23日(木)。昨日の朝刊各紙を見て、ちょっと驚きました それは、新国立劇場の2018年9月からの芸術監督(オペラ部門)に大野和士氏が選出されたという記事でした。大野氏は現在、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者、スペイン・バルセロナ交響楽団と東京都交響楽団の音楽監督を兼任しています
2年後に現在の3つの指揮者のうちどれかを辞任して新国立劇場の芸術監督を務めるのか、どれも辞めないで4つ掛け持ちするのか、記事だけでは分かりません
「オペラ」という括りで世界的にも通用する日本人の指揮者ということで言えば、大野氏は最適任者だと言えるでしょう
それにしても多忙を極めることになりそうです
ということで、わが家に来てから634日目を迎え、この日も仲間たちと戯れるモコタロです
英国の投票はどうなるんだろう? ご主人の一番の関心事だよ
閑話休題
チケットを3枚買いました 1枚目は10月30日(日)午後2時から晴海の第一生命ホールで開かれる「トリトン 晴れた海のオーケストラ 第2回演奏会」です
オール・モーツアルト・プログラムで①交響曲第35番ニ長調”ハフナー”K.385、②クラリネット協奏曲イ長調K.622、③交響曲第41番ハ長調”ジュピター”K.551です。②のクラリネット独奏はポール・メイエ、指揮者なしでコンマスを都響の矢部達哉が務めます
演奏は在京オケの主要メンバーが中心です
2枚目と3枚目は「第一生命ホール 15周年記念ガラ・コンサート~モーツアルト第1回」と「同・モーツアルト第2回 バボラーク ホルンの室内楽」です 第1回は11月20日(日)午後2時から第一生命ホールで開かれますが、プログラムはモーツアルトの①ピアノ・ソナタK.545、②弦楽四重奏曲K.465から第1・第4楽章ほかで、仲道郁代(P)、佐久間由美子(Fl)、吉野直子(Hp)、矢部達哉(Vn)、川本嘉子(Va) 、横坂源(Vc)、ウェールズ弦楽四重奏団ほかが出演します
第2回は11月26日(土)午後2時から第一生命ホールで開かれますが、プログラムはモーツアルトの①ホルン五重奏曲K.407、②ホルン協奏曲第2番、③同・第3番、④同・4番、⑤ロンドK.514、⑥アレグロK.412です 出演は、ホルンのラデク・バボラークのほか、ヴァイオリン=ダリボル・カルヴァイ、マルティナ・バチョヴァー、ヴィオラ=カレル・ウンターミューラー、チェロ=ハナ・バボラコヴァ、コントラバス=シュテパン・クラトホヴィル(いずれもチェコの演奏家らしい)です
ちなみにS席を単券で買うと2枚で11,000円ですが、セットで買うと10,000円です。ネットで予約を入れる際にはこれを利用しました
も一度、閑話休題
昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」で「ENJOY!ディスカバリーナイト」コンサートを聴きました プログラムは①ヴィヴァルディ「ギター協奏曲ニ長調」、②パガニーニ「15の四重奏曲」から第6番ニ短調、③パガニーニ「協奏的ソナタ イ長調」、④ジュリアーニ「ギター五重奏曲ハ長調」です
出演は、ギター=大萩康司、ヴァイオリン=原田陽、堀内由紀、ヴィオラ=廣海史帆、チェロ=新倉瞳です
自席はC2列12番。前日に続いてかなり前方の席です
1曲目のヴィヴァルディ「ギター協奏曲ニ長調RV93」は、もともとリュートと2つのヴァイオリンと通奏低音(チェンバロ等)という編成で書かれたもので、ソロのパートはリュートのほか、ギターやマンドリンで演奏されることもあるとのことです 3つの楽章から成りますが、「急・緩・急」というイタリア風協奏曲になっています
マンドリンということで言えば、ヴィヴァルディの「マンドリン協奏曲」は、ダスティン・ホフマン+メリル・ストリープの主演で一世を風靡した「クレイマー・クレイマー」のテーマ音楽に使われていたのを思い出します
演奏はヴァイオリン=原田陽、堀内由紀、チェロ=新倉瞳、ギター=大萩康司ですが、原田氏と堀内さんはどこかで見たことがあると思ったら、ともに古楽器演奏集団=バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーでした したがって、彼らが使用しているヴァイオリンからは古楽器特有の柔らかい音が醸し出されます
チェロの新倉瞳さんの楽器をよく見ると、楽器にエンドピンが付いていません
これも古楽器で、チェロを又に挟んで演奏します。彼女の努力の成果が現れます(努力の『努』を分解してみて
)。曲はいかにもヴィヴァルディのコンチェルトといった感じの明るく軽快な曲想です
