10日(金)。わが家に来てから621日目を迎え、白ウサちゃんたちと歓談するモコタロです
どうよ 最近の景気は? 安倍君と黒田君どうしてる?
閑話休題
料理に使うピーラーが壊れてしまったので、池袋のTハンズで買ってきました。セラミック製なので錆びないのがメリットです ついでに、キャベツの千切り用の幅広ピーラーも買いました。いつも千切りが百切りになっていたので。今日から使用開始します
も一度、閑話休題
10月17日(月)午後7時からサントリーホールで開かれる「ル・ポン国際音楽祭 赤穂・姫路2016~10周年記念 東京特別公演」のチケットを同ホール・メンバーズ・クラブ先行発売で発注しました この音楽祭はベルリン・フィルのコンサートマスター 樫本大進が音楽監督を務め、彼の出身地の赤穂・姫路で2007年から毎年開いているもので、今年は10年を迎えることから東京でも同一プログラムで開催することになったものです
プログラムは①モーツアルト「オーボエ、クラリネット、バスーンのためのディヴェルティメント第5番K.439b、②グリンカ「ベッリーニの歌劇”夢遊病の女”の主題による華麗なディヴェルティメント」、③シェーンベルク「室内交響曲第1番」、④マルティヌー「マドリガル・ソナタ」、⑤ブラームス「セレナーデ第1番」です
出演は、ヴァイオリン=樫本大進ほか、ヴィオラ=ジェラール・コセほか、チェロ=堤剛ほか、コントラバス=ナビル・シェハタ、フルート=エマニュエル・パユ、オーボエ=古部賢一、クラリネット=ポール・メイエ、クラリネット=アンドレアス・オッテンザマー、ホルン=ラデク・バボラーク、ピアノ=エリック・ル・サージュほか、といった錚々たるメンバーです
入場料はS席5,000円、A席4,000円、B席3,000円です。出演メンバーを考えると格安ですが、大ホールだからこその料金設定だと思います
最後の、閑話休題
昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」で、クァルテット・エクセルシオによる「ベートーヴェン・サイクルⅡ」を聴きました プログラムはベートーヴェンの弦楽四重奏曲①第5番イ長調、②第10番変ホ長調「ハープ」、③第13番変ロ長調、④大フーガ変ロ長調です
エクセルシオはサイクル2日目にして大作「第13番」と「大フーガ」を持ってきました
このサイクルは5回セット券を買ったのですが、必ずしも毎回同じ席ではないようです 第1回目はC4列1番でしたが、昨日の第2回目はC3列の右端でした
エクセルシオのメンバーが登場します。「ブルーローズ」で演奏するから、という訳ではないでしょうが、女性3人はブルー系の衣装で統一しています。山田さんだけグリーンです
1曲目の「弦楽四重奏曲第5番イ長調 作品18-5」は、ベートーヴェンが1798~1800年に作曲した最初の6曲(作品18)のうち5番目の曲です 初期の弦楽四重奏曲ということもあり、ハイドンやモーツアルトのような”古典”を感じさせる曲想です
第3楽章は彼の弦楽四重奏曲で初の変奏曲ですが、行進曲風の変奏なった時、急に大きな音になって驚きました
2曲目の第10番変ホ長調 作品74「ハープ」は、「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」(第1~第3番)の3年後の1809年に完成した曲で、作品18の一連の四重奏曲と同じくロプコヴィッツ侯爵に献呈されました 「ハープ」という愛称は、第1楽章に出てくるピッツィカートがハープの響きを連想させることから付けられました
第1楽章は厳かな序奏から始まり、明るい曲想に移り、ピッツィカートでハープのような曲想に展開します。演奏者は楽しげです この曲の大きな特徴は第3楽章「プレスト」でしょう。交響曲第5番ハ短調のテーマ「運命」の動機が激しく弾かれます
この第10番は「第5番・運命」と「第6番・田園」の初演の翌年=1809年に作曲されたことを考えれば、不思議でも何でもありません
ベートーヴェンはこの「動機」がよほど気に入っていたのだと思います。また、第3楽章から切れ目なく第4楽章に移る際のトレモロは「田園」交響曲における嵐の後の穏やかさを感じます
最後の第4楽章は変奏曲ですが、彼の弦楽四重奏曲で最後の楽章に変奏曲が置かれているのはこの第10番だけです
この曲に限らず、ベートーヴェンの「変奏曲」は素晴らしいと思います
休憩後の1曲目は「第13番 変ロ長調作品130」です。ロシアのガリツィン公爵からの依頼により1825年に作曲した3曲(第12番、第15番、第13番=出版順)の最後の曲です 私はこの曲が大好きなのですが、大きな特徴は全6楽章から成ること、そして、当初第6楽章に置かれた巨大なフーガが あまりにも難解であるという理由で、「大フーガ」として単独の曲として出版されたこと、その代わりに、新たに作曲された明快な曲想のアレグロが第6楽章に置かれたことです
6つの楽章と言いますが、第2曲「プレスト」と第4曲「アラ・ダンツァ・テデスカ」は極めて短く、「間奏曲」的な位置づけにあると思われます。このうち第4曲は優雅なドイツ舞曲風の曲想で好きです
この曲の聴きどころは、何といっても第5楽章「カヴァティーナ」でしょう ベートーヴェン自身が「自作の中で、これほど自分を感動させた作品はない」と語ったと言われる曲です
「カヴァティーナ」というのは「歌謡的な短いアリア」のことを意味しますが、この音楽はベートーヴェンの神への感謝の音楽です。宗教的な崇高ささえ感じさせます
エクセルシオの演奏の何と素晴らしいことか 私は毎年この曲を生演奏で聴いていますが、今回のエクの「カヴァティーナ」が今までで最高でした
その次に来るのが第6楽章「フィナーレ:アレグロ」です。難解な「大フーガ」に代えてベートーヴェンが作曲した、明るく軽快な音楽です 私は「大フーガ」もいいけれど、ベートーヴェンの生涯最後の完成作となった新たな第6楽章も素晴らしいと思います
好みで言えば、私はこちらの方が好きです。彼の「七重奏曲」の最終楽章に通じる爽快さがあります
同じメロディーが何度も繰り返されますが、シューベルトの曲を聴くときのように”しつこいなあ”という感じは全くありません
微妙に変化しているからでしょう。むしろもっと聴きたいとさえ思います。これがベートーヴェンの素晴らしいところです
最後の曲は”難解”と言われて第13番から はじかれた「大フーガ 変ロ長調」です 聴けば分かりますが、なるほど「難解」です
4つの弦楽器がそれぞれ自己主張を繰り返しているように感じます
あの崇高な「カヴァティーナ」の後で、なぜベートーヴェンはシリアスな「大フーガ」を持ってきたのでしょう? それはベートーヴェンにしか分かりませんが、彼は時代を先取りし過ぎたのかも知れません
聴いていて思ったのは、”深刻”で”難解”な曲ではあるけれど、この曲は「短調」ではなく「長調」の曲だったのだ、ということです 私には”深刻な”曲=短調の曲というイメージが出来上がっているので、意外に感じました
この日のエクセルシオの演奏は、第10番”ハープ”、第13番を中心に強く印象の残る演奏で、今年のマイ・ベスト10に入りそうな予感がします