人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第3番、第4番、第7番」をN響メンバーで聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月19日 07時02分38秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから162日目を迎え、おおきな〇をもらって満足しているモコタロです 

 

          

            大きな〇もらっちゃった 影も映ってるし

 

  閑話休題  

 

昨夕、上野の国立科学博物館「日本講堂」で「N響メンバーによる弦楽四重奏~オール・ベートーヴェン・プログラム」を聴きました プログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲第4番ハ短調、②同・第3番ニ長調、③同・第7番ヘ長調”ラズモフスキー第1番”です。演奏は、第1ヴァイオリン=山口裕之、第2ヴァイオリン=宇根京子、ヴィオラ=飛澤浩人、チェロ=藤村俊介です

 

          

 

全自由席のため開場15分前にはすでに20メートル位の行列が出来ています それでも左ブロック6列目の右通路側席を確保しました 会場は約150席ほどありますが、ほとんど満席です

会場後方から拍手が聞こえてきます 演奏会のための会場ではなく舞台が狭いため、演奏者は会場後方から客席の左側を通って舞台に登壇します

左から第1ヴァイオリン・山口、第2ヴァイオリン・宇根,チェロ・藤村、ヴィオラ・飛澤という態勢をとります プログラムに載った演奏者のプロフィールを見ると、4人とも桐朋学園大学の出身者であることが判ります。オーケストラのメンバーが臨時に室内楽を演奏する時はこのような”学閥”があるのでしょうかねぇ?あるのでしょうね。ほかの室内楽コンサートでもしばしばこういうことがありますから。悪いとは思いませんが、狭いかな

 

          

 

1曲目の弦楽四重奏曲第4番は「ハ短調」の曲です。モーツアルトの短調の曲と同様、名曲です 第1楽章冒頭の喘ぐような曲想は情熱的でもあり悲劇的でもあります 出だしは、ちょっと大人しいかな、と思ったのですが、曲が進むにしたがって短調の魅力を発揮する情熱的な演奏になりました

2曲目の第3番は実質的に最初の弦楽四重奏曲です。出版の関係で第3番となりました。この曲で魅力なのは第2楽章「アンダンテ」です 4人の会話が素晴らしい

演奏が終わって、演奏者は客席の後方に引き上げて行くのですが、15分の休憩を宣告された聴衆がトイレに行く際、なんと4人の演奏者は廊下で楽器の手入れをしているのです つまり控室がないのです。これは非常に気の毒に思いました 昨年は同じ会場でヴァイオリンの会田莉凡さんが同じような境遇にありました

 

          

 

休憩後は第7番”ラズモフスキー第1番”です。第1楽章の冒頭、チェロが勇壮なテーマを奏でますが、この演奏が決まっていました その曲の演奏の良し悪しは半分以上が出だしで決まると思いますが、この時点で、これは素晴らしい演奏になるだろうという予感がありました この曲も第3楽章「アダージョ」が聴きどころです。ベートーヴェンは緩徐楽章が特に素晴らしいと思います 4人の演奏者のアンサンブルが見事でした。そして第4楽章のフィナーレで、予想どおり決めてくれました

演奏後、第1ヴァイオリンの山口氏が挨拶しました

「今日は、お忙しい中、多くのプログラムがある中でわれわれの演奏会を選んでいただき、ありがとうございました 私はN響を定年で辞めて2年になりますが、今回どうしても皆でベートーヴェンをやりたい、ということで取り組むことになりました アンコールに、最初に取り上げた思い出深い曲でありますヴォルフの『イタリアン・セレナーデ』を演奏します

「最初に取り上げた思い出深い曲」というのは、おそらく「この音楽祭に初めて出演した時に演奏した思い出の曲」という意味だと思います まさか、あの歌曲で有名なヴォルフがこのような軽妙洒脱な弦楽合奏曲を書いているとは思っても見ませんでした

4人は数回のカーテンコールの後、客席の後方に引き上げましたが、控室がないので廊下に立って、結婚式が終わって帰る参加者をお見送りする新郎新婦とその両親のような形になりました 私のすぐ前の高齢男性が山口氏に「今日は素晴らしい演奏をありがとうございました」とお礼を言っていましたが、私を含めて他の聴衆も同じ想いだったと思います。この日の演奏会は山口裕之氏と彼を慕う演奏家たちの人柄が表れた素晴らしいコンサートだったと言えるでしょう

 

          

コメント
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