地球は誕生時には、多くの放射線が飛び交って いた。しかしだんだんと少なくなり生命が誕生した。今も自然界に放射能はあり、生命は共存している。 バナナにもカリウムという放射性物質は含まれている。放射能は生命の遺伝子を傷つけるが回復する。放 射能は医学や科学に寄与している」と言った説明が流れる。 また、放射線を防護するゲームがある。スクリーンいっぱいにガンマ線、アルファー線、ベータ線など が飛んでくる。それをジャンケンのグー、チョキ、パーで防ぐというものだ。子どもたちが精いっぱい背 伸びしながら、スクリーンの放射線に腕を振り回している姿に愕然とした。これで放射線から自分を守る ことが学べるのだろうか。先日、この施設を訪れた時に、玄関ホールに子どもたちが学習した成果を発表 する作文が多数展示されていた。全部読んでみたところ、95%ぐらいが「コミュタンに来て放射線を勉 強し、放射線はとても怖いと思っていたが、医学や科学に役立つことがわかり良かった。安心した。日本 のみんながここに来て放射能について勉強すれば、福島に対するいじめは無くなる。」 と言う内容だった。
昨年の 11 月には、福島市の高校生が福島第 1 原発の収束作業の見学に行った。原発は 18 歳以下の 者は働けない場所である。この見学が行われた 1 週間後には、福島県沖で震度 5 弱の地震が起きた。120 メートルある 1・2 号機の排気塔には破断やヒビが確認され、危険な状態である。そして高濃度の汚染水 を貯蔵した 1000tのタンクがところ狭しと立ち並ぶ場所だ。なぜ、高校生をその現場に行かせなけれ ばならないのか・・私には理解できない。福島大学は、今年度から授業の一環として第 1 原発の見学を 取り入れる。また、3 月末で避難解除となった飯舘村と福島大学が協定を結び、学生が地域おこしに取り 組むプログラムが行われる。福島大学の学長は「若い人が村内を闊歩することで活気が生まれてほしい」 と語っているが、村内の放射線量はモニタリングポストで 0.7、0.8、1.1μSv/h などを示す。村内の コンビニは働く人が来ないため、時給 1250 円+交通費という破格の金額である。飯舘村長は「村民の 安心や郷土愛の深まりにつなげたい」と語る。
「復興」という名の陰で被害者たちは、危険と諦めと沈黙を強要されていく。生きる尊厳を奪われる。
特に子どもや若者の郷土愛や差別への怒りを上手に利用して安全の宣伝に使い、放射線被曝と言う事実か
ら目をそらし、経済の復興や帰還を優先するやり方、被害をなきものにし原発の再稼働や輸出を企むやり
方に心底憤りを感じる。