人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ENJOY!ウィークエンド 未来編」を聴く/クァルテット・エクセルシオのチケットを3枚発注する

2016年06月11日 07時54分45秒 | 日記

11日(土)。わが家に来てから622日目を迎え、枠に収まらないほど大物になったモコタロです

 

          

            大物になったんじゃないよ! カメラ引いてよ 後ろに

 

 

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「鶏もも肉のほったらかし焼き」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました。あとは「男前豆腐の食べるラー油乗せ」です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

常設の弦楽四重奏団、クァルテット・エクセルシオのコンサート・チケットを3枚発注しました

 

          

 

1枚目は10月25日(火)午後7時からサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる「弦楽四重奏の旅#4」です プログラムは①ヴォルフ「イタリアン・セレナーデ」、②プッチーニ「弦楽四重奏曲嬰ハ短調”菊”」、③ヴェルディ「弦楽四重奏曲ホ短調」、④シューマン「弦楽四重奏曲第3番イ長調」です これは珍しい選曲ですね

2枚目は11月27日(日)午後2時から東京文化会館小ホールで開かれる「第31回東京定期演奏会」です プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第81番ト長調」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調”セリオーソ”」、③メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第5番変ホ長調」です これはメンデルスゾーン狙いですが、組み合わせが抜群ですね

3枚目は来年2月5日(日)午後2時から東京オペラシティ・近江楽堂で開かれる「ラボ・エクセルシオ 新章Ⅴ」です プログラムは①アデス「アルカディアナ作品12」、②西村朗「弦楽四重奏曲第5番”シェーシャ”」、③バルトーク「弦楽四重奏曲第5番」です 聴くか止めようか迷いましたが、バルトークがあるので聴くことにしました

 

          

 

発売元のミリオンコンサート協会では、単券で3枚買うと11,000円かかるところを3枚セットで8,000円としています。これは格安です

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」でサントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデンの「ENJOY! ウィークエンド未来編 ヨン・シュー・トー音楽院×サントリーホール室内楽アカデミー~レインボウ21:アンサンブルでつながるアジア~」を聴きました 今年が日本とシンガポールの外交関係樹立50周年に当たることから、シンガポールの「ヨン・シュー・ト-音楽院」と「サントリーホール室内楽アカデミー」の学生とで合同のコンサートを行うことになったものです 5月には日本から選抜メンバーがシンガポールに渡り、ヨン・シュー・トー音楽院の学生たちと練習を積み重ねて現地でコンサートを開き、今回の日本での公演に漕ぎ着けたとのことです

「ブルーローズ」の入口でプログラムと共に「ドリンクチケット」をいただきました チェンバーミュージック・ガーデンの期間中であれば、ホワイエのドリンク・コーナーで好きなドリンクが飲めるというチケットです この日のコンサートは3時間で指定席2,000円です。その上ドリンク券がついているのですから超お得です 最低でもコーヒーは400円で、ワイン(600円?)も飲めるのです これから何回も聴きに行くので後の楽しみに取っておくことにします

 

          

 

さて、プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調”街の歌”」、②武満徹「カトレーンⅡ」、③武満徹「ソン・カリグラフィⅠ・Ⅱ・Ⅲ」、④ドヴォルザーク「弦楽五重奏曲第2番ト長調」、⑤ショーソン「ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調」です 演奏するのはシンガポールのヨン・シュー・トー音楽院の選抜メンバーと、サントリーホール室内楽アカデミー選抜フェローです

 

           

 

1曲目はベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調”街の歌”」です この曲は、クラリネット、チェロ、ピアノという変わった組み合わせの楽器のために書かれています。「街の歌」という愛称は、第3楽章の変奏曲に、この曲が作曲された1797年当時 流行っていた ヨーゼフ・ヴァィクルのオペラ「海賊」の中の三重唱「わたしが約束する前に」の一節が用いられていることから付けられたものです

3人のメンバーが登場します。演奏はクラリネット=シンガポール出身のミャオ・カイウェン、チェロ=丹羽あいり、ピアノ=稲生亜沙紀です 第1楽章はピアノが雄弁に語ります。第2楽章はチェロがおおらかに歌います。第3楽章は楽しい変奏曲です。ベートーヴェン27歳の時の作品ですが、こういう明るい曲はいいですね