演奏後、ギターの大萩氏がマイクを持って挨拶をします
「皆さん、今日は ようこそお出でくださいました。われわれが持っている楽器の弦の色がいつもと違うのにお気づきの方もいらっしゃると思います 通常はナイロン、スティールの弦を使用していますが、今われわれが使用している楽器はガット弦という、羊の腸をねじって作った弦を使用しています
この「ブルーローズ」のような小ホールで演奏するのに相応しいと思います
次のパガニーニの曲は各楽器の聴かせどころがあるので、ぜひ聴き逃さないようにしていただきたいと思います
」
そして、パガニーニ「15の四重奏曲」から「第6番ニ短調」の演奏に入ります この曲は、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストのパガニーニが興味を持っていたギターとヴァイオリン等の弦楽器のために書いた4楽章形式の室内楽曲です
演奏はヴァイオリン=原田陽、廣海史帆(この人もバッハ・コレギウム・ジャパンで演奏している)、チェロ=新倉瞳、ギター=大萩康司です
第1楽章「アレグロ」を全員で軽快に演奏し、第2楽章はギターはお休みです 次の第3楽章のためにチューニングが始まったかと思ったら、ギターの弦がプツンと切れる音がしました
大萩氏がマイクを持って
「すいません。弦が切れました 前の楽章ではまったく弾いていないのに切れてしまいましたが、ガット弦では よくあることです
ちょっと失礼して弦を張り直してきますので、しばらくお待ちください
」
と言ってギターを持って舞台袖に消えました。弦楽器の3人も一旦舞台袖に引っ込みましたが、再び登場、第1ヴァイオリンの原田氏が大萩氏の椅子に腰かけて
「どうも、大萩さんに代わってギターを弾くことになりました(会場)。弦が切れた場合、オーケストラだと 後ろの奏者の楽器と弦が切れた楽器を交換して、何事もなかったかのように演奏を続けることが出来ますが、こういう4人しかいない場合はどうしようもないのです
ところで、今演奏した第2楽章「モデラート」は3人の奏者がまったく同じメロディーを弾いていました、少しずつずらして
これを”カノン”と言いますが、バッハの曲で有名ですね。それをパガニーニが採用していたのを知って、パガニーニもちゃんと勉強していたんだな、と新鮮な驚きを感じました
」
と時間を稼いでいるところに、弦を張り直した大萩氏が戻り
「代える弦をオリーブ油に漬けてきました。これが切れたらもうお終いです」
と解説して第3楽章に移りました。その後、第4楽章に移るときもチューニングをするので、聴いているわれわれは、あまり強く張ってまた弦が切れないだろうか、と心配していました 幸い何とか無事に演奏が終わりました
休憩後の1曲目はパガニーニの「協奏的ソナタ イ長調」です この曲は1803~04年に作曲された3楽章から成る作品ですが、当時22歳だったパガニーニがパトロンの奥さまに献呈した作品です
演奏はヴァイオリン=原田陽、ギター=大萩康司です
この曲は2人の奏者が対等に演奏する曲で、メロディーを弾いていたと思ったら、今度は伴奏に回り、といった具合に主役が変わっていきます。明るく軽快な曲でした
ここで、5人全員が揃ったところで大萩氏がマイクを持ちます
「先ほど、弦が切れたのは、パガニーニがどこかにいたのではないか、と思います やっと5人が揃ったのでメンバーを紹介したいと思います。ヴァイオリンの原田氏は15年ほど前に共演したことがありますが、他のメンバーは初共演なので名前をまだよく覚えていません
」
と言い訳をして、一人一人紹介していきました そして、最後の曲、ジュリアーニ「ギター五重奏曲ハ長調」について
「この曲は、元々パイジェルロの歌劇『水車小屋の娘』のアリアをテーマとして作曲したものです」
と解説し、演奏に入りました
ジュリアー二はパガニーニの前年にナポリ王国(イタリア)で生まれ、ギタリスト兼チェリストとして活躍しました この曲はギターと弦楽四重奏のために1812年ごろ作曲されました
この曲もナポリ生まれの作曲家に相応しい明るく軽快な曲です
5人はアンコールにボッケリー二「ギター五重奏曲第4番 ファンタンゴ」から第4楽章を軽快に演奏しましたが、途中、チェロの新倉瞳が楽器を下に置いたかと思ったら、カスタネットを持って演奏を始めました そのリズム感の素晴らしいこと
カスタネットに転向したら
と思いましたが、カスタネットでは食べていけませんね
ギターはとりわけ好きな楽器という訳でもないし、この日のコンサートは、正直言ってあまり期待していませんでした しかし、実際に聴いてみると演奏が素晴らしく、十二分に楽しむことができました