人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベートーベンを聴く~新日本フィル室内楽シリーズ

2011年04月18日 23時02分55秒 | 日記
18日(月)その3.すみだトリフォニーホール(小)に新日本フィル室内楽シリーズ(第6回)を聴きに行った。プログラムは①ジョリベ「フルートと打楽器のための協奏的組曲」②ベートーベン「六重奏曲 変ホ長調」③「同「弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調」の3曲。

ジョリベの組曲は1965年に作曲されたが、プログラムの解説によると「ストラビンスキーの”春の祭典”を受け継いだともいえる原始的・民族的・呪術的な要素があるテーマ」ということらしい。分かりやすく言えば「村の祭りの笛太鼓」といったところか。たまにはこういう曲もいいんじゃないか、と思う。

ベートーベンの「六重奏曲」は彼が25歳ころの作品で明るく楽しい曲だ。クラリネットとホルンとファゴット各2本で演奏する。昨年のこのシリーズでベートーベンの「七重奏曲」を演奏し喝采を浴びた新日本フィルの主席クラリネット重松希巳江さんのリードでテンポ感よく曲が流れていた。実に楽しそうに演奏しているのが好ましかった。こういう演奏で聴くと「ベートーベンって本当にいいなぁ」と思う。

「弦楽四重奏曲第16番」は1826年10月に完成した。この年の7月には甥のカールがピストル自殺騒ぎを起こしたりして心労が重なった時期で、ベートーベンは翌年3月に息を引き取ってしまう。そういう意味では、弦楽四重奏曲の最後の曲であるとともに、実質的に最後の「白鳥の歌」といってもいいかもしれない。

第3楽章はまさにこの世との別れの曲といっても差し支えないのではないか。ある意味モーツアルトのクラリネット協奏曲の第2楽章「アダージョ」に通じるものがある。浄化された世界がそこにある。

第4楽章には「ようやくついた決心」という題名が記されている。さらに冒頭の2つのモチーフには「そうであるべきか?」「そうであるべき!」という言葉が付けられている。ベートーベンはこの曲で何らかの決着を付けようとして、それを実現したのか?ベートーベン研究家たちがいろいろと詮索しているようだが、真意のほどはベートーベンにしかわからない。


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フィラデルフィア管弦楽団が経営破綻!

2011年04月18日 22時20分41秒 | 日記
18日(月)その2.今朝の新聞各紙の社会・文化面には驚いた。「米名門楽団が経営破綻」の見出しで、アメリカのフィラデルフィア管弦楽団の評議会が16日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請し再建を目指すことを決めたという。

AP通信の配信による各紙を総合すると、1900年に設立された名門オーケストラであるフィラデルフィア管弦楽団は、2009年の収入が前年の5310万ドル(約44億円)から2940万ドル(約24億円)へ落ち込んだという。チケット収入、寄付金の減少によるものということだ。

フィラデルフィア管弦楽団といえば、ユージン・オーマンディが引き連れて来日した際に、東京文化会館に聴きにいったことがある。プログラムは確かムソルグスキーの「展覧会の絵」とブラームスの「交響曲第3番」だったように記憶している。当時は「フィラデルフィア・サウンド」と言われ、華麗な音作りが魅力のオケだった。展覧会の絵は色彩感豊かな曲なので、このオケにピッタリだったが、ブラームスはあまりにも輝き過ぎて、このオケには相応しくないと感じたものだ。

ニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団と並ぶ名門オケだが、アメリカの主要オーケストラが事実上経営破綻するのはこれが初めてとのことだ。演奏会は予定通り続けるという。しばらくクリストフ・エッシェンバッハが常任指揮者を務めていたが、数年前にシャルル・デュトワに代わったのではなかったか。

リーマン・ショック以来、寄付金が大幅に減少したことは大いに考えられる。幸か不幸か、日本のオーケストラの場合は、収入に占める寄付金の割合が少ないのだが、手放しで喜んではいられない。
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ラ・フォール・ジュルネ中止、払い戻しへ!~レベル7の影響で

2011年04月18日 07時34分27秒 | 日記
18日(月)。昨日の日経社会面を見て唖然としました。東京国際フォーラムで5月の連休に開催予定のラ・フォーレ・ジュルネ・オ・ジャポン(熱狂の日音楽祭)が、急きょ中止になったというのです。出演予定のアーティストの来日キャンセルが相次いだことから全公演のチケット代を払い戻すということです。来日キャンセルは福島第1原発事故の国際原子力事象評価尺度がレベル7に引き上げられた12日以降、急増したようです。さらに、東日本大震災の余震を受けて施設を点検したところ、一部のホールで電気系統の不具合が見つかったということです。

5月3日~5日の全プラグラムは一旦白紙に戻した上で、同期間中に復興支援コンサートを開くことになったとのこと。すでに16公演のチケットを買っているのですべて払い戻さなければなりません。これまで代替公演となったコンサートを除いて合計25公演の払い戻しです。ほとんどがチケットぴあでの購入ですが、窓口で買ったので1枚あたり105円の手数料がかかっています。この手数料は戻ってきません。2,625円の損失です。それよりも何よりも、せっかく苦労して5月の3日間のコンサート・プログラムを組んだのに、すべてがオジャンになってしまったことが残念でなりません

ラ・フォール・ジュルネのメルマガによると、この期間の復興支援コンサートの詳細は22日(金)に公表するということです。これを待って連休中のプログラムを組み直さなければなりません。払い戻しも面倒ですが、また苦労してチケットを取らなければならないのも面倒です。レベル7に対する評価は複雑です



コメント (2)
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