人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

芸劇ブランチコンサートでトゥールーズ・キャピトル国立管コンマス=藤江扶紀によるバッハ「シャコンヌ」、ラヴェル「ツィガーヌ」、マスネ「タイスの瞑想曲」他を聴く

2018年08月23日 07時55分43秒 | 日記

23日(木)。わが家に来てから今日で1421日目を迎え、トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏が21日、ニューヨークの連邦裁判所で 捜査当局との司法取引に応じ、選挙資金法違反や、トランプ氏と不倫関係にあったとされる元ポルノ女優ら2人に対しトランプ氏の指示で口止め料を払ったことを認めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      相手が新聞社だろうが裁判所だろうが それはフェイクだ!と白を切るんだろうな

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉のアスパラ巻き焼き」「マグロの山掛け」「トマトとレタスと卵のスープ」を作りました。「豚肉~」は久しぶりに作りました

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「第14回芸劇ブランチコンサート~美しきヴァイオリン~藤江扶紀  トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団  コンマス就任記念」を聴きました プログラムは①J.S.バッハ「シャコンヌ」、②リスト/ミルシテイン編「コンソレーション第3番」、③ラヴェル「ツィガーヌ」、④フォーレ「子守歌」、⑤マスネ「タイスの瞑想曲」、⑥クライスラー「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」です 演奏はヴァイオリン=藤井扶紀、ピアノ=清水和音です

今回で1階N列12番の席ともお別れです 会場は1階席、2階席(バルコニー席を除く)ともほぼ満席近い状況です。このシリーズは人気があり、回を重ねるごとに聴衆が増えているような気がします

 

     

 

黒のシックかつエレガントな衣装の藤井扶紀が登場し、1曲目のJ.S.バッハ「シャコンヌ」の演奏に入ります この曲はJ.S.バッハ(1685‐1750)の「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」全6曲のうちの「パルティータ第2番」の終曲に当たる作品です 主題と30の変奏が展開されますが、耳を澄まして聴いていると、本当に1本のヴァイオリンから出てくる音だろうか、と思うほど多声的で色彩感に溢れています 藤井扶紀の演奏は厳しい中に温かさを感じる演奏で、演奏者の性格が音楽に現われているのだろうか、と思いました こういう演奏を小さな子どもが聴いたら「ああいうヴァイオリニストになりたい」と憧れを持つかも知れないな、と思いました

彼女の演奏姿を見ていて「おやっ?」と思ったのは、素足で演奏しているのです 私が知る限り、素足で演奏するクラシック演奏家はピアニストのアリス・紗良・オットだけです 彼女の影響を受けたのだろうか? いずれにしても、思うところがあるのでしょう

2曲目はリスト/ミルシテイン編「コンソレーション第3番」です 「コンソレーション(慰め)」は、フランツ・リスト(1811‐50)が1849~50年頃に書いた6曲から成る小品集です これをヴァイオリニストのミルシテインがヴァイオリン用に編曲した版により演奏します 藤井の演奏はヴァイオリンの音色が美しく ロマンティックそのものでした

演奏後の対話で、清水が

「ピアニストからみると、この曲をヴァイオリンで演奏するのはどうも違和感があります ショパンやリストのピアノ曲をヴァイオリン用に編曲したものを演奏して効果を上げるのはすごく難しいと思います 演奏する側としてはどうでしたか?」

と(誘導尋問的に)尋ねると、藤井が

「(ヴァイオリンによる演奏でも)それなりに美しい曲だと思いますが、ピアノのソロによる演奏の魅力には勝てません

と(ピアニストを立てて)答え、それでは、ということが清水のピアノ独奏でこの曲を演奏しました この辺は台本通りでしょうが、私はどちらも魅力的な音楽として聴きました どうも、清水には「他のジャンルの者はショパンやリストのピアノ曲のフィールドを荒らさないでくれ」という意識が強いような気がします 私から言わせてもらえれば、演奏が良ければ どんな楽器で演奏しようが 名曲はどこまでも名曲なのです


     


次いでラヴェル「ツィガーヌ」が演奏されます  この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1924年にハンガリー出身のヴァイオリニスト、ダラニ―のために作曲した作品で、「ツィガーヌ」とはジプシーのことです   前半は藤井のヴァイオリン独奏でゆったりしたメロディーが奏でられますが、途中からピアノが入るとスピードアップして民族舞曲が奏でられます 前半と後半の藤井の弾き分けは鮮やかで、後半は超絶技巧を駆使した名人芸が繰り広げられました

次の曲がフランスの音楽なので、清水が藤井にインタビューします

「藤井さんは今年1月にフランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコンサートマスターに就任したわけですが、どんな感じでしょうか?」

これに対し、藤井は

「みなさん、本当に親切にしてくれて、楽しく過ごしています コンサートマスターといっても、私の場合は、ヴァイオリン・セクションの最前列4人のどこでも弾く可能性がある立場です(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンに関係なくトップで弾く)。」

と答えていました こういうのは、日本のオーケストラでは考えられませんね

そして、ガブリエル・フォーレ(1845‐1924)の「子守歌」とジュール・マスネ(1842‐1912)の「タイスの瞑想曲」を演奏しました 両曲とも前の曲=ツィガーヌの激しい音楽とは対極にある静かな音楽ですが、これが同じヴァイオリンから出てくる音なのかと思うほど、優しく美しい音で、演奏者の技量の高さを示していました

続けて、クライスラー「愛の悲しみ」が演奏されるはずでしたが、なぜか「美しきロスマリン」が演奏されたので、「さては 順番を入れ替えたな」と思いました   こういうのは進行役も兼ねている清水が、演奏に入る前にコメントすべきことです 結局「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」の順に演奏されました

会場いっぱいの拍手に、3回目のカーテンコールで登場した清水が「最後の3曲の順番の入れ替えについて説明しないと大変なことになるという話になって、出てきました」と言って、説明しましたが、こういうのはみっともないです 今回は主役がヴァイオリンで、自分は伴奏に回っているということもあってか、自分が話したいことを話しているうちに、話すべきことを失念してしまったようです ピアニストとしての実力は誰もが認めるところなので、進行役としての立場に関して次回から自戒してほしいと思います

この日のコンサートは、これまであまりよく知らなかった藤井扶紀というヴァイオリニストの真の実力と魅力を発見できたという点で、大きな収穫がありました

 

     

コメント
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