日産のゴーン会長が役員報酬をゴマかしていると報じられ、わたかしのように少ない年金で細々暮らしているものからすると異次元の世界の話のようにすら思えます。しかし、この役員報酬も汗水たらして働く労働者の労苦の成果のはずです。それを思うと腹立たしい気持ちで一杯です。
今日の「しんぶん赤旗」の「潮流」と言うコラムです。わたくしの気持ちを代弁しているように思えますので転載します。
きょうの潮流
「コストカッター」の異名は日産自動車に来る前から付いていました。仏タイヤ大手にいたカルロス・ゴーン氏は90年に米国で同業の買収に成功。その後に三つの工場を閉鎖した頃からついて回るようになったと
▼ルノー自動車に移ると、すぐに「200億フラン削減計画」を発表。衝撃を走らせ、3千人が働くベルギーの工場を閉めたときには抗議の嵐が欧州全土に広がりました(『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』)
▼日産の社長になると欧州ではできなかった大リストラを断行。2万人もの人員削減や工場閉鎖、派遣切りや下請け企業の切り捨て。どれだけ多くの痛みや犠牲が必要となるか痛いほどわかるといいながら、一顧だにしない「改革」でした
▼その対価は年間10億円もの巨額の報酬。しかし、それさえも半分に偽っていたとして逮捕されました。労働者を路頭に迷わせながら、法を犯してまで私腹を肥やす。“カリスマ経営者”としてもてはやされた人物の、なんといじましくみじめな姿か▼資本の論理をむき出しにしたゴーン流は、自民党が進めてきた規制緩和と一体となって日本社会にリストラや成果主義をまん延させました。それは安全や品質を置き去りにし、ものづくりを衰退させました
▼ルールなき資本の貪欲さ、富の格差の広がり、労働者いじめ。安倍政権が推し進める政策にもつながっています。「ゴーン改革」がまかり通る利益最優先の流れ。それを断ち切るのは労働者のたたかいです。
そして、朝日新聞にはかってこんな記事も載りました。ゴーン会長の上をいく大富豪がいて、世界の富を分け合っているそうです。こんな歪んだ社会を何とか質さなければ・・・それがわたくしの願いです。
朝日新聞 2018年1月22日の記事から
世界の富の82%、1%の富裕層に集中 国際NGO試算
国際NGO「オックスファム」は22日、世界で1年間に生み出された富(保有資産の増加分)のうち82%を、世界で最も豊かな上位1%が独占し、経済的に恵まれない下から半分(37億人)は財産が増えなかったとする報告書を発表した。資産の偏在が格差拡大を招いているとして、世界の指導者に対策を呼びかけた。
報告書は、スイス金融大手クレディ・スイスによる家計資産のデータをもとに推計した。昨年6月までの1年間で上位1%の資産総額は、株価の上昇などによって7625億ドル(約84兆円)増えた。これは、1日1・9ドル未満で暮らす絶対的貧困をなくすのに必要な額の7倍以上にあたるという。
さらに下位半分の37億人分の資産総額を、米経済誌フォーブスの長者番付と比べたところ、上位42人の資産総額(合計1兆4980億ドル)とほぼ同じだった。昨年1月の報告書では、上位8人の資産総額に相当するとしたが、クレディ・スイスの調査に中国などのデータが追加されたため下位半分の資産総額を修正した。同じ基準で前年の資産を再計算すると上位61人の分と同じになることから、前年より格差は拡大しているという。