人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

藤岡幸夫✕反田恭平✕日本フィルの 「音の風景~北欧・ロシア巡り」を聴く~ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第5番!?」(日本初演)、シベリウス「交響曲第1番」~フェスタサマーミューザ

2018年08月10日 07時27分16秒 | 日記

10日(金)。わが家に来てから今日で1408日目を迎え、記録的な猛暑が続く北朝鮮で、金正恩朝鮮労働党委員長が人民服の上着を脱ぎ、半袖シャツ姿で塩辛加工工場を視察した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      上着を脱ぐのはいいけど 国民の食糧事情改善に一肌脱ぐのが国民の願いじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のほったらかし焼き」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 「鶏の~」は何回かご紹介しました 鶏モモ肉に塩胡椒を振って焼くだけの超簡単料理ですが、とても美味しぃです

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で日本フィルハーモニー交響楽団「音の風景~北欧・ロシア巡り」を聴きました これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ラフマニノフ(ヴァレンゲルク編)「ピアノ協奏曲第5番ホ短調」(ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」の編曲版)の日本初演、②シベリウス「交響曲第1番ホ短調」です ①のピアノ独奏は反田恭平、指揮は藤岡幸夫です

午後7時からの公演に先立って、3時半から同じ会場で公開リハーサルがありました リハーサルにしては1階席、2階席を中心にかなり入っています

リハーサルはプログラム順に行われました。反田恭平がピアノに向かい、藤岡幸夫の指揮でラフマニノフのピアノ協奏曲から入ります 面白かったのは、修正箇所のやり取りで、反田がコンミスに確認をとっていたら、藤岡が「そういうことは俺を通して言ってくれよな」的な注意をして、反田が「えらい すんまへんでした」的な反省の態度を見せていた(私にはそう見えた)ことです 話しかけるなら美人の方が良いに決まっています。反田くんの気持ちはよ~く分かります

10分の休憩後にシベリウスのリハーサルを行いましたが、一通り演奏し終わったところで、何人かの楽員から指揮者に対し質問が出されていました これまでいくつかのオケのリハーサルを見学してきましたが、質問はほとんど出ませんでした その意味で、日本フィルは「質問力」があるオーケストラだと思いました もっとも、そんなことも分からないのか、といった程度の質問であれば論外ですが、そんなことはないでしょう。天下の日本フィルですから アンコール曲もリハーサルしましたが、曲名は伏せました。見識です

 

     

 

 さて本番です。会場は文字通り満席です 聴衆の目的はラフマニノフのピアノ協奏曲第5番の日本初演か それとも人気ピアニスト・反田恭平の演奏を聴くためか

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは千葉清加です

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第5番ホ短調」です ラフマニノフはピアノ協奏曲を5曲も作曲していたっけ?と疑問が湧きますが、この曲はラフマニノフの「交響曲第2番ホ短調」(1908年初演)をウクライナ生まれのピアニスト・作曲家のアレクサンダー・ヴァレンベルグ(1952~)がピアノ用に編曲した作品です 「交響曲第2番」は4楽章構成ですが、ヴァレンベルグは第1楽章を2割カット、最終楽章を3割カットした上で、原曲の第2楽章(スケルツォ)と第3楽章(アダージョ)を一つの楽章にまとめ第2楽章とし、小節数にして全体の4割をカットした全3楽章の作品としています 第1楽章「ラルゴ~アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ~モルト・アレグロ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」です

この編曲版は2007年に完成しましたが、今回は日本初演となります

反田恭平が藤岡幸夫と共に登場し配置に着きます 反田は譜めくり男子を従え、楽譜を見ながら演奏します。日本初演曲です。当然でしょう 藤岡のタクトで第1楽章が開始されます。原曲を生かしたスケールの大きな曲です 途中から反田のピアノ・ソロが入ってきますが、いかにも「ラフマニノフのピアノ協奏曲」らしく聴こえます この辺は編曲の妙と言うべきでしょうか。第2楽章は大雑把に言って、交響曲第2番の第3楽章「アダージョ」の冒頭部分が最初に演奏され、続いて同第2楽章「アレグロ・モルト」が続き、再び第3楽章「アダージョ」のメロディーに戻るという流れに編曲されています 冒頭 クラリネットのソロが素晴らしい演奏を展開してオケを叙情的な世界へ誘いました 反田のピアノ独奏も叙情的です 第3楽章は反田の超絶技巧によるピアノが冴えわたります ラフマニノフのピアノ協奏曲特有のドラマティックな終結部の演奏は「ピアノ協奏曲第5番」でも鮮やかでした

反田恭平は5年前にこの曲に出会って以来、「自分が絶対に演奏する!」と強い気持ちを抱き この日を迎えたとのことですが、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第5番ホ短調」の日本初演は 満場の拍手とブラボーの中、成功裏に終わったと言えるでしょう


     


プログラム後半はシベリウス「交響曲第1番ホ短調」です この曲はジャン・シベリウス(1865‐1957)が1899年に完成させ、同年4月6日にヘルシンキで作曲者の指揮により初演されました

第1楽章「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ・エネルジーコ」、第2楽章「アンダンテ(マ・ノン・トロッポ・レント)」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ~レント(マ・ノン・トロッポ)」、第4楽章「フィナーレ(クワジ・ウナ・ファンタジア):アンダンテ~アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

藤岡の指揮で第1楽章が開始されます。冒頭ティンパニのトレモロに乗ってクラリネットがほの暗い印象のメロディーを演奏し、次いで第2ヴァイオリンがきざみ、第1ヴァイオリンが明るい第1主題を演奏しますが、この部分を聴くと いつも、これから物語が広がっていくんだな、と思います 藤岡は速めのテンポでグイグイ音楽を進めます 第2楽章「アンダンテ」を経て、第3楽章ではフルートとクラリネットが活躍します そして、第4楽章は超高速演奏です。藤岡はもっともっと とオケを煽り立てます   オケは必死に食らいついていきます

藤岡の指揮は全体的に速めのテンポ設定による引き締まった演奏でしたが、いかにも現代的な演奏という感じがしました   率直に言うと 私のイメージでは「速すぎ」ます

実は今、村上春樹の紀行文を読んでいるのですが、その中にシベリウスの住んでいた「アイノラ荘」を訪ねた時の話が出てきます シベリウスはそこで53年も実際に生活していたらしいのですが、彼は水道設備を入れなかったそうです お金がなくて水道が引けなかったのではなくて、工事が行われるとうるさくて作曲に差し支えるからだという理由だそうです

そんな神経質だったシベリウスは、1899年のフィンランドで 自分が書いた交響曲第1番をどんなテンポで初演したのだろうか、と考えてしまいました

本題に戻ります。藤岡✕日本フィルはアンコールにエルガー「夕べの歌」を演奏しました 英国王立ノーザン音楽大学指揮科卒、1994年「プロムス」にBBCフィルを指揮してデビューした藤岡らしい選曲で、聴衆のクールダウンを図りました


     


         


 

本日、toraブログのトータル訪問者数が100万 I P を超えました(1,000,592 I P )。ブログ開設(2011年2月15日)から2733日目、2835本目の投稿での達成となります これもひとえに普段から当ブログをご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝いたします


     


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これからも、猛暑に負けず根性で毎日書き続けて参りますので引き続きご愛読くださるようお願いいたします

コメント (3)
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