15日(日)。わが家に来てから158日目を迎え、久しぶりにおやつをもらえたモコタロです
おやつって言うけど、これ食べられないよね?
閑話休題
昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第628回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベルク「抒情組曲」より「3つの小品」、②ワーグナー「舞台神聖祝祭劇”パルジファル”」(抜粋)です。指揮は常任指揮者ジョナサン・ノット、②のテノール独唱はクリスティアン・エルスナー、ソプラノ独唱はアレックス・ペンダです
今年度最後の定期公演としてジョナサン・ノットが選んだのはアルバン・ベルクとワーグナーでした 音楽監督としての意欲を感じます。ベルクの抒情組曲は1925年から26年にかけて6楽章形式の弦楽四重奏曲として作曲され、その後、1928年に第2~第4楽章を抜粋した「3つの小品」として弦楽合奏用に編曲されました。第1曲アンダンテ・アモローソ、第2曲アレグロ・ミステリオーソ、第3曲アダージョ・アパッショナートから成りますが、聴く限り、明らかにシェーンベルクの影響を感じさせます
とくに第3曲を聴いているとき、なぜかシェーンベルクの「浄められた夜」が頭に浮かんできました
さて、その第3曲が静かに終ろうとしている時、突然前方センターブロック左通路側の高齢男性が立ち上がり、靴音を響かせながら通路を歩いて外に出ようとするのが見えました 年齢からして生理現象だろうと確信しましたが、止むに止まれぬ切羽詰った行為とは言え、靴音を立てずに歩くことは出来るはず
これは演奏者に対して大変失礼な行為で、さらに音楽に集中している聴衆に対しても大迷惑な行為です
「トイレは開演前に行っトイレ」と聴衆の気持ちを”代弁して”注意を促しておきます
休憩後はワーグナーの舞台神聖祝典劇「パルジファル」です。昨年10月2日、新国立劇場で飯守泰次郎指揮東京フィルによる演奏、ハリー・クプファーの演出で観たので、その時のことを思い出しながら観ることにしました
パルジファルを歌うテノールのクリスティアン・エルスナーとクンドリを歌うソプラノのアレックス・ペンダがノットとともにステージに登場します ドイツ生まれのエルスナーは日本で言えば電車の座席を2人分占領する”関取”のような巨艦
一方のブルガリア生まれのペンダは小柄で、黄金のドレスを身にまとい、髪をおかっぱのようにして、まるでクレオパトラのような雰囲気を漂わせています
ノットのタクトにより第1幕への前奏曲が始まります。ワーグナーらしい息の長い旋律が10分ほど続きます この前奏曲を聴いているだけでも、果たしてこの音楽はいつまで続くのだろうか?と思うほど着地点が見えません
”無限旋律”とはよく言ったものです
「パルジファル」は3幕から成りますが、この日演奏されるのは前奏曲の後は第2幕の途中からと第3幕「聖金曜日の音楽」です エルスナーは恵まれた体格を生かして良く通るテノールを聴かせてくれました。まったくムリがありません
一方、ペンダは小柄な身体のどこにそのエネルギーが潜んでいるのかと思うほど迫力のあるソプラノを聴かせてくれました
ノットはワーグナーのような息の長い音楽を飽きさせずに聴かせるのが得意だと思います
最後の、閑話休題
昨日聴いたCDはスヴャトスラフ・リヒテルのピアノ独奏によるチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」です バックを務めるのはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団。この演奏はLPレコードで何度も繰り返し聴いたものです。そこには強靭なリヒテルがいます