人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

音楽の捧げもの~紀尾井ホールで聴くバッハ

2011年04月28日 23時55分09秒 | 日記
28日(木)。紀尾井ホールに「J.S.バッハ 音楽の捧げもの~バロックの宮廷から~」を聴きに行きました。プログラム前半は①クープランの「趣味の和、あるい新しいコンセール集」より”コンセール第8番=劇場風”抜粋、②テレマン「新パリ四重奏曲第6番ホ短調」の2曲。後半はJ.S.バッハ「音楽の捧げものBWV1079」です。

演奏はバロック・バイオリン=古楽器演奏の第一人者・寺神戸亮、チェンバロ=1986年ブルージュ国際チェンバロ・コンクール入賞者・曽根麻矢子、バロック・フルート=バッハ・コレギウム・ジャパンのソリスト・菅きよみ、ビオラ・ダ・ガンバ=新日本フィルのフォアシュピーラー武澤秀平という、現在望みうる最高のメンバーと言っても差し支えないと思います。

クープランとテレマンは、このコンサートのテーマ通り「バロックの宮廷ではこういう音楽が流れていたのだろうな」と思わせる優雅な音楽でした。当時は一般の人々が王の前でこうした音楽を聴く機会などなかったでしょう。現代人は幸せです。

さて、今日の目的はバッハの「音楽の捧げもの」を聴くことです。この曲は1747年にバッハがプロイセン国王のフリードリヒ2世を訪問した際に、王から授けられた主題(王の主題)に基づいて作曲し、王に献呈された音楽です。出版に際して13曲にまとめられています。曲によってチェンバロ独奏、フルート、バイオリン、チェンバロのアンサンブルといったように組み合わせが変わっていきますが、何といってもこの曲の聴かせどころは最後の方の、バイオリン、ビオラ・ダ・ガンバ、チェンパロによる「トリオ・ソナタ」です。いつ聴いても「バッハは深いなぁ」と思います。バッハは常に神を意識して作曲していたのではないでしょうか。

演奏者のうち寺神戸、曽根、菅の3人はこの世界では名の知れたアーティストですが、今回、武澤秀平の演奏を聴いてすごくいいと思いました。新日本フィルの室内楽シリーズで彼のチェロの演奏を聴いたことはありますが、バロック時代の復元楽器ビオラ・ダ・ガンバ(チェロの足のないやつで、足に挟んで演奏する)を演奏するのを聴いたのは初めてでした。彼はこれから現代楽器の世界でも古楽器の世界でも通用するアーティストになると思います。

バッハの「音楽の捧げもの」は王のテーマを違う形に編曲して音楽を組み立てていきますが、2月中旬に始めたこのブログも、テーマを変えながら組み立ててきて、早いもので今回で100本目を迎えました。これまでお読みいただいた皆さまに感謝いたします。


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