21日(火)。わが家に来てから今日で1419日目を迎え、欧米の一部の国ではロゼワインの消費量が増え、国内の業界ではブームを先取りしようとする動きが見える というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ビール業界は糖質ゼロを謳っているけど ワインはロゼなんだね 逆転の発想か?
昨夕は、娘が外食のため夕食作りはお休みしました
昨日、早稲田松竹で「タクシー運転手 約束は海を越えて」と「ペパーミント・キャンディー」の2本立てを観ました
「タクシー運転手 約束は海を越えて」はチャン・フン監督による2017年韓国映画(137分)です
時は1980年5月。朴正煕大統領暗殺事件後、韓国国内では民主化を求める大規模な学生・民衆デモが起こり、光州では市民を暴徒と看做した軍が厳戒態勢を敷いていた ソウルのタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は、「通行禁止時間までに光州市に行ったら大金を支払う」というドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せ 光州を目指す
マンソプは報酬を受け取りたい一心で機転を働かせて検問を切り抜け、時間ギリギリに光州市に入ることに成功する
一人ソウルで留守番をする娘が気になるマンソプは、危険がいっぱいの光州から一刻も早く立ち去りたかったが、軍の横暴を目の当たりにして反感を覚え、デモに参加している大学生のジェシクや現地の運転手らの力を借りながらピーターの取材を助ける。そして関門を潜り抜けピーターをソウルに連れ戻すことに成功する
ピーターが撮影した映像は世界中に流れ、初めて軍による横暴が白日の下に晒される
この映画は実話に基づく作品です 最後に本物のドイツ人記者ユルゲン・ヒンツペーター(ピーター)が出てきて、「あの時のタクシー運転手に是非 再会したい。連絡が取れたらソウルまで飛んでいく」と強い希望を述べます
この映画は多数の死傷者を出した「光州事件」を扱っているにも関わらず、どこか明るさに満ちています。それは主人公マンソプのそこはかとないユーモアによるもので、彼を演じたソン・ガンホのキャラクターによるところが大きいと思います
この映画は今から38年も前の韓国を舞台にしていますが、2018年の現在においても 世界のどこかで、命を張って真実の報道に従事しているジャーナリストたちがいることを、われわれは忘れてはならないと思いました
「ペパーミント・キャンディー」はイ・チャンドン監督・原作・脚本による1999年韓国・日本映画(129分)です この映画の大きな特徴は、時間を遡る構成により一人の男の人生を描いていることです
1999年春。久しぶりに集まった労働組合の元仲間たちが川のほとりでピクニックをしていると、すべてを失い自暴自棄になったヨンホ(ソル・ギョング)が現われる 鉄橋によじ登り 向かってくる列車に立ちはだかる
その3日前、ヨンホは自殺を決意していた。彼はペパーミント・キャンディーの瓶を抱え、今は人妻となった死の床にある初恋の女性スニム(ムン・ソリ)を見舞いに行く
20歳の時 ピクニックでスニムから初めてもらったのがペパーミント・キャンディーだった
94年夏。35歳のヨンホは事業で成功を納めていた しかし、妻ホンジャ(キム・ヨジン)は浮気をしており、自分も妻を裏切っていた
87年春。新婚で刑事となっているヨンホは、学生運動家を厳しく拷問し、バーの女と一夜の関係を持つ
84年秋。新米刑事のヨンホは労働組合員に拷問する日々を送っている。そんなある日、スニムが訪ねてくるが、彼は彼女を冷たくあしらい、同じ夜、食堂で働くホンジャをホテルに誘う
80年5月。光州事件で戒厳令下、軍に所属しているヨンホは、暗闇の中で足に怪我を負いパニックになっていた時、誤って女子高生に発砲して死なせてしまう
79年秋。20歳のヨンホは仲間たちとピクニックに来ている。彼はスニムに写真家になりたいと夢を語り、人生で一番美しい時間をかみしめている
「すべてを失って死ぬしかないという人生最悪の現状から、どんどん時間を遡っていくと、人生最良のときは無限の未来が開けていた20歳の時だった。あの頃は良かった。でも戻れない」という、ある意味ノスタルジックな感触の映画だったように思います
刑事が学生を拷問するシーンで、刑事が「人生は美しいか?」と訊く場面があります。しかし、学生は返事をすることが出来ません。逮捕されて拷問されているのに人生が美しいわけがないからです
さて、あなたにとって、今、人生は美しいか