21日(土)。昨夕、すみだトりフォニーホールで新日本フィルの第526回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲二長調」、②同「交響曲第4番ホ短調」。指揮はダニエル・ハーディング、①のヴァイオリン独奏はイザベル・ファウストです
本来なら21日に聴くべきところだったのですが、コンサートが重なったため20日に振り替えたものです そういう訳で座席はいつものセンターブロックではなく、1階18列3番、左ブロックの左から3つ目の席です。オケは左から奥にコントラバス、その前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置=ハーディング・シフトをとります コンマス席にはチェ・ムンスが、その隣には同じコンマスの西江辰郎がスタンバイします ハーディングが指揮する時はこのダブル・コンマス・シフトをとるようです
ハーディングとともにソリストのイザベル・ファウストが、上がブラウン系、下が黒の衣装で登場します ボーイッシュな髪型です。使用楽器は1704年製のストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティ」
ハーディングのタクトで1曲目のブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」が始まります。ゆったりとした牧歌的なメロディーが奏でられ、次第に緊張感が高まってファウストのヴァイオリンが入ってきます この日演奏された第1楽章のカデンツァはブゾーニが作曲したようですが、ティンパ二の連打の中、ヴァイオリンが美しいメロディーを奏でます。私は初めて聴きましたが、すごく印象的でした
第2楽章ではブラスだけのアンサンブルの中で古部賢一のオーボエが美しく響き、独奏ヴァイオリンに受け継がれていきます 間を空けずに第3楽章になだれこみます。ここで初めてファウストに笑顔が見えました まさに「スリーピング・ビューティーが目を覚ました」瞬間でした 楽章を通して新日本フィルの万全のサポートのもと、喜びに満ち溢れる演奏を展開しました
ファウストは鳴り止まない拍手に、バッハの「無伴奏パルティータ第2番」から「サラバンド」を繊細な表現力で演奏しました
休憩後はブラームス「交響曲第4番ホ短調」です。ハーディングが登場、ふわっと浮くような指揮で冒頭の演奏に入ります ニュアンス豊かな演奏が展開します。第2楽章では弦の厚みが印象的です。第3楽章はいわば「スケルツォ」です。オケの底力が発揮されます 間を空けることなく第4楽章に入ります。ここでも弦楽器のうねるような厚みのある演奏が印象的です ハーディングは、ここぞというところではオケを煽り立てます
いつもは管楽器の印象が強く残るコンサートが多いのですが、この日の演奏は弦楽器の分厚い響きが印象に残りました
この日、新日本フィルがコンサートに関するアンケートをやっていたので、回答しておきました オケを5段階評価で点数化する質問があったので、定期会員になっている新日本フィルと東京交響楽団を「5」として、他のオーケストラは3ないし4と回答しておきました