人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「リヒテルに捧ぐ1(生誕100周年記念)舞踏協奏曲『オーバード』」を聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月22日 10時00分32秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから165日目を迎え、オープン戦で滑り込みするモコタロです 

 

          

          滑り込みセーフ自民党、ってか。 歯止めかけろ公明党、ってか。

 

  閑話休題  

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「リヒテルに捧ぐ1(生誕100周年記念)舞踏協奏曲『オーバード』」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ディヴェルティメントK.136」、②同「ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453」、③同「交響曲第31番ニ長調K.297”パリ”」、④プーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲”オーバード”」です 出演はヴァハン・マルディロシアン指揮トウキョウ・モーツアルトプレーヤーズ、ピアノ=リュドミラ・ベルリンスカヤ、振り付け=ドミトリー・アンティポフ、舞踏=ドミトリー・アンティポフ、ヤロスラヴァ・ナグマノヴァです 当初の予定ではモーツアルトの「2台のピアノのための協奏曲K.365」が演奏される予定でしたが、ピアニストのアルチュール・アンセルが出演出来なくなったため交響曲第31番K.297に変更されました

 

          

 

自席は1階14列13番、センターブロック左通路側席です 会場は半分も埋まっていないでしょう。すごくもったいないです

指揮をとるヴァハン・マルディロシアンはアルメニア生まれ。パリ音楽院を首席で卒業し最初はピアニストとして活躍しました トウキョウ・モーツアルトプレーヤーズは指揮者の沼尻竜典の呼びかけで1995年に結成した若手中心の小編成のオケです

1曲目はモーツアルトのディヴェルティメントK.136なので総勢17人の弦楽奏者だけが登場します 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢をとります。コンマスは女性です。どこかで見たような気がしますが思い出せません オケは女性が中心ですが、平均年齢はアラサ―といったところでしょうか

顎に髭を蓄えた体格のいいヴァハン・マルディロシアンが登場し演奏に入ります K.136はよく聴きます。最近だけでも東京交響楽団、東京フィルで聴きました モーツアルトが16歳の時に作曲しました。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と同じくらい人気がありモーツアルトの代名詞のような曲です マルディロシアンは軽快に演奏を進めます。第2楽章はモーツアルトの楽譜の指定通りに繰り返して演奏したようです。彼のこだわりでしょうか

 

          

 

ピアノがステージ左からセンターに運ばれ、管楽器奏者が加わり、2曲目のモーツアルト「ピアノ協奏曲第17番K.453」に備えます。ソリストのリュドミラ・ベルリンスカヤが白とシルバーを基調とするドレスで登場 ピアノに向かいますが、眼鏡をかけます 譜面立てがないのにおかしいな? と思っているうちに演奏が始まりました。ピアノの上に直接楽譜を置いていたようで、弾きながら楽譜をめくっていました

ベルリンスカヤの演奏は、一音一音が粒立っていてはっきりと聴こえます 歯切れの良い演奏である証左です。モーツアルトはこうでなくては、と思わせるテンポ感の良い演奏で、指揮者との相性も良いようです 第2楽章ではオーボエ、フルート、ファゴットのアンサンブルが見事で、心地よい雰囲気を醸し出していました 第3楽章は、まるでパパゲーノが歌い出しそうな楽しい曲想ですが、ベルリンスカヤとオケは愉悦間に満ちた演奏を展開しました

ピアノがステージ左サイドに片付けられ、管楽器奏者がさらに拡大、ティンパ二も加わって、総勢30人規模でモーツアルト「交響曲第31番K.297」の演奏に入ります この曲は先日、日本モーツアルト協会主催の交響曲全45曲演奏会で聴いたばかりです。名曲は何回聴いても良いものです マルディロシアンは小気味のよいテンポで軽快に演奏を進めます。第2楽章から第3楽章へは間を置かずに演奏します。緊張感を持続するためでしょう

 

          

 

休憩後はこの日のメーン・プログラム、プーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲『オーバード』(朝の歌)」です ステージ中央にグランド・ピアノが置かれ、その左サイドにオーケストラのメンバー18人がスタンバイします。弦楽奏者が手前に、管楽器奏者が奥の壁際に配置されます。そしてステージの右側スペースの中央には街燈が置かれています。その周りでバレエが踊られるようです

舞台が暗転し、オケは手許灯により演奏に臨みます この曲は「処女神ディアーヌが、自ら定めた掟により、恋も出来ず、薄明のたびに悲嘆に暮れるという神話風の夢幻劇」で、切れ目なしに10のエピソードが演奏されます

最初はブラスのファンファーレによって幕が開き、次に衣装を黒の上下に替えたベルリンスカヤによる激しいピアノの独奏が続きます リヒテルはこの曲が好きで、自ら演奏したこともあるようですが、再演を望みながら叶わなかったということです そこで生前リヒテルと共演を重ねた経験のあるベルリンスカヤが彼の想いを受け継いで、この曲を再演することを決意した、ということです

私には鉄のカーテンの向こう側にいた鉄人リヒテルと自由の国フランスのプーランクが、どうしても結びつかず、どうしてリヒテルはプーランクを弾きたがっていたのだろうと思っていました しかし、今回初めてこの曲をベルリンスカヤの演奏で聴いて「こういう曲ならリヒテルは自分で弾きたいと思うだろうな」と思いました。スピード感があり力強くもあるこの曲はリヒテルにピッタリです

演奏の途中、ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ(超美人!)とドミトリー・アンティポフ(イケメン!)が黒の衣装で街燈の下に登場、音楽に合わせてバレエを踊るのですが、これが最高に素晴らしいのです アンティポフの振り付けが本当に素晴らしい

終演後、指揮者とともに二人は何度もカーテンコールに呼び戻され、会場一杯のブラボーと拍手を浴びていました もう一度、この企画があるのなら是非また観たいし聴きたいと思います こんなに素晴らしいコンサートが会場の半分しか埋まらないなんて信じがたいです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスヴァトスラフ・リヒテルの演奏するリストの「超絶技巧練習曲」他のアルバムです 1988年3月ケルンでのライブ録音で、「超絶技巧練習曲集」から第1番~第3番、第5番、第7番、第8番、第10番、第11番の8曲、ポロネーズ第2番、スケルツォ・ト短調、コンソレーション第6番、メフィスト・ポルカ、「3つの演奏会用練習曲」から第3番”ため息”ほかが収録されています

何と言っても「超絶技巧練習曲」が豪演です ライブなので演奏後の会場の熱気が伝わってきます また、1曲目に置かれた「ポロネーズ第2番」は初めて聴く曲ですが、ショパンとは違ったゴツゴツした感触がたまらない魅力を感じました

 

          

コメント
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