人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バルトーク「弦楽四重奏曲第5番」,西村朗「弦楽四重奏曲第5番」他を聴く~クァルテット・エクセルシオ「ラボ・エクセルシオ」

2017年02月06日 07時55分25秒 | 日記

6日(月).わが家に来てから今日で860日目を迎え,トランプ米大統領が現行の金融規制を見直す大統領令に署名したという記事を見て感想を述べるモコタロです

 

        

             トランプが本当に署名したかったのはこの命令だったんだ!トランプの正体見たり!

 

  閑話休題  

 

昨日,東京オペラシティ近江楽堂でクァルテット・エクセルシオの「ラボ・エクセルシオ」コンサートを聴きました  プログラムは①アデス「アルカディアーナ」,②西村朗「弦楽四重奏曲第5番”シェーシャ”」,③バルトーク「弦楽四重奏曲第5番」です

 

        

 

会場の近江楽堂は東京オペラシティの3階,コンサートホールと同じ階にありますが,私がこの会場に入るのは初めてです 内部は思ったよりも狭く せいぜい60人位入れば満席です.天井がドーム型になっていて,なぜかマリア像のような物体が片隅に立っていました 全自由席です.前から5列目の右通路側を辛うじて押さえましたが,5列目はステージからかなり遠い印象です

開演にあたりプレトークがありました 2曲目に演奏される作品の作曲者・西村朗氏とエクの第1ヴァイオリン西野ゆかさんがゲストとなりインタビューに答えました 西村氏は特に自作について解説しましたが,最後に「やっぱりそうか」と思う発言をしました.それは

「現代音楽はある意味 病気なんですよ 今日は皆さんに病気になって帰っていただこうと思います

というものです.現代音楽の作曲者が自らこう言っているのですから間違いないでしょう これで正々堂々と現代音楽を避けられると確信が持てました

さて本番です.1曲目はアデスの「弦楽四重奏曲のための『アルカディア―ナ』」です アデスは1971年 イギリス生まれの作曲家です.この曲は①ヴェネツィアの夜,②なんと素晴らしい聖なる響き,③水の上にて歌えり,④そして・・・(死神のタンゴ),⑤乗船,⑥アルヴィオン,⑦忘却の7楽章から成ります 全曲通して聴いた限り,不協和音のオンパレードでどこがいいのかさっぱり分かりませんでした

2曲目は西村朗の「弦楽四重奏曲第5番『シェーシャ』」です この作品はアルデッティ弦楽四重奏団のリーダー,アーヴィン・アルディッティ氏の60歳の誕生日を祝して2013年に作曲され,同氏に献呈された曲です アルデッティ氏は干支でいう「蛇年」なので,蛇に因んだテーマを選び,①シェーシャ(多頭大蛇)の目覚め,②サムドラ・マンタン,③アムリタ(聖水)の3楽章から成る曲として作曲したものです はっきり言って「おどろおどろしい」音楽でした

 

        

 

休憩後はバルトーク「弦楽四重奏曲第5番」です この日のコンサートはこの曲を聴くために来たようなものです アルバン・ベルク・クァルテットのCDで予習しておきました

 

        

 

プレトークで西村氏が語っていたように,弦楽四重奏曲というジャンルで,バルトークの作品群(全6曲)はベートーヴェン以降の中で非常に大きな比重を占めており,作曲者にとっては目の前に立ちはだかる大きな壁とのことです 変わっているのは5つの楽章から成ることです.この曲はアメリカのエリザベス・クーリッジ財団からの作曲依頼を受け,1934年8月6日から9月6日までの わずか1か月の間に作曲されました

1932年にドイツでは総選挙でナチスが第1党になり,翌年にはヒトラーが組閣を始めています そこから近隣諸国へのナチズムの嵐が吹きまくっていきました.この曲を聴いていると,そうした世界情勢が反映しているのではないか,と思われる箇所がそこかしこに聴こえるように思います 聴いていて,よくわからなかったのは最後の第5楽章の終盤で,それまでの激しい曲想から,急に古き良き時代のワルツのような穏やかなメロディーに変わり,それが続くかと思いきや再び激しい音楽に戻り終結を迎えたことです あのワルツのようなメロディーにはどんな意味があったのだろうか

 

        

コメント (2)
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