2曲目は武満徹「カトレーンⅡ」です この曲もヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ピアノという珍しい組み合わせによる曲です アメリカのタッシ弦楽四重奏団のために書かれました。「カトレーン」というのは「4行」と言う意味ですが、私には4人で演奏する以外の4は見い出すことが出来ませんでした 私の場合は四球でフォアボール、ハナから勝負させてもらえないといったところでしょうか 演奏は、ヴァイオリン=オレクサンダー・コニエフ、チェロ=丹羽あいり、クラリネット=ミャオ・カイウェン、ピアノ=稲生亜沙紀でした

1回目の15分休憩を挟んで、武満徹「ソン・カリグラフィⅠ・Ⅱ・Ⅲ」が演奏されます いずれも2組の弦楽四重奏が左右に向かい合わせに配置されます。左サイドに日本のレスパス弦楽四重奏団の4人(ヴァイオリン=鍵富弦太郎、小形響、ヴィオラ=福井萌、チェロ=湯原拓哉)が、右サイドにシンガポールの音楽院メンバーの4人(ヴァイオリン=オーレスト・スモッシュ、マーティン・ぺー、ヴィオラ=ホー・チェン・ホェイ、チェロ=クリストファー・ムイ)がスタンバイします

演奏に先立って、マーティン・ぺー君が、カンペを見ながら拙い日本語で挨拶します

「ぼくはマーティン・ぺーです。ぼくは、豚骨ラーメンがマジで大好きです」と挨拶し、会場を笑いの渦に巻き込みました その後は英語でマジな話をしましたが、それを受けて小形響が「私たちには何を言っていたか分からないので、一応日本語に通訳します」と言って カンペを見ながら日本語訳を紹介しました

この曲を聴いてみて思ったのは、同じ武満徹の音楽でも「カトレーン」よりも数段 分かり易い曲想だということです ひと言で言い表せば「音による幽玄の世界」です。福井萌のヴィオラから入りましたが、この演奏は良かったと思います

次はドヴォルザーク「弦楽五重奏曲第2番」です この曲は弦楽四重奏にコントラバスを加えた五重奏によって演奏されます。1875年(ドヴォルザーク34歳の時)に作曲されました

演奏に先立って、ヴァイオリンの小川響子が挨拶しました

「われわれ日本人4人に、中国生まれのチャンさんがコントラバスで加わってドヴォルザークの五重奏曲を演奏します チャンさんは本当に親切で、われわれがシンガポールに行った時 あちこち案内してくれました 彼の第一印象は、メガネです。大阪の『食い倒れ人形』みたいだと思いました(ここで会場、大受け ご本人は何でみんな笑ってるの?という顔)。これは英語に通訳しないで内緒にします 日本に来てから、昨日 浅草に案内しました。メンバーの都合で私とチャンさんの2人だけで行きましたが、これってデートだったのかな?と思います(それ、間違いなくデートです この幸せ者が)。これも内緒にしたいと思います」(おいおい、ほかのメンバーがそばにいるぜよ

小川響子さんの演奏はこれまで何度か生で聴きましたが、気の強そうな冷たい印象がありました しかし、この挨拶で彼女に対する印象がガラリと変わりました。もちろん良い方向へです

気分を戻して。この曲は4つの楽章から成りますが、第1楽章冒頭から「ドヴォルザーク・ワールド」全開です 民族色豊かで親しみ易いメロディーはドヴォルザーク独特の世界です 演奏はカルテット・アルパ(ヴァイオリン=戸原直、小川響子、ヴィオラ=古賀郁音、チェロ=伊藤裕)と コントラバス=チャン・ジェンザですが、第1ヴァイオリンの戸原を中心に素晴らしいアンサンブルでした。若手のクァルテットの中でもレヴェルが高い方ではないかと思います

 

          

 

