24日(日)その3.午後サントリーホールで東京都交響楽団のプロムナード・コンサートを聴きました
。都響は定期会員ではないので、よほどプログラムが気に入らないとチケットを買いません。今回は、シベリウスの第5交響曲とコルンゴルトのバイオリン協奏曲を演奏するというので躊躇なく買いました。
プログラムは前半が①シベリウス「交響詩:タピオラ」②コルンゴルト「バイオリン協奏曲 ニ長調」、後半が③シベリウス「第5交響曲」④同「交響詩:フィンランディア」の4曲です。バイオリンは当初ドイツのヤッフェという女性バイオリニストの予定だったのですが、挟み込みスリップによると「体調不良
のため出演が不可能となった」とあります。本当のところは原発が恐かったのかもしれませんが
。代演は新日本フィルのコンサート・マスター豊嶋泰嗣。好きなアーティストです。指揮はフィンランドのハンヌ・リントゥ。2013年からフィンランド放送交響楽団の主席指揮者に就任するということです。
「タピオラ」は小手調べといったところ。待っていたのはコルンゴルトのバイオリン協奏曲。コルンゴルトは1897年~1957年に生きた比較的新しい作曲家です。子供のころマーラーに評価され、11歳の時に書いたバレエ「雪だるま」がウイーン宮廷歌劇場で絶賛を浴びるなど、天才
として名を馳せました。なにしろフルネームが「エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト」といい、モーツアルトと同じ「ウォルフガング」が付けられているのです。両親の過大なまでの期待が込められています。
彼は1934年にハリウッドに招かれ映画音楽
で評価されるようになりました。「ロビンフッド」などが有名です。ユダヤ系だった彼はその後、ナチ支配下となったオーストリアに戻れなくなり、ハリウッドの作曲家として生きる道を選びました。アカデミー賞
でオスカーを2度獲得するなど華やかな活動で知られました。そんな彼が作曲したバイオリン協奏曲は、まるで映画音楽のような色彩感の溢れたロマンティックな曲です。この曲との出会いについては別に書こうと思います。長くなるので
。
ソリストの豊嶋泰嗣は急きょの代演ということで楽譜を前にしての演奏でしたが、コルンゴルトのロマンティシズムを見事に描ききりました。新日本フィルのコンサート・マスターがなぜ都響のソリストに選ばれたのか、その経緯は明らかではありませんが、人選に誤りはありませんでした。素晴らしいアーティストです。
シベリウスの第5交響曲は第2番、第1番に次いで演奏される機会が多い人気曲ですが、とくに金管楽器が大活躍する曲です。それだけに音を”外す”ことは許されません。都響のブラスは充実していると思いました。豊かな響き
です。
第3楽章の聴きどころはフィナーレの6つの力強い和音の表現方法です。指揮者がどういうテンポで表現するのか興味があります。バーンスタインのように大きく間をとって締めくくるのか。コリン・ディビスのように、よりさっぱりと間をとるのか。リントゥは、せっかちでもなく、間延びするでもなく、中庸のテンポで堂々と締めました。すごく共感できました
。
最後の「フィンランディア」は、「これぞ我が国歌
」と言わんばかりの堂々たる演奏でした。実際、この曲はフィンランドの第2の国歌とも言われています。自国の作曲家の曲を他国のオーケストラを鳴らして演奏するって、すごくいい気持ちだろうな
と思います。日本の指揮者が海外で演奏する際に、日本の作曲家による曲を演奏する機会があまりないのは残念なことです
。

プログラムは前半が①シベリウス「交響詩:タピオラ」②コルンゴルト「バイオリン協奏曲 ニ長調」、後半が③シベリウス「第5交響曲」④同「交響詩:フィンランディア」の4曲です。バイオリンは当初ドイツのヤッフェという女性バイオリニストの予定だったのですが、挟み込みスリップによると「体調不良


「タピオラ」は小手調べといったところ。待っていたのはコルンゴルトのバイオリン協奏曲。コルンゴルトは1897年~1957年に生きた比較的新しい作曲家です。子供のころマーラーに評価され、11歳の時に書いたバレエ「雪だるま」がウイーン宮廷歌劇場で絶賛を浴びるなど、天才

彼は1934年にハリウッドに招かれ映画音楽



ソリストの豊嶋泰嗣は急きょの代演ということで楽譜を前にしての演奏でしたが、コルンゴルトのロマンティシズムを見事に描ききりました。新日本フィルのコンサート・マスターがなぜ都響のソリストに選ばれたのか、その経緯は明らかではありませんが、人選に誤りはありませんでした。素晴らしいアーティストです。
シベリウスの第5交響曲は第2番、第1番に次いで演奏される機会が多い人気曲ですが、とくに金管楽器が大活躍する曲です。それだけに音を”外す”ことは許されません。都響のブラスは充実していると思いました。豊かな響き

第3楽章の聴きどころはフィナーレの6つの力強い和音の表現方法です。指揮者がどういうテンポで表現するのか興味があります。バーンスタインのように大きく間をとって締めくくるのか。コリン・ディビスのように、よりさっぱりと間をとるのか。リントゥは、せっかちでもなく、間延びするでもなく、中庸のテンポで堂々と締めました。すごく共感できました

最後の「フィンランディア」は、「これぞ我が国歌


