人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

モーツアルト 「レクイエムK.626」、 R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲ほか~ 夏祭クラシックス2018(ミューザ川崎)で 『一期一会』の演奏を聴く

2018年08月19日 08時01分33秒 | 日記

19日(日)。昨夕、7時のNHKニュースを見て、チャンネルをそのままにしていたらNHKホールでの「思い出のメロディー50回記念だ!」という番組が流れました 往年の歌手たちが出てきて往年のヒット曲を歌うまでは良かったのですが、「ゆけゆけ飛雄馬」なんていう読〇巨〇軍の応援歌みたいな曲なんか歌ってるし、それよりも何よりも、あの会場で自分はN響の定期会員としてコンサートを聴いていたんだな、と再認識して愕然としました NHKホールは多目的ホールなので、クラシックコンサートもやるしポピュラー番組もやるし紅白歌合戦もやるし、要は金になることは何でもやるのですが、何となく釈然としない気持ちが残りました N響定期は次のシーズンからサントリーホールのB定期を選んだので「まあいいか」と思い直したのですが、音響面、設備面で そう遠くない時期にNHKホールも改修せざるを得ないのではないか、と思いました 個人的にはクラシック・コンサートホール仕様に作り直してほしいと思いますが、税金に準じる受信料収入で改修することになるので、そうもいかないかも知れませんね

ということで、わが家に来てから今日で1417日目を迎え、海洋汚染の原因として問題視されるプラスチックごみに関連して、米スターバックスに次いで、すかいらーくホールディングスがプラスチック製ストローを全廃する方針を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プラスティックごみは日本では分別回収されて焼却されているんじゃなかった?

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「夏祭クラシックス2018」公演を聴きました プログラムは①永六輔・いずみたく「にほんのうた」抜粋②リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲、③モーツアルト「レクイエムK.626」です 出演は、①の合唱=男性合唱団  An  die  Musik、③のソプラノ=吉田美咲子、アルト=二瓶純子、テノール=近野桂介、バス=菅谷公博、管弦楽=夏祭クラシックス2018祝祭管弦楽団、合唱=夏祭クラシックス2018合唱団、 指揮=①岡田直樹、②③小森康弘です

このうち夏祭クラシックス2018祝祭管弦楽団は、一般公募により音源審査を通過した老若男女・プロアマを問わず様々なメンバーで構成される臨時編成オーケストラで、今年5月から小森康弘の指導のもと研鑽を積んできたとのことです 一方、夏祭クラシックス2018合唱団は、一般公募により構成された男女混声合唱団で、この日の出演は201名です

 

     

 

入場してからチケットを改めて確認すると、座席番号の代わりに整理番号A1番と書かれていたので、様子が変だ?!と思い、アテンダントの女性に尋ねてみたら「本日は自由席となっております」との答えでした それならそうとチラシにもチケットにも書いておけばいいのに・・・・と思いましたが後の祭り。そんなやり取りをしているうちに1階席と2階席の良い席は埋まってしまい、かろうじて2CA3列3番を押さえました 会場は7割くらい入っていると思われます

オケは左にヴァイオリン・セクションを集めています。コンミスは伊藤舞希子さん

平均年齢が高そうな男性合唱団  An  die  Musik のメンバー30人がぞろぞろと登場、何人かは頭にカエルの似顔絵を付けています   岡田直樹が指揮台に上がり、最初の「筑波山麓男声合唱団」が歌われます ソロを歌う人たちは青空球児好児のゲロゲーロよろしくカエルに成り切っています この光景、確かに既視感があります。そうだ、幼稚園の学芸会です 次いで、京都~大原~三千院~ の「女ひとり」が歌われたかと思うと、急にメンバー全員がネクタイを外し始め、ある者は頭に巻き、ある者は上着を脱ぎ、足元フラフラの酔っぱらい集団に変貌します 歌うのは「終電車のブルース」です。植木等調の歌を歌い終わると皆 床に崩れ落ち、廃品回収車に回収されるのを待つだけの粗大ごみとなり果てます とてもお芝居とは思えない現実味があります そうかと思っていると、全員が急に立ち上がり、かつてドリフターズがお茶の間のチャンネルを独占した某民放の「8時だよ全員集合!」のテーマソング「いい湯だな」を歌い出し、会場から自然発生的に手拍子が出ます 全国のPTAを敵に回した文部省非推薦の番組でしたが、今となっては懐かしい思い出の1曲に昇格したようです 最後は「明日の故郷」をまっとうに歌い「にほんのうた」を終了します 見ていて、いや 聴いていてか、この人たちと飲んだら さぞや楽しいだろうな、と心底 思いました

「にほんのうた」からクラシックへ転換するため 会場の模様替えがあり オケのメンバーも拡大します   聴く側も気持ちの切り替えが大変です

リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲の演奏に入ります   この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864‐1949)がモーツアルトの歌劇を意識して作曲し、1911年1月26日に初演されたオペラ「ばらの騎士」の聴きどころを集約した管弦楽曲です オーケストラは健闘しましたが、この曲特有の色彩感と色艶の点で今一つだったように思います。しかし、この日1回限りの演奏のために編成されたオケの演奏としては大健闘だったと言うべきでしょう


     


プログラム後半はモーツアルト「レクイエムK.626」です この曲はモーツアルト(1756‐1791)が晩年に作曲するも未完に終わった名作です

男女混声合唱201名(男女比1:3)がオケの後方にスタンバイし、その前 中央にソプラノの吉田美咲子、アルトの二瓶純子、テノールの近野桂介、バスの菅谷公博がスタンバイします このうち一人だけ分かる吉田美咲子さんは新国立劇場オペラ研修生です 小森康弘の指揮で演奏に入りますが、何カ所か私が今まで聴いてきたジュスマイヤー版による「レクイエム」と異なる部分(例えば、ラクリモーサの後)がありましたが、これは小森氏が、ジュスマイヤー版を基本に、フライシュテットラーやアイブラーなどの研究結果も復活させているとのことでした

この作品は、ソリストによる四重唱の部分がいくつかありますが、それらを聴くたびに「モーツアルトの宗教曲はまるでオペラのアリアのようだな」と思います 「敬虔」という言葉の前に「美しい」という言葉が出てしまいます。200名を超える混声合唱は、まさにマスによる迫力です 「皆は一人のために、一人は皆のために」という『三銃士』のダルタニャンの名言を彷彿とさせるような この日だけの「一期一会」の合唱だからこその迫力があります ソリストの4人も、トロンボーンをはじめとするオケも健闘しました

アンコールは予想通り、モーツアルト晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618」が歌われました 抑制された合唱で歌われる美しいメロディーに 背筋が寒くなるほどの深い感動をおぼえました

 

     

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