ここで、2回目の15分休憩に入ります。ロビーに出ると、昨年サントリーホール「バックステージ・ツアー」でお世話になったアテンダントのMさんの姿が見えたので挨拶をしました Mさんはとても美しい声で分かり易くホールの裏側の世界を案内してくれました

tora 「昨年4月16日にバックステージ・ツアーで大変お世話になりました。その節はありがとうございました

Mさん「昨年の4月ですか。もう1年以上・・・・ずいぶん前になりますね。私のこと覚えていて下さったのですね。ありがとうございます

tora 「東響と読響のサントリーシリーズ会員になっているので最低でも月に2回はこのホールに来ていますが、滅多にMさんの姿をお見掛けしないので ご挨拶できませんでした

Mさん「そうですか。新しい人も何人か入ってきたりしていますから、出番が少なくなっているせいかもしれませんね ところでミュージック・ガーデンは中々チケットが取れないとおっしゃるお客様が多いようですが、何回か来られるのですか?」

tora「ほとんど毎日のようにブルーローズに通います この公演のチケットは先行発売日の午前10時にネットでアクセスして、最初に取りにくそうなコンサートから予約を入れます 今回であればベートーヴェン・サイクルを最初に押さえ、次にオープニング・コンサートを押さえました。いずれも最初は『座席を指定』して予約を入れますが、アクセスが集中して繋がらない時は『座席を指定しない』に切り替えて取ります そうしないと、次に予約する公演に移れないからです

Mさん「そうなんですか。大変ですね。初めて聞きました

tora「この公演は『早割』制度があったりして良心的だと思います。数多く聴く側からは有難いです

Mさん「そうでしたか」(時計を見る)「それでは、また のちほど。引き続きお楽しみください

tora「ありがとうございます

15分はあまりにも短いですね 最後の曲は、ショーソン「ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調」です この曲を聴くのはこれが3回目で、会場は同じブルーローズです。この曲は実質的なピアノとヴァイオリンのダブル・コンチェルトです。全4楽章から成りますが、最初に登場した主題が後にも登場して曲全体に統一感を与える『循環形式』を取ります 演奏はピアノだけ日本人の秋元孝介で、あとの5人はシンガポール側の音楽院のメンバー(ヴァイオリン=オレクサンダー・コニエフ、オーレスト・スモッシュ、マーティン・ぺー、ヴィオラ=ホー・チェン・ホェイ、チェロ=クリストファー・ムイ)です。ヴァイオリンの独奏はウクライナ生まれのオレクサンダー・コニエフが務め、弦楽四重奏のコンンスは やはりウクライナ生まれのオーレスト・スモッシュが務めます

演奏に先立って、秋元孝介が挨拶します

「5月に現地に行って練習、リハーサルを積み重ねてきましたが、英語もろくにできない日本人が本当に一人でやっていけるかと本当に心配でしたが、みんな暖かく迎えてくれて本当にありがたかったです

と”本当”を何度も繰り返して、現地での不安感を思い起こしていました 本当に上がっていたのでしょうね

第1楽章はピアノによる3つの和音(これが主題となる)を強打し、抒情的な音楽に入っていきます 聴きながら、さすがは『詩曲』の作曲家による作品だな、と思いました 第2楽章はシチリアーノ、どこか懐かしい音楽です 第3楽章は一転 沈鬱な曲想です そして迎える第4楽章は再度、抒情的な音楽がドラマテックに展開します

ピアノの秋元孝介とシンガポール側5人のメンバーの熱い思いが伝わってきました 曲自体が素晴らしい作品で、演奏が良いので言う事なしです。会場からはひと際大きな拍手が6人のメンバーに送られました

 

          

 

帰り際にMさんに声を掛けました

tora「良いコンサートでした

Mさん「ショーソンの演奏、良かったですね。ピアノの彼は頑張ってましたね

tora「張り切ってましたね。曲自体が良いと思います CD買おうかなって思いました

Mさん「そうですか。また いらっしゃるんでしょう?」

tora「次は2日後ですが、来週はほぼ毎日来ます

Mさん「また お会いできると思います

tora「そうですね。ありがとうございました

開演:午後2時30分、終了:午後5時30分のロングラン・コンサートでした。次のブルーローズ公演で「ドリンクチケット」を使おうと思います

 

          

コメント (2)
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