人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでヴェルディ「ナブッコ」を観る~レヴァイン+ドミンゴの共演 / 読響アンサンブル・シリーズのチケットを手配する

2017年02月08日 07時58分40秒 | 日記

8日(水).わが家に来てから今日で862日目を迎え,使い終わった人工衛星やロケットなどの宇宙ゴミ対策が官民で進む という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

        

         宇宙ゴミよりもリビングや子供部屋のゴミを何とかすべきだと思いますです・・・ はい!

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とアボガドとタコのサラダ」を作りました 「クリームシチュー」のジャガイモとニンジンは皮付きのままです

 

       

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日は読響アンサンブル・シリーズの次年度シリーズの読響会員先行発売日だったので電話予約しました 新宿でオペラの映画を観ていて出遅れたので あまり良い席は取れませんでした 年4回シリーズのラインアップは下記の通りです

 

        

 

  またまた,閑話休題  

 

昨日,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,ヴェルディ「ナブッコ」を観ました これは今年1月7日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です.キャストは,ナブッコ=プラシド・ドミンゴ(バリトン),アビガイッレ=リュドミラ・モナスティルスカ(ソプラノ),フェネーナ=ジェイミー・バートン(メゾソプラノ),イズマエーレ=ラッセル・トーマス(テノール),ザッカーリア=ディミトリ・ベロセルスキー(バス),管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団,合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団,指揮=ジェイムズ・レヴァイン,演出=エライジャ・モシンスキーです

「ナブッコ」はヴェルディの3作目にして初めて成功したオペラで,旧約聖書に登場する「バビロン虜囚と呼ばれるエピソード(バビロニア国王ナブッコがイェルサレムを攻め,当地に住むヘブライ人をバビロンに連行した事件)に基づいています 囚われのべブライ人たちが故郷を偲んで歌う合唱「行け,我が想いよ,黄金の翼に乗って」は,イタリアの第二の国家にもなぞらえているほどの愛唱歌です

 

        

 

物語の舞台は紀元前6世紀のイェルサレム.暴君ナブッコに率いられたバビロニア軍が迫っていた ここでヘブライ人たちはナブッコの娘フェネ―ナを人質にしたが,彼女はイェルサレム王の甥イズマエーレと恋に落ちていた ナブッコのもう一人の娘アビガイッレもイズマエーレを愛していたが,拒まれたため復讐に燃える ナブッコが攻め入り,ヘブライ人が敬うソロモンの神殿を焼き払う(以上,第1幕)

アビガイッレは,自分がナブッコと正妻の間の娘ではなく,正妻と奴隷との間に生まれた子であるという事実が書かれた文書を読み,衝撃を受ける 一方,ナブッコはフェネーナがユダヤ教に改宗したことを知り激怒し,自分こそ神だと宣言するが,神の怒りに触れ稲妻に打たれて失神する そして,ナブッコへの怒りに燃えるアビガイッレに王冠を奪われる(以上,第2幕)

アビガイッレは錯乱したナブッコを言葉巧みに言いくるめ,フェネーナを含むヘブライ人たちの死刑宣告書に署名させる バビロニアに連行されたヘブライ人たちは故郷を懐かしむが,司祭長ザッカーリアはバビロニアの崩壊は近いと皆を励ます(以上,第3幕)

アビガイッレに幽閉されたナブッコは,フェネーナの処刑を知らせる葬送行進曲の調べを耳にして我に返り,自分が神だと思いあがっていたことに対しユダヤの神に許しを請う 部下たちが駆けつけ,ナブッコとフェネーナを救出する アビガイッレは毒を仰ぎ,ザッカーリアは信仰に目覚めたナブッコを讃える(以上,第4幕)

 

         

 

平日の昼間にも関わらず会場はかなりのお客さんが入っています.おそらくドミンゴ人気でしょう 私はいつものように左ブロック後方の右通路側席を押さえてあります

1975年から40年以上METの音楽監督を務めてきたジェームズ・レヴァインは現在METの名誉音楽監督です 世界的に活躍する歌手陣やオーケストラから絶大な信頼を得ています 意外にもMETが「ナブッコ」を上演するのはMETがリンカーンセンターへ移設されて50周年になる今年が初めてのことだといいます レヴァインは特設の指揮台サークルの上で車椅子に乗ったままタクトをとります METのオケはヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります

