5日(金)。例年より早く梅雨入りしたようです そんなこととはツユ知らず・・・・・・誉田哲也著「ドルチェ」(新潮文庫)を読み終わりました 誉田哲也の作品はこのブログでも何度かご紹介してきました。姫川玲子刑事が活躍する「ストロベリーナイト」、「ジウ」シリーズでお馴染みの作家です 今回の作品は同じ「警察小説」でも、42歳・独身の女性刑事を主人公にして、これまでと一味違ったテイストで読ませるところに特徴があります
主人公の魚住久江は42歳の独身デカ長(巡査部長刑事)ですが、かつては捜査一課でバリバリの女刑事としてならしていました しかし、ある理由から一課復帰を拒み続け、現在は練馬署の強行犯係に勤務しています そんな彼女の周りで次々と”身近な”事件が起きますが、鋭い嗅覚で解決していきます
「袋の金魚」「ドルチェ」「バスストップ」「誰かのために」「ブルードパラサイト」「愛したのが百年目」の6編から成る連作短編集です 本のタイトルになった「ドルチェ」とはイタリア語で「甘い」という意味ですが、もうひとつ「優しい」という意味もあるそうです この連作に共通して流れているのは、市井の人々を見る作者の「優しさ」ではないか、と思います