23日(月)。21日(土)は午後2時から東京交響楽団の定期演奏会を、午後7時からキュッヒル・クァルテットの公演を聴きました 昨日、東響のコンサートの模様について書いたので、今日はサントリーホール「ブルーローズ」(小ホール)で開かれたサントリーホール・チェンバーミュージックガーデン「キュッヒル・クァルテット ベートーヴェン・サイクルⅥ」の模様を書きます
プログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲第6番変ロ長調、②ピアノ・ソナタ第9番ホ長調(ピアノ:河村尚子)、③弦楽四重奏曲ヘ長調(ピアノ・ソナタ第9番の編曲)、④弦楽五重奏曲ハ長調(ヴィオラ:店村眞積)です
自席はLb3列7番、左ブロック中央です。キュッヒル・クァルテットはウィーン・フィルのコンマス、ライナー・キュッヒルが率いるウィーン・フィルのメンバーから成ります。この日の演奏会が今年のベートーヴェン・サイクルの最終公演になります
例によって難しい顔をしたキュッヒルが3人のメンバーとともに登場します。1曲目のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第6番」は、小さいけれど愛らしい曲です
ここで、一旦椅子と譜面台が片付けられ、ピアノがセンターに移動します。同じ曲のピアノによるオリジナル版と弦楽四重奏への編曲版との聴き比べが始まります 最初にピアノ・ソナタ第9番のピアノによるオリジナル曲の演奏です。ソリストの河村尚子が黒と紫を基調とするシックなドレスで登場します お腹辺りがちょっと・・・ひょっとしてお目出度が近いのでしょうか? 間違ってたらゴメンナサイ
プログラムノ解説によると、ピアニストの奇才グレン・グールドは「ベートーヴェンの初期ソナタを聴いているとみな弦楽四重奏に編曲可能だという強い思いに捉われた」と述べていたそうです その一例がベートーヴェン自身によるこの第9番のピアノ・ソナタです
第1楽章は愛らしいメロディーが美しく響きます。第2楽章を経て、第3楽章は軽やかなメロディーです。河村尚子さんのピアノは久しぶりに聴きましたが、いいですね
休憩後の1曲目は、前半に聴いたピアノ・ソナタ第9番の弦楽四重奏版です 聴いてみると「なるほど、こういう風になるのか」と感心します。ピアノ独奏による演奏も楽しめますが、こうして弦楽四重奏で聴いても何の違和感もなく耳に馴染んできます ベートーヴェンは作曲する際にピアノを弾いて作っていたことと関係があるかもしれません
最後はベートーヴェン唯一の弦楽五重奏曲である作品29ハ長調です。クァルテットにヴィオラの店村眞積が加わります
この曲は第1楽章冒頭が好きです。明るく鷹揚でスケールが大きい音楽が展開します。第4楽章のトレモロの演奏も印象に残ります
この演奏会がサイクル最後ということもあって、拍手が鳴り止みません 5人はアンコールにブラームスの「弦楽五重奏曲第2番」から第2楽章を、まだ直鳴り止まない拍手に第3楽章を演奏しました ブラームスも超一流の演奏でした
閑話休題
ロビーのデスクに来年のサントリーホール・チェンバーミュージックガーデンのチラシが置いてありました 来年は6月6日(土)から同21日(日)までとのことです
目玉の「ベートーヴェン・サイクル」はミロ・クァルテットとのこと 演奏日は6月7日、11日、13日、18日、20日の5日間。この5日間は今から予定して、他のコンサートのチケットを買わないようにしたいと思います