さっそく序曲の演奏に入ります このオペラに限らずヴェルディのオペラの序曲は劇的で好きです レヴァインはメリハリを付けて力強く演奏を進めます.ステージを見て安心します.いかにも古代の神殿といった極めてオーソドックスで伝統的な演出・舞台造りです

今回このオペラを観て度肝を抜かれたのはアビガイッレを歌ったリュドミラ・モナスティルスカです ウクライナのキエフ出身のソプラノですが,強靭な声の持ち主でドラマティックな表現力は他を圧倒します.METには2012年「アイーダ」でデビューしたそうですが,さもありなんです 外見上はMETのディーヴァ,アンナ・ネトレプコのようなしっかりした身体つきです.彼女との共通点は歌に説得力があるだけでなく演技力が優れていることです

ザッカーリアを歌ったディミトリ・ベロセルスキーはウクライナ出身のバスですが,存在感のある歌唱力の持ち主です フェネーナを歌ったジェイミー・バートンはジョージア出身のメゾソプラノですが,歌の出番は少ないものの歌唱力に底力があります また,イズマエーレを歌ったラッセル・トーマスはマイアミ出身の黒人歌手ですが,良く通るテノールです

最後に主役のナブッコを歌ったスペイン生まれのプラシド・ドミンゴです.かつて世界3大テノール(他はルチアーノ・パバロッティ,ホセ・カレーラス)の一人としてオペラ界の黄金時代を築いた彼も,今は一段声の低いバリトン歌手として活躍しています 圧倒的な存在感という点ではこの人の右に出る者はいないでしょう 息の長いアリアも息切れすることなく見事に歌い上げ,さすがはドミンゴと思わせます

ヴェルディのオペラは合唱が重要な要素になりますが,この「ナブッコ」はとくに囚われのヘブライ人たちが故郷を偲んで歌う「行け,我が想いよ,黄金の翼に乗って」をはじめ,力強い,感動的な合唱がふんだんに聴けます.MET合唱団の底力が聴きものです

最後にレヴァイン指揮によるMET管弦楽団は名手揃いで抜群に上手いです 時に歌手と同じように自らヴェルディを歌い上げます

さて,ここで演出の話に戻ります 私が初めて「ナブッコ」を観たのは2013年5月25日(土)の新国立劇場での公演です.イギリス出身のグラハム・ヴィックによる演出でした.CDも何も持っていなかったのでまさにナブッコ入門公演でした この時の感想は2013年5月26日の当ブログに書きましたので興味のある方はご覧いただきたいと思います 演出面だけから言えば,新国立オペラ史上最悪の公演だったと言っても過言ではないでしょう 何しろ舞台がショッピングセンターなのですから ナブッコはロックスターなのですから はっきり言って「演出家のためのオペラ」で,ヴェルディに対する冒涜でした

 

       

 

それを基準に考えると,今回のようなオーソドックスな演出がいかに素晴らしいかということです 演出家には「まずは音楽,それから演出」だと肝に銘じて欲しいと思います

 

  最後の,閑話休題  

 

今回の「ナブッコ」がエネルギーに溢れたとても印象に残る公演だったので,この印象をいつまでも忘れまい,と思い,新宿タワーレコードに行ってCDを買いました 演奏は誰のでも良かったのですが,2枚組で税込み1635円というお手頃のCDがあったのでそれを買いました ナブッコ=マッテオ・マヌゲーラ,ザッカリア=ニコライ・ギャーロフ,アビガイッレ=レナ―タ・スコット,フェネーナ=エレナ・オブラスツォヴァ,イズマエーレ=ヴェリアーノ・ルケッティ,アンブロジアン・オペラ合唱団,リッカルト・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団による演奏(1977年録音)です したがって,昨日喫茶店で聴いたのは,封を切ったばかりのこのCDでした

 

       

コメント (2)
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