人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

作曲家コルンゴルトとの出会い

2011年04月25日 06時17分47秒 | 日記
25日(月)。昨日、都響のプロムナード・コンサートのことを書きました。書き落としたことがあるので紹介しておきます。演奏を始めるにあたって指揮者リントゥがマイクで挨拶しました。「このたびの大震災で死去された方々に追悼の念を抱いています。フィンランドの国民も日本の皆さんの置かれた悲しい現実を心に留めています」。そしてバッハの「G線上のアリア」を演奏し、聴衆とともに1分間の黙祷をしました。

さて、ここでは当日演奏されたコルンゴルトのバイオリン協奏曲との出会いを書きます。今から30年ほど前のことです。当時、私は勤務帰りに神保町にある下倉楽器のフルート教室に通っていました。木曜7時のクラスは男女各3人のメンバーでしたが、その中に早稲田の大学院生O君がいました。イギリスの美術史を研究しているということでした。レッスン帰りに話をするとかなりクラシック音楽に詳しく、楽譜も相当読めることがわかりました。すっかり意気投合して、横浜にある彼の家に遊びに行くことになりました。

そこでいろいろと彼のレコード・コレクションを聴かせてもらったのですが、彼がかけるレコードはほとんどイギリスを中心とする名前も知らない作曲家ばかりなのです。彼は特にアーノルド・バックスの曲が大のお気に入りで第5番の交響曲などはスコアを見ながら聴いているのです。話をしていて気が付いたのは、当時お互いに約500枚位のLPレコードを持っていたのですが、たったの1枚も同じレコードを持っていなかったということです。私はかなりオーソドックスなコレクションで、ベートーベン、モーツアルト、ブラームス・・・いわゆる古典音楽が中心でしたが、彼はバックス、ボーン・ウイリアムス、ディーリアスといったイギリス中心のコレクションだったのです。

その中から1枚のLPを取り出して聴かせてくれました。灯台のサーチライトがジャケットいっぱいに拡大されていて強く印象に残るデザインでした。初めて聴く種類の音楽でした。いままで古典中心に聴いてきたので、こんなロマンチックな(ロマン的な、という意味)音楽があるのか!と新鮮な驚きを感じたのを覚えています。それがコルンゴルトのバイオリン協奏曲との出会いでした。

さっそく彼に教えてもらった神保町の裏通りの小さなビルの2階にある「バイロイト」というレコード・ショップで、そのLPレコードを手に入れました。ここに写真で紹介しようと1500枚のレコードを片っ端から探してみたのですが、見つかりませんでした。どこかに紛れ込んでいるのでしょう。

彼はいま帝京大学教授として西洋美術史を教えています。一昨年、オペラシティ・コンサート・ホールで偶然出会って話をしたのですが、すっかり老けてしまって人が変わってしまったようでした。でも、その日の演奏に対する感想は”さすが!”と思わせる彼らしいものでした。
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