18日(土).わが家に来てから今日で872日目を迎え,韓国の朴大統領を巡る疑惑で,サムスン電子副会長が贈賄や横領の疑いで逮捕された というニュースを見て感想を述べるモコタロです
逮捕された 韓国を代表する大手企業のナンバーツーの行き先は 監獄?
閑話休題
昨日 東京では春一番が吹き暖かい一日でした いつものように池袋まで散歩したのですが,途中の上池袋1丁目にある神社では 桜が満開でした
今頃咲くのは寒桜か河津桜ですが,これは河津桜です もうすぐ春ですね
昨日 池袋の喫茶店で新聞を読みながら聴いたのは,夜 N響定期で聴くショスタコーヴィチ「交響曲第10番」です 演奏はエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによるCD(1976年のライブ録音)です
最後の,閑話休題
昨夕,NHKホールでNHK交響楽団第1857回定期演奏会を聴きました プログラムは①シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」,②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」で,①のヴァイオリン独奏は諏訪内晶子,指揮はパーヴォ・ヤルヴィです
指揮者がパーヴォ・ヤルヴィだからでしょうか,広いNHKホールがほぼ満席状態です
楽員が登場し配置に着きます.弦は左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります コンマスはマロこと篠崎史紀,隣はもう一人のコンマス伊藤亮太郎です.すぐ隣のチェロは藤森亮一,向山佳絵子夫婦がそろって首席の位置にスタンバイします
こういう配置,私は初めて見ました.これだけ見ても,ヤルヴィが指揮する時は万全の態勢をとっていることが窺えます
1曲目はシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」です この曲は1903年から着手され翌04年2月8日にヴィクトル・ノヴァチェクのヴァイオリン独奏,シベリウス指揮ヘルシンキ・フィルの演奏によって初演されましたが,独奏者の力量不足で失敗に終わりました
その後,シベリウスは改訂稿を作曲し,1905年10月19日に,カレル・ハリールのヴァイオリン独奏,リヒャルト・シュトラウス指揮ベルリン・フィルによって演奏されました
第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アダージョ・ディ・モルト」,第3楽章「アレグロ,マ・ノン・タント」の3つの楽章から成ります
諏訪内晶子がローズ・レッド&ブラックのエレガントでシックな衣装で登場します ヤルヴィのタクトで第1楽章が開始されます.弦による霧のようなトレモロの中を独奏ヴァイオリンが入ってきます
北欧の引き締まった空気を感じる集中力に満ちた演奏です
中間部に長大なカデンツァがありますが,彼女はこの曲をCDに入れているだけあって自信に溢れた見事な演奏を展開しました
第2楽章はストラディヴァリウス”ドルフィン”による息の長い旋律が美しく響きます
ヤルヴィは第2楽章から間を置かず第3楽章に入ります.ティンパ二のリズムに導かれて独奏ヴァイオリンが軽快に入ってきます.この楽章はヴァイオリンの超絶技巧が聴かれ,圧倒的なフィナーレを迎えます
演奏が終わると 拍手とブラボーの嵐です.本当に素晴らしい演奏でした ヤルヴィ+N響とのコラボもピッタリでした
繰り返されるカーテンコールの後,諏訪内はバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」からラルゴを演奏し聴衆のクールダウンをはかりました
休憩時間にロビーに出ると男子トイレに長蛇の列が出来ていました ロビーを縦断するかの如くの長さです
その一方で女子トイレはまったく列がありません.列が続いている状態で後半開始のチャイムが鳴り始めました
これもヤルヴィ効果でしょうか.それにしても休憩時間が短いのか,トイレが足りないのか,何とかして欲しいものです
プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」です この曲は,独裁者スターリンの死去(1953年3月)の後,その年の夏から10月25日にかけて作曲されました.交響曲第9番の作曲から8年ぶりの交響曲です
最近の研究では,この曲は1940年代から構想され紆余曲折のを経て完成されたようです.第1楽章「モデラート」,第2楽章「アレグロ」,第3楽章「アレグレット」,第4楽章「アンダンテーアレグロ」の4つの楽章から成ります
オケが拡大しフルオーケストラの態勢をとります.再度ヤルヴィが登場し第1楽章に入ります チェロとコントラバスによる序奏部は暗く,暗黒の世界のようです
次いでクラリネットが第1主題を吹きますが,このクラリネットが良かった
第2楽章は怒涛のアレグロです 実質的にスケルツォで,暴力的と表現しても良いほど荒々しい音の暴走が描かれます
弦楽器も管楽器も打楽器も必死の形相でなりふり構わず演奏に集中しています
チェロの藤森亮一をはじめ弦楽器の何人かは,弓の繊維が切れて垂れ下がっています.それほど力が入っているのでしょう
第3楽章は,中間部でホルンが牧歌的なメロディーを吹きますが,これはショスタコーヴィチが当時想いを寄せていた女性エリミーラを音列に読み替えたものであることが手紙に記されています
ヤルヴィは第3楽章から第4楽章へは間を置かずに移行します.第1楽章の冒頭と同様暗い曲想で始まりますが,途中でおどけたフレーズのアレグロに転じます そして,行進曲風のパッセージとなり熱狂的なコーダを迎えます
この楽章も凄かった
ヤルヴィがオケを煽り立てるのです
オケは必死に応えます
N響から渾身の熱演を引き出したヤルヴィにカーテンコールが繰り返されます 全体を通してファゴット,クラリネット,フルートを中心に管楽器が冴えわたっていました
また,弦楽器もまれに見る熱演でした
こんなに凄い演奏は久しぶりに聴きました