7日(土)。わが家に来てから150日目を迎え、ワンルームマンションのベッドでくつろぐモコタロです
いや~ 狭いわが家が一番落ち着くなぁ おれ小さいし
閑話休題
昨日のブログで映画「皆殺しのバラッド~メキシコ麻薬戦争の光と闇」をご紹介しましたが、昨日の朝日朝刊に「メキシコ 麻薬組織掃討作戦 大物を次々逮捕」という記事が載っていました。記事を超訳すると
「メキシコ当局が麻薬組織の掃討作戦に力を入れている。2月末に国内最大規模とされる麻薬カルテル『テンプル騎士団』のトップを逮捕したのに続き、4日には『セタス』のトップを逮捕した 連邦警察と軍は1000人以上を殺害した疑いがあるモラレス容疑者を逮捕したが、彼にはメキシコ当局が200万ドル(約2億4000万円)、米国当局が500万ドル(約6億円)の懸賞金をかけていた
『セタス』はメキシコ陸軍特殊部隊の出身者が多く、2010年には麻薬の運び屋になることを拒否した中米移民72人を殺害したとされる」
「皆殺しのバラッド」のチラシによると、メキシコには麻薬を扱うカルテルが複数あり、『テンプル騎士団』『セタス』の他にも『シナロア・カルテル』『ゴルフォ・カルテル』『パシフィコ・スル・カルテル』、そして映画にも登場した『フアレス・カルテル』などがメキシコ国内にはびこっています したがって、これらのトップも逮捕しない限り、まだまだメキシコにおける麻薬戦争は治まることはないのが実情でしょう
「皆殺しのバラッド」は2013年の制作なので、あるいはこの映画がメキシコのペニャ二エト大統領を動かす大きな原動力になったのかもしれません。ペンは剣より強し。映画は薬(ヤク)より強し
も一度、閑話休題
昨日の日経朝刊に「ラトル氏がロンドン響へ」という小さな記事が載っていました
「ロンドン交響楽団は、英国人の世界的な指揮者、サイモン・ラトル氏(60)を2017年9月に音楽監督に迎えると発表した 同氏は『これが私の最後の仕事だ』と抱負を語った。ラトル氏は02年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任。契約満了となる18年8月に退任する
」
サイモン・ラトルと言えば、一度だけ生でコンサートを聴いたことがあります。ラトルが英バーミンガム市交響楽団を率いて来日公演をやった時ですから80年代から90年代にかけてだったと思います ステージ上の弦楽器群の配置を見て度肝を抜かれたことを今でもハッキリ覚えています
舞台に向かって左サイドにチェロとコントラバスが配置されていたのです
今でこそこの楽器配置はそれ程珍しくありませんが、当時は極めて稀な、というか、初めて見る楽器配置でした。「これは何かの間違いではないか
」とさえ思ったものです。そのラトルが祖国に帰りロンドン響を振ることになるわけです。それにしてもラトルがもう60歳か・・・・とは言え、指揮者の世界では「50、60は洟垂れ小僧」と言われています。これからでしょう
最後の、閑話休題
昨夕、新宿文化センターでフレッシュ名曲コンサート「オール・モーツアルト・プログラム」を聴きました プログラムはモーツアルトの①ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」、②ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、③交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」で、出演はヴァイオリン=篠原悠那、ピアノ=上原彩子。バックを務めるのは飯森範親指揮東京交響楽団です
篠原悠那は第80回日本音楽コンクール第2位、第11回東京音楽コンクール弦楽部門第2位の若手実力者です。上原彩子は第12回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門で女性の日本人として史上初の第1位を獲得したピア二ストです
自席は1階15列22番、左ブロック右通路から3つ入った席です。会場は後方がかなり空いており全体では6割位の入りでしょうか。もったいないですね 東響の面々がステージに登場します。25名程度の小編成ですが、チェロとコントラバスを左サイドに置き、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右に分ける対向配置をとります
コンマスは水谷晃です。ヴァイオリン・ソロの篠原悠那が飯森範親とともに、鮮やかな黄色のステージ衣装で登場します
モーツアルトのヴァイオリン協奏曲は全部で5曲ありますが、ザルツブルク時代の1773年と1775年に集中して作曲されています 第5番K.219は1775年、作曲者が19歳の時に完成しました
飯森+東響の軽快なバックに支えられて、篠原悠那は明るく伸び伸びとモーツアルトの世界を奏でていきます 第1楽章終盤のカデンツァは聴きごたえがありました
次から次へと現われる新人の中で、この人が生き残っていくにはどうしていけば良いのだろうか?・・・・そんなことを考えてしまいました
ピアノがセンターに運ばれ、管楽器も弦楽器も拡大してピアノ協奏曲第20番K.466の演奏に備えます。ソリストの上原彩子が紫色のステージ衣装で堂々と登場します 飯森の合図で第1楽章冒頭の低弦を中心とするシンコペーションがデモーニッシュに始まる中、上原はいつもそうするように、後ろに反り返るようにして出番を待ちます
そして出番になると少し前のめりになってモーツアルトの短調の名曲に対峙します。よく聴くと、メロディーを口ずさみながら演奏しているようです
彼女の真骨頂が発揮されたのは第2楽章「ロマンツェ」でした。「これ程美しい音楽があるだろうか」という名曲ですが、上原は詩情豊かにロマンティックに演奏します
第3楽章「アレグロ・アッサイ」には間を置かずに突入します。フィナーレ部分でのカデンツァは見事のひと言です
オーボエが実に良い仕事をしていました
休憩後の交響曲第41番K.551は「ジュピター」という愛称が付けられていますが、後世の人が、ローマ神話の最高神ジュピターに喩えて付けたものです。その名にふさわしい堂々たる曲想で、古典交響曲のキング・オブ・キングと言っても良いでしょう
第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」を聴いていたとき、第1ヴァイオリン全体の音がコンマスの水谷晃のヴァイオリンを通して聴こえてきたのには驚きました 以前、同じ東響のコンサートで、シューベルトの交響曲第3番をユベール・スダーンが指揮した時に、第1ヴァイオリンの音がコンマスの大谷康子のヴァイオリンを通して聴こえてきたのに驚いたことを思い出しました
コンマスは他のヴァイオリン奏者と違って、指揮者の指示を的確に後方の奏者に伝えなければならないので、大きな動作をする傾向にありますが、その動作が耳の”聴こえ”に影響しているのかも知れません
つまり、その楽器を見ながら音を聴くとその音が良く聴こえてくるということです
第4楽章「モルト・アレグロ」を聴きながら、ステージ中央のチェロ・セクションを見ていたら、樋口泰世さんの髪型が変わっていることを発見しました 先週木曜(26日)のサントリーホール定期公演ではロングヘアだったので、この1週間以内にカットしたのでしょう
この1週間の間、彼女にどういう心境の変化があったのか?いずれにしても今度の方が良いと思うな・・・・・「そんなこと考えてないで音楽に集中しなさい
」という声がどこからか聞こえてきて、我に返りました
曲は壮大なフーガを描きフィナーレになだれ込みました。拍手
とブラボーが会場を満たしました
飯森+東響はアンコールに「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章を弦楽奏者で演奏してコンサートを締めくくりました 1つのコンサートで大好きなモーツアルトを3曲も聴ける幸せは何ものにも代えがたいものがあります