人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「始めるのをあきらめることなんかない!」~最近読んだ本から

2011年04月05日 22時15分32秒 | 日記
5日(火)その2.最近読んだ本は、読んだ順に次の通りです。①伊東乾「さよならサイレント・ネイビー~地下鉄に乗った同級生」②荒俣宏監修「知識人99人の死に方」③三菱総研「大学生がダマされる50の危険」④マイクル・コナリー「死角(オール・バック)」⑤中島薫「始めるのをあきらめることなんかない!」⑥吉田秀和「マーラー」。

①はブログで紹介した「指揮者の仕事術」の著者です。彼はオウム真理教による地下鉄サリン事件の実行犯・豊田亨の大学での同級生でした。なぜ豊田がサリン事件を起こさなければならなかったのかを問うた第4回開高健ノンフィクション賞受賞作品です。「サイレント・ネイビー」とは黙って責任を取る海軍のこと。著者は「再発防止のために黙っていてはいけない。そういう思想と美意識に決別すべきだ」と訴えます。2冊の本が同じ著者によって書かれたとは思えません。

②は手塚治虫、三島由紀夫、寺山修司、谷崎潤一郎等々99人の死に様を紹介した本です。最初に出てくる手塚治虫の死に方は尋常ではありません。家族は彼が癌であることを告知しませんでした。「自分は癌ではないのか」と疑いながらもベッドの中で「仕事をさせてくれ」と口走っていたといいます。マンガに対する情熱は半端ではなかったようです。だからこそ日本のみならず世界の手塚治虫であり続けたのでしょう。

③は大学生の息子に読ませるために買っ本です。たとえば「悪質な宗教団体の勧誘」「キャッチセールス」「クリック詐欺」「出会い系詐欺」「フィッシング詐欺」「架空請求」等々、大学生だけでなく、社会人にも即役にたつ情報が盛り込まれています。広い層の方にお勧めします。

④はロスの展望台で男の射殺体が発見されます。怨恨か処刑か、テロリストによる犯罪か。謎解きの小説です。ページを繰る手が止まらない「ノンストップ・ノベル」とでもいうのでしょうか。

⑤は1999年にサンマーク出版から出され、発売1年で20万部を突破した前著「始めるのに遅すぎることなんかない」に次いで、2000年9月に出されたベストセラー本なのでご存知の方も多いのではないでしょうか。著者の中島薫氏は1952年生まれ、「GOODBY MORNING]の作曲で世界歌謡祭グランプリを獲得したという才能の持ち主です。この本は中島薫氏の熱狂的な崇拝者Aさんから「2冊持っているので1冊プレゼントします」といただいたものです。目次を一瞥するだけで彼の言いたいことがわかります。難しいことを易しく伝える能力があるのだと思います。例えば「どうしたら幸せになれる?と聞く人に、幸せになれる人はいない」「人を理解する方が、仕事を理解するより100倍うまくいく」「誰にでもいい顔をしない」「いい人とは、実は”どうでもいい人”か”自分に都合のいい人”のどちらかである」「大きな夢と小さな夢と、二種類の夢をもとう」等々・・全部で101項目あります。この本から教えられることは少なくありません。個人的に一番のお気に入りは「人生に締め切りはない」です。そういうつもりでこれからもチャレンジしていきたいと思っています。Aさんありがとう!

⑥は評論家・吉田秀和が1973年から2009年までに新聞や音楽雑誌に書いてきた「マーラー」に関する評論を集めて文庫本化したものです。今年がマーラー没後100年であるタイミングをみて発売されたようです。この人の評論には曲を紹介するのによく”楽譜”が出てくるのですが、ろくに楽譜も読めないど素人にとっては困るのですね、これが。まだモーツアルトなどは音符が少ないので何とか読める場合もあるのですが、マーラーは圧倒的に音符が多いのですね。一所懸命音符を追って口ずさんでみるのですが、♯や♭の数が増えてくるともうお手上げなのです。という訳で、よく理解できませんでした。そういう曲目解説的な部分は。

ただ「マーラーは、ワーグナーが楽劇の中で総合したものを、交響曲の枠の中でやろうとした。つまり交響曲の形式と枠を維持しながら、思想的な深さ、言葉を歌う人声、ロマン的な抒情性といったものを、そこに織り込もうとしたのである。その結果は曲は非常に膨大複雑なものにならざるをえなくなった」「マーラーの音楽で、私を魅了する最大のものは、一つは彼の楽式の構造、つまり音楽の全体の仕組みの立て方の独自のすばらしさであり、もう一つは旋律の比類のない表現力である」といった記述には、なるほどそうだろう、と納得できます。また、彼は「マーラーの音楽には・・・・非常に強烈で熱烈な宗教的な性格が存在している」と解説していますが、マーラーの音楽の魅力の一断面に過ぎないのではないか、と思います。マーラーの魅力の根源はどこにあるのか?永遠のテーマです。

コメント (2)
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営業自粛

2011年04月05日 07時40分02秒 | 日記
5日(火)。昨夕、近くのビル地下Kでわが社の新人歓迎会が開かれた。1年半ぶりの新入社員。頑張ってほしい。

Kは新鮮な魚料理が自慢の和食中心の店だが、われわれ11人以外は1組しか入っていなかった。月曜日ということもあるかもしれない、と思って聞くと「計画停電の影響で、皆さん早くお帰りになるようですね。景気も冷えてますしね」とのことで、曜日には関係ないようだ。

隣のHビル地下の飲食店は節電のため夜の営業時間を2時間短縮している。ビルの管理担当者の話では「今回の大震災の影響で、どこの店舗も売り上げが半減しています。時間短縮による売り上げ減について”営業補償をしろ”というところまではいっていませんが、どこも深刻です。いつまでこういう状況が続くのか・・・・」とのことだった。

新人を含めて5人で2次会に行った。六本木のカラオケ・スナックOでウイスキー片手にカラオケの点数を争った。それぞれの名誉のため、ここに点数は書かない。ちなみに私は沢田研二、小林旭、高橋真理子の曲を歌った。ここも営業は深刻だ。この日もわれわれが帰るまで他の客は一人も来なかった。先週OからE部長あてに”最近お見限りねぇ。早く来てくれないとボトル切れちゃうよ”コールがあった。片っ端から常連客に営業コールを掛けているのだろう。

あっちも自粛、こっちも自粛、世の中自粛だらけだ。これでは景気が回復するわけがない。自粛を自粛してほしい!

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