5日(火)その2.最近読んだ本
は、読んだ順に次の通りです。①伊東乾「さよならサイレント・ネイビー~地下鉄に乗った同級生」②荒俣宏監修「知識人99人の死に方」③三菱総研「大学生がダマされる50の危険」④マイクル・コナリー「死角(オール・バック)」⑤中島薫「始めるのをあきらめることなんかない!」⑥吉田秀和「マーラー」。
①はブログで紹介した「指揮者の仕事術」の著者です。彼はオウム真理教による地下鉄サリン事件の実行犯・豊田亨の大学での同級生でした。なぜ豊田がサリン事件を起こさなければならなかったのかを問うた第4回開高健ノンフィクション賞受賞作品です。「サイレント・ネイビー」とは黙って責任を取る海軍のこと。著者は「再発防止のために黙っていてはいけない。そういう思想と美意識に決別すべきだ」と訴えます。2冊の本が同じ著者によって書かれたとは思えません。
②は手塚治虫、三島由紀夫、寺山修司、谷崎潤一郎等々99人の死に様を紹介した本です。最初に出てくる手塚治虫の死に方は尋常ではありません。家族は彼が癌であることを告知しませんでした。「自分は癌ではないのか」と疑いながらもベッドの中で「仕事をさせてくれ」と口走っていたといいます。マンガに対する情熱は半端ではなかったようです。だからこそ日本のみならず世界の手塚治虫であり続けたのでしょう。
③は大学生の息子
に読ませるために買っ本です。たとえば「悪質な宗教団体の勧誘」「キャッチセールス」「クリック詐欺」「出会い系詐欺」「フィッシング詐欺」「架空請求」等々、大学生だけでなく、社会人にも即役にたつ情報が盛り込まれています。広い層の方にお勧めします。
④はロスの展望台で男の射殺体が発見されます。怨恨か処刑か、テロリストによる犯罪か。謎解き
の小説です。ページを繰る手が止まらない「ノンストップ・ノベル」とでもいうのでしょうか。
⑤は1999年にサンマーク出版から出され、発売1年で20万部を突破した前著「始めるのに遅すぎることなんかない」に次いで、2000年9月に出されたベストセラー本なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。著者の中島薫氏は1952年生まれ、「GOODBY MORNING]の作曲で世界歌謡祭グランプリ
を獲得したという才能の持ち主です。この本は中島薫氏の熱狂的な崇拝者Aさんから「2冊持っているので1冊プレゼントします」といただいたものです。目次を一瞥するだけで彼の言いたいことがわかります。難しいことを易しく伝える能力があるのだと思います。例えば「どうしたら幸せになれる?と聞く人に、幸せになれる人はいない」「人を理解する方が、仕事を理解するより100倍うまくいく」「誰にでもいい顔をしない」「いい人とは、実は”どうでもいい人”か”自分に都合のいい人”のどちらかである」「大きな夢と小さな夢と、二種類の夢
をもとう」等々・・全部で101項目あります。この本から教えられることは少なくありません。個人的に一番のお気に入りは「人生に締め切りはない」です。そういうつもりでこれからもチャレンジしていきたいと思っています。Aさんありがとう!
⑥は評論家・吉田秀和が1973年から2009年までに新聞や音楽雑誌に書いてきた「マーラー」に関する評論を集めて文庫本化したものです。今年がマーラー没後100年であるタイミングをみて発売されたようです。この人の評論には曲を紹介するのによく”楽譜”が出てくるのですが、ろくに楽譜
も読めないど素人にとっては困るのですね、これが。まだモーツアルトなどは音符が少ないので何とか読める場合もあるのですが、マーラーは圧倒的に音符が多いのですね。一所懸命音符を追って口ずさんでみるのですが、♯や♭の数が増えてくるともうお手上げなのです
。という訳で、よく理解できませんでした
。そういう曲目解説的な部分は。
ただ「マーラーは、ワーグナーが楽劇の中で総合したものを、交響曲の枠の中でやろうとした。つまり交響曲の形式と枠を維持しながら、思想的な深さ、言葉を歌う人声、ロマン的な抒情性といったものを、そこに織り込もうとしたのである。その結果は曲は非常に膨大複雑なものにならざるをえなくなった」「マーラーの音楽で、私を魅了する最大のものは、一つは彼の楽式の構造、つまり音楽の全体の仕組みの立て方の独自のすばらしさであり、もう一つは旋律の比類のない表現力である」といった記述には、なるほどそうだろう、と納得できます。また、彼は「マーラーの音楽には・・・・非常に強烈で熱烈な宗教的な性格が存在している」と解説していますが、マーラーの音楽の魅力の一断面に過ぎないのではないか、と思います。マーラーの魅力の根源はどこにあるのか?永遠のテーマです。

①はブログで紹介した「指揮者の仕事術」の著者です。彼はオウム真理教による地下鉄サリン事件の実行犯・豊田亨の大学での同級生でした。なぜ豊田がサリン事件を起こさなければならなかったのかを問うた第4回開高健ノンフィクション賞受賞作品です。「サイレント・ネイビー」とは黙って責任を取る海軍のこと。著者は「再発防止のために黙っていてはいけない。そういう思想と美意識に決別すべきだ」と訴えます。2冊の本が同じ著者によって書かれたとは思えません。
②は手塚治虫、三島由紀夫、寺山修司、谷崎潤一郎等々99人の死に様を紹介した本です。最初に出てくる手塚治虫の死に方は尋常ではありません。家族は彼が癌であることを告知しませんでした。「自分は癌ではないのか」と疑いながらもベッドの中で「仕事をさせてくれ」と口走っていたといいます。マンガに対する情熱は半端ではなかったようです。だからこそ日本のみならず世界の手塚治虫であり続けたのでしょう。
③は大学生の息子

④はロスの展望台で男の射殺体が発見されます。怨恨か処刑か、テロリストによる犯罪か。謎解き

⑤は1999年にサンマーク出版から出され、発売1年で20万部を突破した前著「始めるのに遅すぎることなんかない」に次いで、2000年9月に出されたベストセラー本なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。著者の中島薫氏は1952年生まれ、「GOODBY MORNING]の作曲で世界歌謡祭グランプリ


⑥は評論家・吉田秀和が1973年から2009年までに新聞や音楽雑誌に書いてきた「マーラー」に関する評論を集めて文庫本化したものです。今年がマーラー没後100年であるタイミングをみて発売されたようです。この人の評論には曲を紹介するのによく”楽譜”が出てくるのですが、ろくに楽譜



ただ「マーラーは、ワーグナーが楽劇の中で総合したものを、交響曲の枠の中でやろうとした。つまり交響曲の形式と枠を維持しながら、思想的な深さ、言葉を歌う人声、ロマン的な抒情性といったものを、そこに織り込もうとしたのである。その結果は曲は非常に膨大複雑なものにならざるをえなくなった」「マーラーの音楽で、私を魅了する最大のものは、一つは彼の楽式の構造、つまり音楽の全体の仕組みの立て方の独自のすばらしさであり、もう一つは旋律の比類のない表現力である」といった記述には、なるほどそうだろう、と納得できます。また、彼は「マーラーの音楽には・・・・非常に強烈で熱烈な宗教的な性格が存在している」と解説していますが、マーラーの音楽の魅力の一断面に過ぎないのではないか、と思います。マーラーの魅力の根源はどこにあるのか?永遠のテーマです。