2日(月)。昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第108回定期演奏会を聴きました プログラムはJ.S.バッハの①「来たれ、精霊」にもとづくファンタジアBWV651」、②「来たれ、精霊」BWV652」(以上オルガン独奏)、③カンタータ第20番「おお永遠、汝、雷の言葉よ」BWV20、④同第39番「割いて与えよ、飢えた者に汝がパンを」BWV39、⑤同第75番「貧しき者は、食して」BWV75。出演はソプラノ=松井亜希、アルト=青木洋也、テノール=櫻田亮、バス=ドミニク・ヴェルナーです
開演前に会場が明るいのは、ステージの天井が大きな三角形の明り取り窓になっているからです 開演1分前に閉じられると室内照明だけになります
いつもは最初のオルガン曲の独奏は鈴木優人が担うことが多いのですが、この日は父親の鈴木雅明ご本人の登場です 「来たれ、精霊」にもとづくファンタジア、そして「来たれ、精霊」が続けて演奏されます 荘重なバッハの音楽に身を浸していると、俄かクリスチャンになって敬虔な気持ちになるから不思議です。バッハは深い、と思います
次いで、拍手の中、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーが登場します おやっと思ったのは、定期会員の一部が入れ替わったのかな、ということです いつもならオケが登場すると大きな拍手が起こるのに、この日はそれ程でもなかったからです カンタータ全曲演奏会シリーズがひと通り終了し、あらたなステージに入った現在、今回が通算108回目の定期演奏会となりますが、これまでの定期会員の一部が離れ、あらたな聴衆が加わったのかも知れません。あるいは、ソプラノのプラシコヴァやテノールのティュルクなどのスター歌手が出演したらもっと大きな拍手が起こったのでしょうか。実際はどうなのかは分かりません
カンタータ第20番「おお 永遠、汝、雷の言葉よ」では、テノールの櫻田亮とアルトの青木洋也の歌声が冴えわたっていました また、毎回のことですが、オーボエの三宮正満、尾崎温子と篠原由佳の演奏は安定感があり高い芸術性を保っていました また、この日出演していなかった鈴木秀美の代わりに新日本フィル首席チェリスト・武澤秀平が頑張っていました
カンタータ第39番「割いて与えよ、飢えた者に汝がパンを」では、ソプラノの松井亜希の澄んだ声が会場に沁み渡りました この曲では2本のリコーダーが活躍しますが、山岡重信と向江昭雅の演奏は聴きごたえがありました
休憩時間にロビーに出ると、フリーアナウンサーの朝岡聡氏が誰かと立ち話をしていました。どうして彼が居るのだろうと思っていましたが、コンサート・プログラムを見て分かりました その中で、朝岡聡氏がリコーダー奏者の山岡重信氏と対談をしているのです。それを読むと、朝岡氏が相当なリコーダー愛好家であることが分かります 大学受験で選んだ大学はサークルにバロック・アンサンブルがあるからだったということです。プロの山岡氏を相手に相当マニアックなやり取りをしているのには驚きました
休憩後のカンタータ第75番「貧しき者たちは食して」でも、松井亜希、櫻田亮、青木洋也の3人が冴えていました また、トランペットのギィ・フェルベの演奏は派手さがなく、しっとりと聴かせる演奏でとても好感が持てました
そして、いつも思うのは合唱の素晴らしさです。アンコールに最後の第75番のフィナーレ部分をもう一度演奏しました。アンコールは最近では珍しいことです
閑話休題
昨夕から咽喉が痛くてくしゃみが出ます。ここ数日の天候不順から風邪を引いたのだと思います 今日は大事をとって会社を休んで家で静養することにしました