人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

チョン・ミュンフン、北朝鮮を訪問~音楽による南北交流を

2011年09月13日 17時01分48秒 | 日記
13日(火)その2.今日の朝日朝刊「国際面」に「韓国の指揮者チョン・ミュンフン氏、訪朝」の見出しが躍っていました。記事によると、

世界的な指揮者でソウル・フィル音楽監督チョン・ミュンフン氏は12日、北京経由で訪朝した。チョン氏はユニセフ親善大使で、北朝鮮の子どもの音楽教育や交響楽団の交換演奏会などを協議するとして韓国政府に訪朝を申請していた。チョン氏は12日、北京の空港で「一人の人間として音楽家として、もっと自然に南北が近くなることを望む」と語った。

チョン・ミュンフンは現役の指揮者の中で一番好きな指揮者と言ってもいいと思います それは指揮者としての実力とともに、一人の人間として尊敬できるからです。ソウル・フィル、アジア・フィルと来日したときにも、ヒューマニストとしての彼の姿を目の当たりにしました

はっきり言って今回の行動は、傍から見れば「どうせ相手が北朝鮮なんだから、何をやっても効果はないよ」と思われがちですが、それでも彼は行動せざるを得なかったのだと思います。政治や経済が機能しないときにこそ、こうした文化面での交流が大切なのだと思います。そういう意味でも、今回の彼の行動には拍手を送りたいと思います
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水道橋「白十字」で聴いたバッハ「トッカータとフーガ」の想い出~今日はレオポルド・ストコフスキーの命日

2011年09月13日 06時51分30秒 | 日記
13日(火).今日は「オーケストラの少女」やディズニーの音楽アニメ「ファンタジア」など,映画にも出演しクラシック音楽の普及に努めた指揮者レオポルド・ストコフスキーの命日です.彼は1977年9月13日に95歳の天寿をまっとうしました.

ストコフスキーは1911年から40年までフィラデルフィア管弦楽団の常任指揮者を務めましたが,1922年にストラビンスキーの「春の祭典」をアメリカ初演したり,1937年にはラフマニノフの「交響曲第3番」を世界初演したりしました メディアへの関心が深く,1925年に初めて電気録音を行い,1932年には世界初となるステレオ録音を行っています そういう方面の後継者はヘルベルト・フォン・カラヤンでしょうか

幅広いレパートリーを持つ彼は,オーケストラを操る達人といわれ”音の魔術師”と言われました.彼の指揮の特徴は指揮棒を持たず両手で指揮をすることです オーケストラの配置を,それまでの第1バイオリンと第2バイオリンとを左右に分ける”対向配置”から,第1バイオリン,第2バイオリン,ビオラ・・・と高い音から低い音へ順番に並べたのも彼が最初だと言われており,これはステレオ録音の効果を出すためだったと言われています.

ストコフスキーで忘れられないのは,学生時代,水道橋の白山通りにある”白十字”という喫茶店(今でもあるようです)に行った時のことです.店のドアを開けたとたんに,奥の方からバッハの「トッカータとフーガ」(管弦楽版)の”音の洪水”が押し寄せてきたのです その迫力に圧倒されてしばし呆然と立ちつくしたことを覚えています.それがストコフスキーの編曲によるバッハだったのです.まだクラシック音楽を聴き始めて間もない頃だった私にとって,それは衝撃的な出会いでした

下の写真・左はLPレコード「バッハ・トランスクリプション」.バッハの「トッカータとフーガ」ほかをストコフスキーが管弦楽用に編曲した曲が収録されています.オーケストラはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団.1972年のライブ録音です. 写真・右はCD「ストコフスキー・ステレオ・コレクション~バッハ,ヘンデル」.これも管弦楽編曲版で,オーケストラはロンドン交響楽団とRCAビクター交響楽団,1961年と1974年の録音です.久しぶりにCDの方でバッハを聴いてみましたが、「バッハは最初から管弦楽曲として作曲したのではないか」と勘違いするほど、みごとに編曲されており、新鮮な驚きをもって耳に到達しました

      
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