人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ブラームス「クラリネット・ソナタ第1番」,モーツアルト「クラリネット五重奏曲」を聴く~第6回 芸劇ブランチコンサート/スクロヴァチェフスキ氏 逝く

2017年02月23日 08時30分38秒 | 日記

23日(木).月曜の午後,大学に行った息子が,昨日(今日?)の深夜 家に戻ってきました 3月初旬に北海道で学会があるので その準備に追われているようです.いつ帰ってくるか心配していました.それにしても,理科系の大学院は半端なく厳しいです

たった今気が付いたのですが,当ブログを開設してから今年2月15日で満6年が過ぎ,7年目に突入しました 今でこそ登録読者数は1120人を超えていますが,最初のうちは2~3人の低空飛行が長く続いていたことを懐かしく思い出します 月日の流れの速さを実感する今日この頃です

ということで,わが家に来てから今日で877日目を迎え,マレーシアの警察庁長官が 北朝鮮の金正男氏の殺害事件について「国外に逃亡した北朝鮮籍の容疑者がすでに平壌に到着しており,北朝鮮政府に捜査への協力と4人の容疑者の身柄引き渡しを要求した」と述べ「国外に逃げた4人とは別に,事件に関与した可能性がある人物が3人いると特定し,その中に北朝鮮大使館勤務の外交官が含まれる」と明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        今や世界中が監視カメラ時代だから どんなに否定しても証拠が残ってしまうんだよね

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「手羽元と大根,卵の煮もの」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 「手羽元~」は2回目なのであまり手間取ることなく出来ました

 

       

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日の朝日夕刊・社会面に「指揮者スクロヴァチェフスキ氏死去」のニュースが載っていました.記事によると「昨年11月と今年2月に脳梗塞を起こし,闘病を続けていたが21日に死去した」とのこと.私にとっては 奇しくも ちょうど1年前の1月21日の読響特別公演(東京芸術劇場)でのブルックナー「交響曲第8番ハ短調」の名演が最後になってしまいました その時の様子は翌22日のブログに書きましたが,読響の面々が「マエストロとの演奏も今回が最後になるかも知れない」と思っているかのように真剣な表情で演奏に取り組んでいたことを今でも思い出します 私は その演奏を2016年のマイベスト5に掲げています 今年5月の読響定期で聴くはずだったブルックナーの「交響曲第5番」はすでに代演が発表されており,これで,二度と彼のブルックナーが聴けないと思うと寂しいものがあります スクロヴァ翁のご冥福をお祈りします

 

  最後の,閑話休題  

 

昨日午前11時から池袋の東京芸術劇場で「第6回 芸劇ブランチコンサート クラリネットはお好き?」を,午後7時から同じ会場で大阪フィルハーモニー交響楽団第50回東京定期演奏会を聴きました 今日は「芸劇ブランチコンサート」について書きます

 

       

 

自席は2階C列30番,センターブロック右から3つ目です.会場はほぼ満席状態です

1曲目はブラームス「クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調」です ブラームス(1833-1897)は1894年に2つのクラリネット・ソナタを作曲しています.ブラームス61歳の晩年の傑作と言えます 第1楽章「アレグロ・アパッショナート」,第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ」,第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」,第4楽章「ヴィヴァーチェ」の4つの楽章からなります

クラリネットの伊藤圭(N響首席)とピアノの清水和音(1981年 ロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門優勝)が登場し,第1楽章に入ります

ピアノに導かれて奏でられるクラリネットの優しい音色を聴いた瞬間から,ブラームス晩年の肩の力が抜けた枯れた味わいがじわっと湧いてきます 第2楽章に入ると一層その味わいが深くなります.第3楽章からは明るい曲想になり,第4楽章では喜びさえ感じます

伊藤圭の演奏を聴いていてあらためて思ったのは,クラリネットという楽器は広い音域を持っていて音色も様々に変化するんだな,ということ,そして,ブラームスは楽器の特性を生かして作曲したのだな,ということです

 

       

 

演奏後,ナビゲーターの八潮圭子さんが清水和音氏にインタビューします

八潮:ブラームスもモーツアルトもクラリネットの曲を晩年に書いていますが,なぜ晩年なのでしょうか?

清水:ひと言でいうと「優しさ」の現れではないでしょうか

八潮:このブランチコンサートも今年度最後の回となりましたが,回を追うごとにお客様が増えているということで,今日も沢山のお客様にお出でいただきました

清水:とても嬉しいことです 主催者側の立場から言いますと,室内楽はどうしても聴衆の数を見込めず採算が取れないので難しいのです それと,午前のコンサートというのは,お客さんにとっては良いかも知れませんが,演奏する側からすると,どうしても夜型の人が多い(大抵のコンサートは夜だし)ので,リハーサルをする必要性からは,午前のコンサートはきついのですよ

八潮:ところで,次の曲では ヴィオラがいつものN響首席・佐々木亮さんではなく,今回は読響首席の鈴木康治さんですね.

清水:鈴木さんは演奏家仲間では人気者なんですよ 友人も沢山いるし

これを聞いて,「そうだろうな」と思いました.鈴木康浩氏は明るい性格のようで,読響定期の時も,室内楽の時も,実に楽しそうに演奏する姿が印象的です

 

       

 

2曲目はモーツアルト「クラリネット五重奏曲イ長調K.581」です この曲は1789年(モーツアルト33歳の時)に作曲されました.モーツアルトは,クラリネット協奏曲イ長調K.622を1791年(死の年)の秋に作曲していますが,この2曲はクラリネットのための作品の最高峰と言っても差し支えないでしょう 第1楽章「アレグロ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「メヌエット」,第4楽章「アレグレット・コン・ヴァリアツィオ―二」の4つの楽章から成ります

演奏はクラリネット=伊藤圭,ヴァイオリン=大江馨(第82回日本音楽コンクール第1位),藤江扶紀(第80回同コンクール第1位),ヴィオラ=鈴木康浩(読響首席),チェロ=富岡廉太郎(東京シティ・フィル客員首席)です

第1楽章では,弦楽の控えめな合奏に導かれてクラリネットの柔らかな音色が奏でられます 演奏を聴いていると,澄み切った青空を思い浮かべます.モーツアルトは何と優しいんだろか 第2楽章「ラルゲット」はこの曲の白眉でしょう.ノーブルな美しさを感じます.まるで天国の音楽のようです 伊藤圭のデリケートな演奏を,他のメンバーが弱音で支えます 第3楽章「メヌエット」を優雅に,そして第4楽章の変奏曲を軽快に演奏します

全体を通して,伊藤圭のクラリネットは さすがはN響首席といった見事な演奏でした 彼を支えた弦楽奏者たちも息がピッタリで,一人だけ突出することなく,常にクラリネットを盛り立てていました

モーツアルトの音楽を聴くたびに思うのは「生きていて良かった」ということです.この日の演奏は,そんな気持ちを新たにしてくれる素晴らしい演奏でした

 

       

コメント
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