人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

工藤重典フルートカルテット:モーツアルト「フルート四重奏曲全曲演奏会」のチケットを取る / 村上春樹著「ラオスにいったい何があるというんですか?」を読む

2018年08月18日 07時18分11秒 | 日記

18日(土)。1週間お盆休みで家に帰って来ていた息子が 昨夜11時10分池袋発の深夜バスで山形に向かうので 西口の東京芸術劇場前のバス乗り場で見送りました 振り返って見ると、息子は この1週間 毎日のように料理を作って食べさせてくれていたように思います 仕事にも慣れ、自炊もし、何よりも元気で過ごしているようで安心しました    これから仕事が忙しくなると言っていたので、健康に留意して頑張ってほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1416日目を迎え、個人間で品物を売買するフリーマーケット「メルカリ」に「甲子園の土」の出品が相次いでいることが17日 分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      本物の甲子園の土だったら出品者は情けないヤツだ 偽物をどうやって見分ける?

     

         

 

昨日の夕食は息子が「イサキの粕漬け焼き」「茄子の煮びたし」「潮汁」を作ってくれました イサキは粕でくるんで前日から冷蔵庫で寝かせていました。潮汁は前日のブリ大根に使ったブリとイサキの頭と尾を出汁にしています 魚は健康に良い上に捨てるところがないですね。どれもがとても美味しかったです

 

     

 

         

 

10月2日(火)午後7時から浜離宮朝日ホールで開かれる「工藤重典:モーツアルト『フルート四重奏曲全5曲演奏会』」のチケットを取りました プログラムは「フルート四重奏曲」第1番から第4番までと、「オーボエ四重奏曲K.370」のフルート四重奏曲版です 演奏は、フルート=工藤重典、ヴァイオリン=堀米ゆず子、ヴィオラ=篠崎友美、チェロ=山崎伸子です

 

     

 

         

 

村上春樹著「ラオスにいったい何があるというんですか?」(文春文庫)を読み終わりました 念のため略歴をご紹介すると、1949年京都生まれ。早稲田大学文学部演劇科卒。79年「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞して以来、数多くの作品を世に送り出し、数々の文学賞を受賞しています

 

     

 

この本は村上春樹が、1995年から2011年までの間に訪れた世界の街について「太陽臨時増刊」「クレア」「アゴラ」などの雑誌に書いた旅行記を集めたものです

筆者が訪ねたのは、ボストン、アイスランド、オレゴン州ポートランド、メイン州ポートランド、ミコノス島とスペッツェス島(ギリシャ)、ニューヨークのジャズ・クラブ、フィンランド、ルアンプラバン(ラオス)、トスカナ(イタリア)、熊本県です

このうち、「ボストン」は筆者が3年間住んでいたところで、毎日のようにチャールズ河沿いの道路を走っていたので一番深く印象に残っているそうです 

「アイスランド」は「世界作家会議」に出席した時に訪れた国で、一番驚いたのは、人々がとても熱心に本を読んでいることだそうです 人口のわりに大きな書店が数多くあるとのこと。それを読んで私も正直ビックリしました それから、アイスランドは温泉だらけだそうで、筆者が湖みたいな大きさの温泉に浸かっている写真も載っています

「フィンランド」でまず思い浮かべるのは①アキ・カウリスマキの映画、②シベリウスの音楽、③ムーミン、④ノキアとマリメッコだと書いています このうち「シベリウスの音楽」については、彼の交響曲全集は5種類持っていて、第5番をいちばん愛好しているそうです 村上氏はシベリウスが53年もの間 暮らしていた有名な山荘「アイノラ荘」を訪ねています   先日のブログでも一部をご紹介しましたが、シベリウスは92歳で死ぬまで、水道設備を入れなかったそうです お金がなくて水道が引けなかったわけではなくて、工事が行われるとうるさくて、作曲にさしつかえるからで、「水道なんかいらん。井戸があればそれでよろしい。これまでそうやって生きてこれたんだから」と言って、断固拒否していたといいます おかげで家族はみんな、用を足すには 外便所に行かなくてならなかったそうです。これがホントの不便というやつでしょうか。家族にとっては水に流せない大問題だったことでしょう

ラオスの「ルアンプラバン」に行く直行便はないので、ハノイで1泊して乗り継いだが、ヴェトナム人に「どうしてまたラオスなんかに行くんですか?」と不審そうに質問されたそうで、その時「ヴェトナムにない、いったい何がラオスにあるというのか?」というニュアンスが読み取れたといいます 村上氏は「良い質問だ」と言いながらも、「僕には答えようがない。だって、その何かを探すために、これからラオスまで行こうとしているわけなのだから。それがそもそも旅行というものではないか」と書いています。彼はルアンプラバンで歩いてのんびり寺院を巡りながら、「普段、日本で暮らしているとき、僕らはあまりきちんとものを見てはいなかったんだな。僕らはもちろん、毎日いろんなものを見てはいるんだけれど、でもそれは見る必要があるから見ているのであって、本当に見たいから見ているのではないことが多いと気が付いた」と書いています そして、ヴェトナム人の「ラオスなんかにいったい何があるんですか?」という質問に対する明確な答えは持たないが、「現地のいくつかの光景だけが匂いや音や肌触りとともに記憶に残っている。それが何の役にも立たない、ただの思い出として終わってしまうかもしれないが、それが旅というものではないか。それが人生というものではないか」と結んでいます。さらに村上氏は「あとがき」で次のように書いています

「実際に行ってみると、ラオスにはラオスにしかないものがある。旅とはそういうものです そこに何があるか前もってわかっていたら、誰もわざわざ手間暇かけて旅行になんて出ません。何度か行ったことのある場所だって、行くたびに『へえ、こんなものがあったんだ!』という驚きが必ずあります それが旅行というものです。旅っていいものです。疲れることも、がっかりすることもあるけれど、そこには必ず何かがあります さあ、あなたも腰を上げてどこかに出かけてください」と挑発しています

オレゴン州ポートランドでは、中古レコード屋で中古LPレコードを漁る村上氏の姿が、メイン州ポートランドでも、中古レコード屋で、キャノンボール・アダレイの「サムシン・エルス」(ブルーノート)のファースト・エディションのピカピカの美品を20ドルで購入して、LP原理主義者の店主とツーショットに納まっている村上氏のニコニコ顔が写真で紹介されています かつて、LPレコードを買いあさっていた同人類としてものすごく親近感を覚えました

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