人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィル、パーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団

2013年11月27日 07時01分01秒 | 日記

27日(水)。昨日は、休暇をとって親戚の告別式に参列するため福島県喜多方に行って来ました 朝8時14分上野発「やまびこ」で郡山まで行き、磐越西線に乗り換えて会津若松経由で喜多方へ 磐越西線の沿線には、そこかしこにススキの穂が揺れていて晩秋から初冬へ移り変わる季節を感じました喜多方駅で下車すると、なんと雨が降っていました。タクシーで葬儀会場へ向かい葬儀に参列しました。葬儀はほんの1時間強で終わりましたが、斎場まで行かなくともよいとのことだったので、甥っ子と二人で先に失礼することにしました

喜多方駅で列車を1時間半待ち()している間にだんだん寒くなってきました。地元の「福島民報」紙の天気予報欄で喜多方地方を見ると、夕方以降  のマークが付いていました。15時少し前に雨が止んで、空に虹がかかりました 写真ではあまりよく判別できませんが、中央の道路から右上の空に向かって虹がかかっています

 

          

 

せっかく喜多方まで行ったのに名物「喜多方ラーメン」も食べず、予定より約2時間帰り時間を早めて、喜多方発15時51分の列車に乗り、郡山経由で帰京、上野に着いたのは19時22分でした。11時間の所要時間のうち1時間だけが葬儀で、残り11時間が列車での移動と待ち時間だったことになります やっぱり喜多方は遠い、というのが実感です

 

  閑話休題  

 

25日付の朝日夕刊「文化」欄に「カンマーフィルとの”旅路”集大成~パーヴォ・ヤルヴィが日本で初オペラ」というインタビュー記事が載りました。要約すると

「エストニア出身の指揮者パーヴォ・ヤルヴィが28、30日、横浜みなとみらいホールで、ドイツ・カンマーフィルと、ベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」に挑む 2004年から芸術監督を務めるカンマーフィルは、楽団員の自主運営によるオーケストラ。『指揮者・楽団の普通の関係とは全然違う。まるでロックバンドみたいに人間関係が濃い』と語る 15年にはNHK交響楽団の首席指揮者に就任する。『伝統ある偉大なオーケストラ』と評価が高い。日本人向けのリップサービス?『いやいや、良いオケです。でなければ話を引き受けませんよ』。野性味あふれるカンマーフィルと対照的に、優等生タイプのN響 ヤルヴィとの出会いは、一体どんな化学変化をもたらすのか。『まずは、N響がどんな音楽を目指しているのか知ることが大切。最悪なのは、彼らと音楽的につながる前に、私が何かを決断してしまうことです』と語る

このインタビュー記事を読んで初めて、ヤルヴィが2015年からNHK交響楽団の首席指揮者に就任することを知りました。いろいろな媒体を通してアンテナを張っているつもりでも、こうしたニュースはすっぽ抜けてしまいます

さて、このインタビュー記事を読んで気になった点がいくつかあります。一つは「優等生タイプのN響」という表現です。そうなんですか?それでは他の日本のオーケストラは優等生タイプではないのでしょうか?まず、N響の楽員に訊いてみたいと思います。ついでに”職業評論家”の人たちにも

二つ目は、『N響がどんな音楽を目指しているのかを知ることが大切。最悪なのは、彼らと音楽的につながる前に、私が何かを決断してしまうことです』というヤルヴィの発言の意味です

『N響がどんな音楽を目指しているのか』という場合、N響とは誰を指しているのでしょうか。コンサートマスターでしょうか。オーケストラ全体でしょうか。そうだとしたら、楽団員全員が同じ方向を目指していなければ話が前に進みません ドイツ・カンマーフィルの場合は『楽団員の自主運営によるオーケストラ』であるので、プログラミング一つとってみても楽団員が話し合いによって、一定の方向性を探っていくのは分かるような気がします しかし、自主運営ではない日本のオーケストラの場合、誰が方向性を決めるのでしょうか。私はむしろ、まず第一に指揮者の考えがあって、オーケストラにそれを提示して引っ張っていくというのが通常のやり方のような気がします。と言うのは、そもそも、オーケストラ側から指揮者に常任就任のオファーがあって、それに指揮者が応えるのが普通だと思うからです

だから、私に言わせればヤルヴィには、自分の目指す方向性を”決断”してN響を引っ張ってくべきではないかと思います 私が常々思っているのは、日本のオーケストラは、どれを聴いても差別化が難しいということ、つまり強烈な個性がないということです 例えば、FM放送からある曲が流れてきた時、スターツカペレ・ドレスデンの場合は、オケの名前を当てることが出来ます それほど、オケに個性があるからです。これが、日本のオケの場合は、どのオケかまったく判別がつきません

N響の場合、よく言われるのは、それまでドイツ系の指揮者で”古典派”中心のプログラミングだったのを、シャルル・デュトワが常任指揮者になって以降フランス系で”ロマン派以降、現代に至るまで”の曲を積極的に取り上げるようになりN響の音が変わったと言われたことです これなど、明らかに、まず指揮者の目指す方向性があり、それをオーケストラが受け入れた結果、音が変わったのだと思います

したがって、ヤルヴィには強烈な指導力でN響を引っ張って差別化をはかってほしいと思います

 

コメント
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