人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ミヒャエル・バルケ+シャルル・リシャール・アムラン+読売日響でショパン「ピアノ協奏曲第2番」他を聴く / 東京春祭ガラコンサートのチケットを買う

2017年02月25日 09時02分39秒 | 日記

25日(土).わが家に来てから今日で879日目を迎え,トランプ米大統領が 米国の核戦力増強に積極的な姿勢を示した というニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

       

          自ら「核戦力増強」を主張して 北朝鮮の核開発はけしからんというのは矛盾しない?

 

  閑話休題  

 

昨日,4月16日(日)午後3時から東京文化会館大ホールで開かれる「東京・春・音楽祭2017」のフィナーレを飾る「スペシャル・ガラ・コンサート」のチケット(B席・1階左サイド)を購入しました

今 売り出し中の女性指揮者,イタリア出身のスペランツァ・スカップッチが指揮をし,モーツアルト,ヴェルディ,プッチーニなどのオペラのアリアをクリスティナ・パサローユ(ソプラノ),イヴァン・マグリ(テノール),アドリアン・ザンぺトレアン(バス)が歌います  私の好きなベッリーニ「ノルマ」序曲も演奏されます

 

       

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,池袋の東京芸術劇場で読売日本交響楽団のコンサートを聴きました これは「2017都民芸術フェスティバル」参加公演です.プログラムは①ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲,②ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」,③シューマン「交響曲第1番変ロ長調”春”」です ②のピアノ独奏はシャルル・リシャール・アムラン,指揮はミヒャエル・バルケです バルケはドイツ出身の指揮者で,シンシナティ音楽院で指揮とピアノを学び,マグデブルグ歌劇場2011年~16年シーズンの首席指揮者を務めました

 

       

 

自席は2階L列8番,左サイド左から3つ目です.会場はほぼ満席です ステージが暗い中,楽員が登場し配置に着きます

演奏に先立って,21日に死去した読響桂冠名誉指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ氏への哀悼を込めて,弦楽奏者によってJ.S.バッハの「アリア」が厳かに演奏されました 言うまでもなく拍手はありません

オケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります ドイツ系の指揮者はこの編成をとることが多いようです.コンマスは長原幸太.チェロの首席には客員の上森祥平がスタンバイしています

背丈のある指揮者ミヒャエル・バルケが登場し1曲目のウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲に入ります このオペラはドイツ・ロマン派オペラの端緒となる記念碑的な作品で,後のワーグナーにも多大な影響を与えました 

この曲は何と言ってもホルンが魅力です.日橋辰朗率いるホルン・セクションの演奏が冴えわたります ドイツの指揮者によるドイツの作曲家の曲ということで,名刺代わりとでも言うべき演奏です

グランド・ピアノがセンターに運ばれ,2曲目のショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」の演奏に備えます 多くのピアニストがスタインウェイを使用するのに,アムランはヤマハCFXを使用します.ちひろさんのコメントによると,広島でもこの曲を弾いたようですが,どこのメーカーのを弾いたのでしょうか?

さて,この曲は1829年に作曲に着手し翌30年3月に作曲者自身の独奏で初演しています 1930年に作曲されたホ短調が第1番となっていますが,これは楽譜の出版順で,実際に作曲した順にいうと第2番ヘ短調の方が先に完成しました 第1楽章「マエストーソ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3つの楽章から成ります

ピアノ独奏のシャルル・リシャール・アムランが,指揮者とともに登場しピアノに対峙します アムランはカナダ出身で,2015年のショパン国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞しています カナダ出身のピアニストと言えば,古くはグレン・グールドが,最近ではアンジェラ・ヒューイットがいます 期待が高まります

バルケの指揮で第1楽章が開始されます.速めのテンポによる引き締まった演奏です アムランの独奏ピアノが入りますが,バルケのタクトに同調した引き締まった緊張感に満ちた演奏です アムランの演奏の特徴を一番よく表していたのは第2楽章「ラルゲット」でしょう.ショパン独特のノクターンのようなロマンティックな旋律を詩情豊かに紡いでいきます.一音一音の粒立ちが綺麗です 第3楽章は一転,マズルカのようなリズムが鮮やかです

会場いっぱいの拍手に,アムランはJ.Sバッハの「アリオーソ」を演奏し,聴衆のクールダウンをはかりました

 

       

 

休憩後は,シューマンの「交響曲第1番変ロ長調」です シューマンは,ピアノの師フリードリヒ・ヴィークの娘クララとの結婚を反対され,裁判での判決をもって1840年9月にやっと結婚に漕ぎつけたことは有名ですが,この曲は,その翌年の1841年に完成し その年の3月にメンデルスゾーンの指揮で初演されました  第1楽章「アンダンテ・ウン・ポコ・マエストーソ ー アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」,第4楽章「アレグロ・アニマート・エ・グラチオーソ」の4つの楽章から成ります

シューマンは1841年1月に友人の詩人アドルフ・ベットガ-の「谷間には春が咲き誇る」という詩に啓発され,わずか4日間でこの交響曲をスケッチしたと言われたことから,この曲は「春」というニックネームが付いています 当初シューマンは第1楽章に「春のはじめ」,第2楽章に「たそがれ」,第3楽章に「楽しい遊び」,第4楽章に「春たけなわ」というタイトルを付けましたが,最終的には削除しています.先入観なしで聴いて欲しかったのでしょう

バルケは楽章間の間を空けず,まるで1つの交響詩のように演奏しました 春の始まりを告げるファンファーレで幕を開け,夕暮れ時には物思いにふけり,外遊びで楽しく過ごし,生命力あふれる春を満喫する・・・・そうした物語を描いているかのような清々しい演奏でした

バルケ+読響はアンコールにブラームスの「ハンガリー舞曲第1番」を演奏,会場いっぱいの拍手の中,コンサートを締めくくりました

コメント (2)
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