人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マーラーのピアノ四重奏曲を聴く~東京・春・音楽祭

2011年04月03日 17時46分00秒 | 日記
3日(日)その3.昨日とはうって変って寒い一日。せっかく咲き始めた染井霊園の桜の花も小休止といった感じだ。午後、東京文化会館小ホールに出かけた。東京春祭マラソン・コンサートVOL.1「ウィーン、わが夢の街~マーラーが生きた世紀末ウィーン」の第Ⅲ部「音楽家グスタフ・マーラー~私の時代が来るだろう」。

プログラムは①ピアノ四重奏曲(断片)イ短調。ピアノ:青柳晋、弦楽器:クァルテット・アルモニコのメンバー②交響曲第1番第1楽章(4手ピアノ版)。ピアノ:青柳晋、伊藤恵③亡き子を偲ぶ歌。バリトン:河野克典、ピアノ:伊藤恵。3曲でトータル1時間。

ピアノ四重奏曲を生で聴くのは10年ぶりくらいか。10年前の世紀の変わり目の年に新日本フィルがマーラー・チクルス(マーラーの曲だけでの連続演奏会)をやった時に、新日本フィルのメンバーの演奏で聴いたのが最初で最後だった。この曲はマーラーがウィーン音楽院在学中の16歳のときに、作曲科の試験のための提出作品として書かれたもので、第1楽章を想定したと思われる断片のみが完成している。前にもブログで書いたが、まるでブラームスかと思えるロマンティシズムに溢れた曲想の一方で、悲観的な曲想も現れたりする。デカプリオが主演した映画「シャッター・アイランド」でも極めて効果的に使われていた。

交響曲第1番第1楽章をピアノ連弾で聴いたのは初めて。出版元の依頼によって連弾用楽譜が作成されたという。順番は交響曲が先で、後から連弾用なのだが、そもそもマーラーは作曲する時にピアノを弾いて曲作りをしたのではないかな?ピアノ1台、たった2人で弾いているのにマーラーの交響曲の複雑な世界が見事に表現されていた。

「亡き子を偲ぶ歌」はマーラーが終生好んだ詩人リュッケルトの詩集に基づく歌曲集で、マーラー自身もこの曲を作曲した4年後に長女を亡くした。バリトンの河野克典は愛児を失った父親の心境を切々と静かに歌った。

全部でたったの1時間だったが、中身の濃いコンサートだった。この3曲を聴いただけで「マーラーって本当にいいな・・・」と再認識させられた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コーヒーと息子

2011年04月03日 09時32分19秒 | 日記
3日(日)その2.土・日も含めて毎朝6時に起きて朝食の準備をしてますが、最近は息子がその前には起きてコーヒーを淹れ、ピザ・トーストを作ってくれています。いま大学が春休みなので余裕の毎日だからでしょう。おかげで朝のうちにブログを書く時間ができました。ありがたいことです。

コーヒーについては、なかなか凝っています。「珈琲のすべて」などという本を読んでいて、コーヒーを淹れる専用のポット(本によると「ステンレス製鶴口ポット」らしい)を7000円も出して買ってきて使っています。コーヒー自体はデパートで売っているような”ブランド”ものではなく、スーパーで売っている単なる”ブレンド”ですが、メジャースプーンできちんと量を測ってペーパードリップで淹れます。お湯は水の状態からガスで沸かします。「中心からのの字を書くように一巡して・・・」とテキスト通り忠実に注いでいます。最初のうちはコーヒーとピザ・トーストを作るのに1時間もかかっていましたが、この頃は慣れてきたせいか半分近くまで短縮したのではないかと思います。やっぱり手間ひまかけて淹れたコーヒーは文句なしに美味いです。感謝しながら飲んでいます。

そうしたことをブログの先輩Aさんに話すと「マメだねぇ。それってお父さんのDNAじゃないの?物ごとに凝るでしょ」と言われました。反論の余地がないです。やりたいことは徹底的にやらないと気が済まないのですね。

息子は昨年4月9日に東京理科大学の基礎工学部に入学、入学式のその日に飛行機で北海道長万部の大学寮に移動して、学生生活を送ってきました。2月初旬には退寮式があり追い出されましたが、一人で札幌、函館、大沼、旭川、稚内、網走などを旅して2月15日に帰ってきました。帰ってきたときには「一回り大きくなった」ような気がしました。4人部屋での共同生活、初めての一人旅を通して人間的にも成長したのではないかと思っています。






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薔薇の騎士、おまえもか?!~オペラハウス公演中止・代替公演決行へ

2011年04月03日 08時16分21秒 | 日記
3日(日)。新国立劇場から手紙が届いた。まさか?と思って封を切ると「公演日変更とチケット振替・払い戻しのお知らせ」とある。R・シュトラウスのオペラ「薔薇の騎士」の公演のうち初日の4月7日のみが、大震災の影響で中止となり、出演者を代え日程を変更して公演するという。3月のプッチーニ「マノン・レスコー」に続いての中止だ。代替公演は指揮者、元帥婦人、オクタビアン、ファーニナル、ゾフィーが出演者変更だから、ほとんど総入れ替えといってもいい。「薔薇の騎士、おまえもか?!」といったところか。代替公演日に土・日が入っていないのでやり繰りが大変だが、生のオペラに飢えているので聴きにいく。

「お知らせ」にはオペラ部門の芸術監督・尾高忠明氏のメッセージが載っている。
「・・・毎日、暗いニュースが続いている。オペラも、演奏会も中止が相次いでいる。どんどんマイナス思考になってきている。これでは駄目だ。プラス思考で行かなくては。どんなことがあっても「薔薇の騎士」を上演したい。強い気持ちとは裏腹に現実は大変だった。外国人はほとんどがキャンセルしたいという。僕自身落ち込みかけたが、やはり自分で瓦礫を拾いに行くのではなく、僕たち音楽家は素晴らしい公演を行うことによって、日本を元気付けよう。そして募金活動で少しでもお役に立ちたい。本当に日本の復興のために、すべての日本人が気持ちを一つにベストを尽くす。僕たちは頑張ります」

今回の東日本大震災で被災された方々の気持ちを思うと、こんな時期にオペラを聴いている場合か!とお叱りを受けるかもしれないが、こういう時期だからこそ文化の力が求められているのではないか。音楽家は音楽を通して彼らを支援すべきだし、聴衆はそれに賛同してコンサートやオペラを聴きに行くのではないか。尾高芸術監督のもとオペラ・パレス一丸となって頑張ってほしい。(写真は2007年の新国立劇場オペラ公演プログラム)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする